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異世界漫遊するおっさん  作者: 田舎老人唯爺
第一章 聖シルバーナ皇国 王都ルパーナ編
22/23

情報に驚くおっさん

1月ぶりの投稿です。

 聖シルバーナ皇国の北方にルガーダ帝国が存在する。

 北部辺境を流れるバウターザ川を境とし、北部から北北東部を接している。

 ルガーダ帝国が聖シルバーナ皇国と国境を接して約2年程になる。

 元々ルガーダ帝国は北を海に面した小国であり聖シルバーナ皇国とは中小を含め7つの国を跨いでいたのだが僅か10年程の間に7つの国を呑み込み聖シルバーナ皇国と国境を接する様になった。

 ルガーダ帝国皇帝ガルガリア・ダイアーグ・グルコート・ルガーダが即位し12年、覇権主義の専制国家がその矛先を聖シルバーナ皇国へと向けるのだった。


 ルガーダ帝国軍は2万人を先軍とし、中軍3万人、後軍5万人と言う編成にてバウターザ川北岸に位置するバガン砦へと入り聖シルバーナ皇国への進軍準備を整える。


 聖シルバーナ皇国はバウターザ川に掛かるミシッブ大橋、及び附帯する国境の小城砦へ守備魔導兵3千を配置、その後方のサイラス城砦都市に4万の兵を配置し守備を固める。


 まだ戦端は開かれてはいなかったが時間の問題であった。



 おっさんは朝の日課を終え、朝食を食べて一休憩をし朝風呂を堪能するために銭湯へやって来ていた。

 湯槽(ゆぶね)の中で湯に浸かりながらおっさんは以前紹介されたパーティの事を考えていた。


 【「ガチムチマッスルズ」は無いわ〜。 前衛後衛関係なく重武装なんかどう考えても脳筋集団やろ。 無いわ〜。 いくらギルドの評価が良くても無いわ〜。】


 頭に乗せた手拭いで顔を拭いて次のパーティの事を考える。


 【「平家侍団」って平家の末裔か? おもいっきし日本人が関わってるやろこれ。 友好クランが「服部忍軍」ってウケ狙いとしか思えん。 オモロそうっちゃオモロそうやけどまあ保留かな。】


 おっさんは一息付き、湯槽から出ると、水風呂へと向かう。

 水風呂の冷え具合を確かめてから水に浸かる。


 【もう一個のパーティは「風の翼」やったな。 なんか口の悪い失礼な魔導士がおったな。 初見で年長者に丁寧な口調が出来ん奴は何やらせても大成せん。 才能はあるんやろうけど、どっかでこけよる。 リーダーはマシそうやったが、これも保留やな。】


 おっさんは水風呂から出て、再び湯槽に入る。

 よく体を温め風呂から出る事にする。


 【またギルドでパーティ探さなあかんな。】


 身体を拭いて銭湯から出たおっさんは休日の冒険者らしくチュニックにズボン、ブーツという服装で幅広のベルトに剣帯で刀を吊るしていた。

 おっさんは露店を冷やかしながらギルドへと向かった。


 ギルドに到着すると、昼前だと言うのに多くの冒険者が屯していた。


 【えらい人おんな。 なんかあんのか?】


 おっさんが訝しんでいると、カウンターの奥からギルドマスターのバルバロッサが表に出てきて大声を上げた。


 「皆、注目だ! この度北辺侯より大量の傭兵業務の依頼が来た。 ランクに応じて内容と報酬は変わるがFランクから参加可能だ。 皆には奮って参加して欲しい。 希望する者は特別受付を作ったのでそちらに申請してくれ。」


 バルバロッサの話を終えカウンターの奥へと消えるとギルド内のあちこちから冒険者達ので囁き声が聞こえた。


 「ルガーダが攻めてくるらしいぞ・・・」

 「今回はやばいらしい。」

 「傭兵として活躍すれば騎士団への叙勲もあり得るとか噂があるが・・・」


 おっさんは何の情報も無いので受付で聞いてみる事にする。


 「すみませんが、今回の傭兵の話なんですがどういった経緯か教えて頂いてもよろしいですか?」

 

 受付に座っていた小太りの中年男性がおっさんに答える。


 「最近街では結構噂になってるはずだが? まあ良いか。 ルガーダ帝国が北辺侯の治めるミリシア領を狙ってバウターザ川北岸のバガン砦に兵力を駐屯させたと情報が入っている。 それに辺り戦場以外の町の防衛や兵站任務の護衛を冒険者が請負う事になった。 直接前線に出る訳ではないが戦場近郊に赴くため傭兵業務と言われているんだ。」


 おっさんは受付の話を聞いて、自分が酒場やギルドで情報収集しておらず、商店でも世間話等をしていないため世間の噂や情報が入っていなかった事に気付いたのだった。

おっさんの感想部分は関西弁ですので読み難いかもしれません。

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