再びダンジョンに入るおっさん
今回は早めに投稿できました。
おっさんは再びダンジョン内にいた。
冒険者ギルドでダンジョンに関するとある噂を聞いた為である。
曰く
『小鬼しか出てこない。』
『ボスは中位小鬼である。』
『敵の出現率は少ない。』
『罠等のトラップが見当たらない。』
『地下3階で初めて宝箱が出た。』
と言うものであった。
おっさんがパーティーを組もうと思ったのは異常とも思えるエンカウント率と解体や罠対策を考えなければならないと考えたからである。
聞いた噂と前回とでは2番目と3番目の噂の整合性が取れていない。
確認する為と噂通りならソロでも支障は無いかな?とダンジョンに来たのだった。
おっさんは機嫌良くダンジョンを闊歩していた。
「ダンジョンよ! 私は帰ってきた。」
おっさんはア○ベル・ガトー風に呟く。
今現在は前回来た時の様に大量に小鬼が出現する訳で無く、快適に進んで行けるのでおっさんはご機嫌でつい呟いてしまったのであった。
おっさんはオタク気質のインドア派である。
それ故、屋内の暑くもなく寒くも無い快適環境を非常に好む。
柔道と云う屋内スポーツ(流石に走り込みは屋外だった)を行っていたし、その後は剣術を道場内で行っている。
また趣味が模型に読書、時代劇鑑賞、アニメ鑑賞と見事に屋内物でもあるし、仕事も屋内勤務の柔道整復師と云うものであるのも一因であろうと推察される。
噂通りだと確認し、前回しっかり行ったマッピングのおかげもあり最短ルートを通って地下2階へ続くボス部屋の前まですんなりとやって来る事が出来た。
【ボスの復活があるタイプやろうか?】
何となくダンジョン関連のゲームのお約束であるボス復活するタイプかしないタイプかを考えてしまうおっさんであった。
【Reincarnationやったらボスは復活してるやろな。 アイテムは出えーへんかったからあらへんやろな。】
おっさんは前回の事を考えて、今回は物理攻撃のみで対処するつもりである。
気合を入れ大扉を開いたおっさんはボス部屋の中を見て愕然とする。
【噂通り中位小鬼2体か?】
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種族 鬼人
系統 小鬼
職業 中位小鬼
名前 ゴブ造
レベル 11
HP 305/305 MP 20/20
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種族 鬼人
系統 小鬼
職業 中位小鬼
名前 ゴブ六
レベル 10
HP 300/300 MP 20/20
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おっさんが鑑定で確認しても中位小鬼である。
【ダンジョン内のエンカウント率もそうやけど、ボスまで前回と全然ちゃうやないけ! えっ? 中位小鬼って職業なん?】
おっさんは色々疑問には思うのだが、部屋内に入り居合の形をとり中位小鬼が近づいて来るのを待つ。
【ゲーム上では物理攻撃にはクリティカルはあったけど、即死は魔法しか無いねんけど・・・】
おっさんは1匹の中位小鬼の頸に刀を鞘走らせ薙ぐ。
返す刀で残った中位小鬼の頭上から雷撃の太刀を斬り落とす。
真當陰之流の居合技「落椿」と上段技「割竹」である。
「落椿」は武家で忌み嫌う花椿が不意にポトリと落ちる様と対者の頸が落ちる様を掛けた技名である。
「割竹」は横や斜めからは刃の通り憎い竹節が縦方向からな斬撃ではすっぱりと斬れる様を現した技名である。
おっさんの納刀と共に、中位小鬼の頸は落ち、残る1匹は左右に分かれる。
【物理攻撃でも一撃での即死はあるんやな。 儂も気を付けんと・・・】
おっさんは中位小鬼の魔石を取ろうとした際、死体の足元に小さな皮袋が落ちていた。
その皮袋は巾着の様に口が縛られており膨らんでいた。
おっさんが手にとり口を緩め中を見てみると、薬草が入っていた。
【ドロップアイテムかいな?】
おっさんは皮袋の口を締め〈収蔵庫〉に放り込んでおく。
中位小鬼から魔石を取り出しておく事も忘れず行うおっさんなのであった。
☆
結局おっさんは地下5階迄攻略までして帰ることにする。
地下5階のボスはソロの小鬼公だったが、おっさんに瞬殺されただけだった。
地下1階が30分、残る4階が1階辺り1時間半というハイペースでの攻略である。
【結構小さいダンジョンやな。 しかし宝箱の中身がショボいなー。 もうちょっとええモン入っとってくれな儲けが少ないで。】
おっさんは4つの宝箱を手に入れたのだが、短剣、小剣、薬草×2という中身だった。
【初心者向きのダンジョンっぽいけど転移の魔法陣とか無い様やから、そないに深ないやろな。】
そんな感想を持ったおっさんはダンジョンを後にした。
次回から少し話が動くと思います。
作中でおっさんは誤解していますが、中位小鬼の一撃死はただ単におっさんのオーバーキルです。
この世界に一撃死があるかは後のお楽しみという事でお願いします。
ちなみにおっさんは斥候系統のスキル持っていませんので、ダンジョントラップ等が有れば引っ掛かります。
このダンジョンは「小鬼迷宮」(ゴブリンダンジョン)という名称で呼ばれだす予定です。
誤字脱字ありましたら報告下さい。




