おっさんはパーティーを探す
久しぶりの投稿です。
ぼんやりとした設定と思い付きで書いてますので詰まると長くなってしまいますね。
ぼちぼちと書いていきますのでご容赦下さいね。
冒険小僧から帰ったおっさんは昼食を食べていなかったが帰宿時間が遅かったため宿での昼食に有り付けず、露店で買った焼そばを食べ腹を落ち着かせた。
おっさんは自分の部屋に戻ってベッドで仰向けに寝転びながら生活魔術のテキストをパラパラとめくり目を通していた。
【よー見たら絵本にしか見えんな。 薄うて絵が大きく書いてあるし、呪文しか載ってへんから余計にそう見えるんやろうけど・・・。 しかし儂この呪文覚えれるやろか?】
おっさんは物覚えは良い方であるが、転移前は段々と物覚えが悪くなりだし物忘れが始まりだしていた。
【よー考えたら、物忘れが酷くなって来てたっちゅう事は脳に微小梗塞が多発しとったんやろな。 今回死んだのはバグかなんか知らんけど、もしかしたら後数年で脳梗塞で死んでたかもな。 まあ今は召喚されたせいかえろう頭のキレがようなってるのは儲けもんやわな。】
おっさんはテキストに一通り目を通してなんとなく覚えた気になったので、食堂へと向かいプータを愛でてから、身体を拭いて就寝するのだった。
☆
おっさんは朝から鎧着用での素振り、真當陰之流の型を行い汗を拭うと食堂で朝食を取る。
昨日と同じ行動であるが、これがおっさんのこれからの朝の日課となって行く。
おっさんは今日は午前中に刀や鎧の手入れ、午後からギルドでピックアップして貰っている空きのあるパーティーを検討する事、久方ぶりの銭湯へ行く事を目論んでいる。
朝食の際にプータを愛で、宿に今後も継続して使用する旨を伝え取り敢えず1月分の宿代と夕食代として小銀貨120枚を預ける。 足りない場合は不足してから支払いする事とした。
おっさんは母子家庭で育ったので家事全般は一通りこなす。
11歳の時に父親の善治が胃癌で死に、母親の祐花里が近所のスーパーに働きに出たため已む無く家事を手伝い覚えたのである。
しかし家事が出来る事とする事は別で、料理を除いては嫌いと言ってよく、出来る事ならしたくないとも思っているため宿の様に掃除やベッドメイキングをせずに済むのはありがたいと思うおっさんだった。
つまりは好きな事以外は面倒くさがりなおっさんなのである。
部屋に戻り刀と鎧を昼近く迄手入れを行い終了させたおっさんは昼食を取りがてらギルドへ向かう。
ギルド酒場で昼食の日替わり定食を食べ、受付へ歩み寄る。
「すいませんが、昨日パーティーの空きを紹介して頂けるようお願いしたユージですが。」
おっさんはギルドカードを差し出す。
「ユージさん、こちらで伺います。」
マリーベルが手を挙げおっさんを呼ぶ。
おっさんはマリーベルのいる受付へ移動し挨拶する。
「こんにちは、マリーベルさん。 昨日お願いした空きのあるパーティーの件なんですが。」
「こんにちは、ユージさん。 あれから、何件かピックアップいたしました。 現在空きのあるパーティーは無数にあるのですが、ギルマスからお聞きしているユージさんの能力、納品して頂きました魔石の数等を鑑みましてご提示出来るパーティーは3件となります。」
マリーベルは言いながら3枚の紙を差し出して来た。
和紙っぽい手触りの紙にパーティー名、パーティーのランク、メンバー名、依頼達成割合、メンバーの職業、メンバーの特徴、ギルドからの概ねの評価が書いてあった。
「これは?」
「ギルドのパーティー台帳の写しです。」
「こう云う情報は写して私に渡しても良いものなのですか?」
「これは依頼者に写して渡す事があるものですから支障はありません。」
マリーベルは台帳を見ながら話を続ける。
「現在、初級冒険者で構成され中級に上がる能力がありギルドからの評価も良く将来性抜群な3件をピックアップさせて頂きました。 一つは『ガチムチマッスルズ』。 前衛、後衛関係なく重武装で物理攻撃が強力な6人組のパーティーです。 もう一つが『平家侍団ルパーナ支部第3部隊』です。 こちらは侍の格好をした戦士集団で、『平家侍団』という複数の国家を跨ぐ超巨大クランに所属しているパーティーです。 ルパーナには第1部隊から第4部隊までの4パーティーが存在します。 メンバー全員が前衛、中衛、後衛を熟すマルチパーティーの5人組です。 時折友好クラン『服部忍軍』の斥候職をメンバーに迎え活動するようです。 最後の一つが『風の翼』です。 メンバー各々が光る才能があるのですが3人組ですので今現在は燻り気味です。 パーティーメンバーの構成はバランスが良いので人数が増えれば更に飛躍するパーティーと言えます。 依頼達成割合、ギルド評価は非常に良いです。」
おっさんは渡された紙に書かれていない話を書きとめる。
「ユージさん。 お勧めの3件ではありますが細かな希望があれば言って下さいね。まだまだ探しますので。」
おっさんは謝辞を述べ受付を後にし、宿で手拭いを取り銭湯へと足を向けるのだった。
パーティー名を考えるのが難しい。
誤字脱字ありましたらご連絡下さい。




