エピローグ
(早月side)
……………………………と、いうのが、この島の、四ヶ月くらいの大きな大きな事件の最後だよ。私は参加など出来なかったけど。当事者の君は最後以外よく知ってるだろう?
………あ、でも………………序章の序章の序章くらいには、私も参加してたのかな? でも、もうこの物語は終章だし、私にはあまり関係がなくなってしまったけどね。
あ、でも、妹が一人になってしまったのはちょっと心残りかな。せめて、誰かは残って欲しかったけど………神様の決定に、私は逆らえないからね。もちろん、君も。
………え、神様なんていないって?
もー、それは君の見解じゃないか。私はお家がキリスト教を信じてたから、少なからず影響を受けてたの! ………いや、怪しい力=能力なら割と冒涜してたかもしれないけど。
後、信じるか信じないかは人次第じゃない! 十人十色だ!
ふふん、納得したね? え、納得はしてない? 私が信じてても、君は信じてないから、いない? ……………頑固だなぁ。その性格、かなり損したでしょー? あ、図星の顔だ。
あはは、ごめんごめん! 私は自由気ままな正確だったからさー、あんまり世界に不自由感を感じたことない恵まれた環境だったし。君も、一応、それを甘受できる環境だったでしょ? 私は安全な環境だったから、そのままそれに流されただけ。君は、その環境の異常を感じて、動いた。私よりも凄いよ?
え、環境の違いじゃないか? んー………、うん! そうだね! って痛い痛い、蹴らないで蹴らないでー! うら若き乙女の脚を蹴るなんて! あ、ごめん、君の方が若いね! 脚は、私の方が綺麗そうだけど。
え、なんで決めつける? だって、私は箱入り娘だったから〜………いだだだだ! 抓らないでー! もー、私の方が年上なんだからね!?
そうは見えない? そうだね、そりゃね!! だって、私の姿は十八歳だからね。同い年だね、うん。でも、私、生きてたら二十六歳だから。がっつり年上だから!
はぁ………、じゃないよ、悲しいなぁ! ………え、ごめんなさい? ……………うむぅ……反省してるなら許す。まあ、怒ってもないし。
君も、見るハメになる。大切な人が、悲しむ姿を。でも、君はきっと目も背けないし、挫けないはずだ。だって、君は生きてる間、目を背けずに真っ直ぐ前だけ見て生きれたんだ。だから、ここにいる。ここには、そんな生き方をしていた人の中でも、美しい信念で生き抜いた人、しか来れないんだ。自信を持って?
…………そりゃ、言われただけでは無理だろうけど。君は大丈夫だ、きっとね。
………………あ、ごめんね、そろそろ終わりかも。お迎えがすぐ側に来たっぽいから、さよならだ。
早「………私に言える、君に出来るアドバイスは、ここまでだ。最後の最後に、人間と話せて良かったよ」
お迎えが来る。ずっと、誰が来てくれるのだろうと思っていたけど、来た子を見て、涙が出そうになる。その子が、待ち望んで、恋焦がれていた子だったからだ。
悲劇の人生でも精一杯生き抜いてくれた子だった。しかし、ここで泣いては後ろの後輩ちゃんに、示しがつかない。涙をグッと堪えて、笑顔で、迎えに来た子に抱きついた。
早「………………遅いぞ、ゆーくん」
友「……………すいませんね、早月さん」
後ろを向いて、手を振った。少し、振り返してくれた。
少し、少し今思った、思いついたことを言うことにした。これまでの事は、前の人からの受け売りが半分だったから。
私が今思ったことを、言う。
早「…………君の迎えも、ちゃんと来てくれるよ。たとえそれが、何年も後の話でも。その時の君は…………きっと笑っている」
そう言うと、君は驚いた顔をした後に、軽く微笑んだ。
ああ、今ここでの、悔いは一つもないなぁ。妹……小雪のことはちょっと心残りだけど。多分、きっと、絶対、大丈夫だと思う。
私は、前を見据え、大好きな子と共に、明るい光のある方へ歩いていった。
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(???)
……………………あん? ……………おっと、失礼。いらっしゃい、お客さん。アンタは何だい、何でこんな辺鄙とこに?
…………ああ、放浪してるのか。まー、よく見つけたよ、この島を。なかなか無いぞ、こんな島。混沌とした事件が終わったと思ったら、まーた混沌が生まれてきてる。多分、見ててハラハラするぞ? きっと後悔はさせない。どうか見てってくれ。
……………あ? 俺? …………………聞かせるような価値もない物語の一登場人物だった奴だよ。
……………それでも聞きたい? ………変なやつだね、アンタ。
俺は────────────
太陽と月~赤と青~ 閉幕
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完結です。約一年間、失礼しました。
次は………どうなるでしょうね………(おい)
既存キャラも出ます、特に活躍のなかった彼らが。
ありがとうございました!!




