『青鳥』 の日常
鳥が空を飛ぶ。青々とした美しい空を。
ここは名無島。かなり広ーい島である。都市があり、田舎があり、地方に別れる。
…あれ、これ、島でいいのかな?
まぁいいや。
その島の中にあるのは様々なもの。
僕がいるのは都市にあるとある組織。『青鳥』というものだ。
警察と連携したりして都市の平和を守る……みたいな。まあ更に簡単にいうなら何でも屋。
そんな、平和のような組織の仕事の様子をお伝えします。
───日常となりつつある光景から朝は始まる。
扉が音を立てて勢いよく開く。
「雷羅!!手前、また片付けやらずに出ていきやがったな!」
「あら、愁ちゃん。おはよウ。失礼ネ。ある程度はやったワ」
…………もうこの光景もみんな見慣れた。
成宮 愁と、成宮 雷羅の会話だ。今日も雷羅は何かしたらしい
「ある程度?リビングに水を撒き散らした状態がか?」
…前言撤回。新しい片付け方を見つけたらしい(かなり無理があることは承知しているよ)
「えエ。だって、いろんなところに〔自主規制〕が飛び散ったなんて、嫌でショ?」
「ブッッ!!……ちょ、雷羅、なにやったの?!」
「彩くん、いたノ?」
「いや、俺、ここのリーダーだから!?いてもおかしくないから!?」
ひどい扱いされているリーダーの成宮 彩雅。若いお兄さん。
………聞いたところ、死体で実験していたらしい。超不謹慎な実験を。
『………え、私はただ、死体の〔自主規制〕を〔自主規制〕で、遊……実験してただけヨ?』
…………………何をしたんだろうか
まあ、朝はこんな感じ。昼が近づくに連れて、人が集まってくる。
次は静かに扉が開いた。
「こんにちはー」
「妾はただいま、じゃのう」
「……ただいま」
「こんにちは、皆さん」
上から、和泉 未鶴、夏野目 桜之、糸坂 いづる、一宮 実。もちろん青鳥のメンバーだ。
そして。
先程よりも勢いよく………
「「こーんにっちわぁ!!」」
扉が開いた。
「ちょ、二人とも!?そんなダイナミックじゃなくてもいいからね?!」
「「ちぇー、ハーイ、凜姉さん」」
…ダイナミックな出社(?)をしたのは双子、成宮 奏理、成宮 歩歌だ。
……最後に。若干遠慮めに入ってきたのが………僕だ。
「もう……ごめんなさい、みんな」
…………成宮 凜。この話の……主人公の一人となるらしい。
一応、勘違いされる前に言っておこう。
僕は女だ。
僕っ子、と俗に言われるやつだ。
「別にいいワ。むしろ、清々しいほどの開け放ちだったヨ」
「てか、他の奴らは?」
「てめぇが昨日、休みをいいわたしたんだろが……」
「双子や。こっちへ来るがよいぞ」
「…遊ぼう」
「「わーい!!サクのん先輩といづ先輩、だーい好き!ってうわぁ!!」」
「妾は桜之じゃ!サクのんではない!!!」
「サク…やめてあげて」
「おーい、仕事来てますけど、凛と俺で行ってきますー」
「未鶴くん、僕も行きますよ?」
「おー、行ってこい」
「「「行ってきます!!」」」
今日も仕事は忙しい。
[悪人の逮捕手伝い]だそうだ。でもまぁ…僕らならきっと、大丈夫。




