とある夜の出来事
この小説は、二人の主人公の目線が、交互に変わっていきますので、ご注意ください。
しかし、今回だけはNOsideです。
とある夜の日
………静かなバーの店内
人数は両手があればたりる程度。
流れているのはゆったりとしたジャズソング。
此れを、良い雰囲気というのだろう。
……然し、話している店内にいる奴らは、全くそんな雰囲気ではない。
むしろ殺伐としている、そんな感じをもたせてしまっている。
「…ねぇ、もう行っていいかな?あいくん」
「………まだ…駄目だよ。……指示がないから…ねぇ、ちーちゃん」
「そうだよ、そんなに急がなくても大丈夫だってば、れんくん」
……こんな会話をしているのは顔のよく似た3人組。
恐らく三つ子なのだろう。
子供だというのに、全く気にしないかのように堂々とカウンター席のど真ん中を陣取っている。
「えー?でも、暇だよー?」
「駄目…」
「ちょっとは、我慢して?」
「…三つ子は、仲がいいですね、本当に。」
「それがあいつらだろ」
「ま、兄と仲が悪い僕にはわかりませんよ」
「だろうね。…でも、本当にまだかな。遅いよね…」
なんて言ったそんなときに。
Prrrrrr………
「…やっとかな?」
Prrr…Prr…P…………
「やっと、だね」
「…………じゃあ、行こうか」
テーブル席で話していた2人。カウンター席の3人。
一斉に立ち上がった。
次の言葉は店内の4、5人を震え上がらせる言葉となった
「えー……ワタクシ共は『赤蛇』と 申しまぁーす!今回はこのバーに通っている、という裏切り者の処分のためにやって参りましたぁ!」
「…それでは皆様。……さようなら」
……………カランカラン…
静かなバーの店内。人数はやはり両手があればたりる程度。
流れているのはゆったりとしたジャズソング。
そこに客がもう1人………
「…何時もの頂戴。」
「畏まりました」
「今日は迷惑かけたな。」
「何時もの事です。お気になさらず」
「有難う。掃除はこっちでやるから、そのままにしてもらっていいか?」
「流石に、そこまではさせられません。私だって片づけは慣れてますよ」
「そうか?なら、頼むよ」
その店内を彩るのは………………
「今度、仲間をつれて飲みに来るからさ。お酒を飲める奴も一緒に。だから、いつでも貸し切れるようにしといてよ、マスター」
「畏まりました。玲さん」
─微笑んだ人物の瞳のように紅い赤い、綺麗な飛沫。




