別れ
あれから、数ヶ月後。
ブリランテ国は、復興に追われており、忙しい日々を送っていた。しかし、今夜が満月の夜ということで、久しぶりに日本と交流をすることにしたのだ。
レ)「──と、思うのだが皆はどうだ?」
ル)「私は、賛成だわ。」
カ)「俺もだ。」
ガ)「俺も。」
レ)「じゃあ、反対はいないという事で良いな?じゃあ、三日後の夜にそれぞれ鏡を破壊してくれ。」
カ)「分かった。」
リーナの死を機に、それぞれ全く鏡に頼ることは無くなっていた。
そして、事の始まりだったこの鏡を壊し、2度と悲劇を生むことの無いようにしようという決断に至ったのだ。
エ)「…そうかー。鏡を壊すのか。」
グ)「ええ。これで、会うことも無くなるね。」
エ)「…うーん、そうでも無いかもよ?」
グ)「…え?」
エイトは、真剣な目で、グミナを見つめる。その真剣な表情に、グミナはドキッとした。
エ)「…ビトウィーンに来なよ。」
グ)「…えっ?」
エ)「君が望めば、ビトウィーンで一緒にいられる。」
グ)「…エイト。」
エイトは、恥ずかしそうに下を向いている。
エ)「悪くない話だろ?」
グ)「アハハッ!そうね!悪くない!…でも、一緒にはいられない。」
エ)「…!!」
グ)「…私は、レイン王子の側近で、これからも近くで王子を支え続けたい。それが…私の生き甲斐だから。」
エ)「…フッ!君らしいや。やっぱり、君はそうでなくちゃね!」
グ)「…でしょう?でもね、一つだけ言えるの。」
エ)「…?」
グ)「…私…エイト、あなたが好き。」
エ)「──!?」
グ)「きっと忘れない。エイト、幸せになって。」
エ)「…ハハッ…。君のいない世界での幸せか…まあ、頑張ってみるよ!」
グ)「きっと、エイトは幸せになる。私が保証する。」
エ)「…無理に笑わなくて良い。泣きたいときには泣けば良い。グミナ。でも、君のそんな頑張ってる姿が、好きだったよ。今まで、本当にありがとう。」
グ)「…!!エイトっ…!!」
エ)「…お別れだ。また、どこかで会おう…。」
グ)「…うん!!きっと、またどこかで!!」
グミナとエイトは、とびきりの笑顔で別れを告げる。
それぞれの道を歩むと決めて…。
そして、グミナは、その場で泣き崩れた。
エイトっ…本当に、大好きだったよっ──!!
ミ)「…泣くくらいなら、無理矢理連れてくれば良かったのに?」
エ)「うるせぇ。」
ミ)「本当に、最後まで素直じゃ無いんだから。」
三日後の夜。
それぞれ、鏡の前に立っていた。
すると、その時───
あの日のように、二筋の光が鏡に落ちてきた。
ピカッと光を放ち、妖精が現れる。
ル)「ミントにエイト!!どうしたの!?」
ネ)「もしかして、最後の挨拶に?」
ミ)「ええ!最後の挨拶というか、最後のプレゼントに参りました!」
レ)「…プレゼント?」
ミ)「はい!今まで、お世話になったので、最後にとびきりのプレゼントをと二人で話し合いまして…」
エ)「全員、しっかり目を閉じて。」
皆、戸惑いながらも静かに目を閉じる。
ミ&エ)「それじゃあ行きます。3、2、1──」
そう唱えた瞬間、目の前に白色に輝く少女が現れた。
全)「リーナっ!?」
皆が目を見開いている中、リーナは一人だけいつもの様に笑っている。
リ)「皆、どうしたの!?間抜けな顔しちゃって!」
ルル達は、そのままリーナに抱きついた。
リ)「ちょ、ちょっと苦しいよー!!」
リーナの訴えに、ルル達は慌てて離れる。
リ)「えっと、ミント、エイト、ありがとう!!こうして生き返らせてくれて!」
ミ)「良いんですよ!!」
エ)「特別だ。」
リ)「それと、レイン…無事で良かった。」
リーナがニコッと笑うと、レインは必死で涙をこらえ、精一杯の笑顔を作った。
レ)「…本当に何から何までありがとう。」
リ)「うちは、何もしてないよ!これからも、国の平和のために頑張ってね!」
レ)「ああ。3人で力を合わせて頑張るよ!」
グ)「しっかりサポートします。」
ネ)「もちろんです!」
リ)「それと、私たちはそれぞれの夢に向かって頑張るね!!」
ル)「そうね。」
カ)「頑張るかー。」
ガ)「ああ。」
レ)「…君たちに出会えて、本当に良かった。楽しい日々をありがとう。」
リ)「こちらこそ!!本当に楽しかった!それに、ミントとエイトも、沢山願いを叶えてくれてありがとう!!」
ミ)「と、とんでもないです!!」
エ)「仕事だからね。でも、お礼を言われたのは初めてだよ。」
レ)「…本当にたくさん救われたな。」
グ)「でも、これからは何でも協力して願いを叶えていきましょうね?」
ネ)「そうですよ!私たちなら、きっと叶えることが出来ます!!」
ル)「そうね、自分達の手で掴み取らなきゃ。」
リ)「うん!頑張ろー!!」
そして、それぞれがハンマーを握り、いよいよ鏡を壊す時が来た。
レ)「それじゃあ、それぞれ健康には気を付けるように。」
リ)「皆、幸せな日々を送れると良いね!」
ミ)「皆さんならきっと大丈夫ですよ♪」
ル)「じゃあ、せーので割るわよ?」
ネ)「分かった!」
リ)「じゃあ、行くよー!?」
全)『せーの!!』
バリイイイイインッ!!!!
「じいさんや?何をしとるんじゃ?」
「…!?ああ、ばあさんか。今回、渡した鏡が割られたみたいでのぉ。」
「おやおや、あの子達も大人な考えをしたもんじゃねぇ。」
「しかしな、まだまだパワーが足りんのじゃ。」
「あらまぁ、あんなにたくさん願いをしたというのにかい?」
「そうじゃよ、ばあさん。」
老夫婦は、部屋にあるメーターを見つめる。そのメーターが、100になるまでには、あと50%のエネルギーが必要らしい。
「まだまだ、願って貰わんとのぉ。」
「そうじゃのぉ。わしらの、夢である"不老不死"が叶うまでは、欲望を叶え続けて貰わんと困るんじゃよ。」
「ヘッヘッヘッ!楽しみですねぇ。じいさんや。」
「本当じゃのぉ。ばあさんや。」
老夫婦は、メーターをニタニタと見つめながら、一冊の本を手に持って、部屋を出ていった。
"メーターガ タマルマデハ アト 49% デス"
To be continued…?
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!!
魔法の鏡いかがでしたでしょうか?
2年前に書いた小説を、今更ながら投稿したので、おかしな点も多かったのではないかと思います( ̄▽ ̄;)
シリーズものの話にしているので、気になる方は新しい話も、投稿した際には読んでみてください!
本当にありがとうございました!




