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任務

 僕達は、ヴィッダと共に王宮へと戻った。

 王の間に向かうと、そこには朝に礼拝堂で出会った司祭と、もう一人見知らぬ少女が玉座に座る国王様の前に佇んでいた。

「おー、戻ったか!」

 僕達の姿に気づくと、国王様が手を振って出迎えた。

「む? いつの間に一人増えておるようだが……どこの隠し子だ?」

「隠し子じゃねーよ!」

「では、未亡人か?」

「どう見たら、彼女が未亡人に見えるんですか!」

「ならば、妾とか」

「そもそも、結婚すらしてないですし!」

「はっはっは! こいつ、面白いこと言うな!」

 ヴィッダはヴィッダで国王様を指さしてこいつ呼ばわりしているし。なんだか目眩がしてきた。早く、旅立ちたい……

「なるほど、そなたにも紋章は現れなかったのか」

「あぁそうだ。表でこんなことが起こってたとはな」

 ヴィッダが肩をすくめる。

「実はな、こちらでももう一人紋章のない人間を見つけたのだ。そこにいる薬師・アムラである」

「お初にお目にかかります、アムラと申します。以後、お見知りおきを」

 アムラと呼ばれた少女が深々と頭を下げて挨拶する。僕も、それに応じるように軽くお辞儀した。

 緑色の髪をバンダナで留め、小さな体にはあまりに不相応なぶかぶかのローブを着ている。腰にはポーチを携えるためのベルトが緩く巻かれていて、なんとかずり落ちずに留まっているといった感じだった。その格好から与える印象とは真逆に、容姿はきちんと整っていて、見る者を癒やす力を秘めているような、そんな雰囲気があった。

「さてと、これで候補が全員そろったわけだな。紆余曲折はあったが、漸く準備が整ったということだ」

「全員?」

 ふと、疑問が浮かぶ。大魔導士の候補はこれで全員だと断定できるのだろうか?

「ああ。エリーゼ——昨日、エルヴィスを復活させた大魔導士のことだが——が、候補者は四人だと言っておった。間違いあるまい」

「なるほどぉ! おばあちゃんのいうことなら、きっとそうだね!」

 ウェアドールが納得したように相づちを打った。

「あの方には、今回の件でいろいろと世話になっておる。エルヴィスの復活も、ギトラの討伐作戦についても、彼女の力無しにはありえんかった」

「それはいいんだけどよ。準備が整った、と言われてもあたいは何をすりゃいいんだ? そのまま兄ちゃんにくっついてればいいのか?」

「ワタクシも気になります。詳しいことを知りたいですし」

 ヴィッダとアムラがそれぞれ口にする。

「そうだな。エルヴィスとウェアドールには話したことだが、イレギュラーなことが起こったことだし、もう一度話すとしよう。そうだな……アーノルドと、エリーゼにもご助言いただきたい、この二人を呼んできてはくれぬか」

 国王様が、扉の前で佇立してた兵士に命令する。兵士が出てから、まもなく二人が王の間へと現れた。

「それでは、改めておぬしらの任務を追っていこう」

 前半は、昨日聞いた話とほぼ同じだった。旅の目的は、半島の西にそびえる封印の山にいると思われるギトラを倒すこと。ギトラを倒すためには、デウス・エクス・マキナという魔法が必要であること。そして、それは大魔導士のみが使用できる魔法であること。さらに、その魔法は勇者によるキスによって解放されるということ……

「ちょっと待った!」

 ヴィッダが話の流れを止めるように手を上げる。

「なぁ、ここには勇者がいて、大魔導士もここにいる誰かなんだろ? ならさ、勇者が一人ずつみんなとキスすれば、ギトラを封印する魔法とやらが使えるようになるんじゃないのか?」

 なんてことを言い出すんだ、この人は……それじゃ、僕が女たらしみたいじゃないか。しかし、発言した当人の顔は真剣で、ふざけてる様子はなかった。もしかして、意識しているのは僕だけなんだろうか? だとしたら、余計に質が悪い。

「それは、ならん」

 エリーゼお婆さんが強い口調で反対した。

「勇者は、キスをすると十四日もの間その効力を失ってしまうのじゃ。万一、大魔導士でない人間とキスをしてしまった場合、後から本物の大魔導士にキスをしたとしても、効力を失った間はデウス・エクス・マキナを使用することはできぬ」

「むぅ……」

 ヴィッダが押し黙る。ギトラの呪いは十三日後に発動する。つまり、チャンスは一度しかないということだ。失敗は許されない。確実に、本物の大魔導士を見極めなければならない。とはいえ、僕的には少しほっとした部分もあった。流石に、皆とキスをしてその後平静でいられる自信がなかった。

「しかし、十四日とはまたできすぎた数字だな。偶然にもほどがある」

 国王様が皮肉を込めて言った。

「それこそが、ギトラの狙いじゃったのかもしれぬ。死の宣告を十五日後に設定することで、大魔導士が魔法を使用する確率を下げようとしたのじゃろう。現に、今こうして大魔導士の可能性のある者が複数現れ、わしらは大いに混乱しておる」

 エリーゼお婆さんが嘆息する。

「そもそも、大魔導士が一人しか存在しないという前提は正しいのでしょうか? 例えば、この中にいる全員が大魔導士という可能性もありますよね……?」

 司祭が遠慮がちに疑問を口にした。確かに、その見込だって考えられないわけではない。ここにいる四人は魔法が使用できるのだ。その中の一人だけが、大魔導士だと決めつける理由はない。

「いや……一人だけじゃ。わしには、人の魔力を推し量ることができるのじゃ。そして、ここにはわしを除けば、大魔導士としての魔力を秘めた者は一人しか確認できぬ」

「ということは、その他の三人は……偽物?」

 アーノルドの言葉に、その場にいた者全てが凍り付く。偽物……それが意味することは何なのか? 咄嗟には思いつかなかった。

「偽物という言い方は聞き捨てなりませんわね。なんだかそれでは、本物の大魔導士以外は悪者、というような印象に受け取れかねませんわ」

 今まで沈黙を貫いていたアムラが口を開く。その横で、司祭も同意するように首肯していた。

「偽物が紛れ込んでいるのは確かじゃ」

 エリーゼお婆さんがきっぱりと言い放った。その言葉に再び、この場が沈黙した。互いが互いの目を見合わせる。

「邪悪なる魔力もこの中に混ざっておる。ギトラとよく似た……もしかしたら、ギトラそのものの魔力かもしれぬ」

 ギトラが誰かに化けている? 僕は、戦慄した。もしそうだとすれば、これから旅する仲間の中に敵が含まれることになる。当然、夜討ち朝駆けの危険もはらむし、いつ裏切りが発生するとも限らない。敵はただ、その機会を虎視眈々と待てばいい。そんな状況で、仲間を心底信頼するというのはとても難しくなる。まさに、ギトラにとってはうってつけの状況を作り出すことができるのだ。

「そうは言うけど、兄ちゃんなら誰が大魔導士か見分けることができるんだろ? ほら、勇者の能力にそういうのがあったじゃんか」

 ヴィッダの言葉に、その場にいた全員の視線が僕に集まる。勇者は大魔導士が誰かを判別する能力を持っている。昨日、国王様からそう説明された。しかし……今こうしてその候補者が全員集まったというのに、一行にその気配は訪れない。

「それが……わからないんだ。みんなの顔を見ても、何も感じない。何も……わからないんだ……」

 正直、いたたまれなくなった。本当に、僕は勇者なのだろうか? 勇者はエルヴィスであって、僕ではないのではないだろうか?

「いや、エルヴィスを責めることはできぬ。まだ、復活して一日と経っていないのだ。感覚が鈍っているのかもしれんしな」

 国王様がフォローする。心許ない、フォローだった。最終的には、大魔導士を見つけ出さなければならない。それは同情とか、責任とかで片付けられるものではないのだ。やらなければ、多くの人が死ぬ。

 場の空気が重々しい。旅立ちを目の前にして、出鼻をくじかれた気分だ。そんな雰囲気を破ったのは、鳥が鳴くような高い声だった。

「みんな、どうしてしずかなの? いまはなやむときじゃないとおもうの! だってさ、あたしたちのもくてきはギトラにかつことだよ? ギトラにだまされることじゃないでしょ?」

「あぁ……そうさ! ウェディーの言うとおりだ。まだ時間はある。今はとにかく前に進もうぜ! 大魔導士が誰かだって、偽物が誰かだって、後で考えればいいことじゃんか」

 ヴィッダが持ち前の明るさを取り戻す。

「でも……悪魔は、それを全力で阻もうと画策してくるのじゃないでしょうか?」

「逆に考えるのですわ。ワタクシ達の中に、乱そうとする者が現れればその人が真っ先に疑われます。となれば、偽物もうかつに手出しはできないはずですわ」

 司祭の心配に、アムラが応える。

「あたい達は、とにかくギトラを倒すことに集中するんだ。そうすれば、きっと道は開けるはずさ」

 たちまち、ムードが良い方向に変化していく。消えかけていた光が、再び輝きを取り戻す。

 そうだ……こんなことでくじけてちゃいけない。これから、もっと大きな困難が待ち受けているんだ。敵の正体ははっきりとはわからないけど、だからといって疑心暗鬼になっていても仕方がない。こんな時だからこそ、力を合わせるべきだ。

 九時課の鐘が鳴り響いた。日本時間では、午後三時頃である。まだ日は明るいが、こちらの世界では日の入りと同時に就寝するのが日課だ。今日、活動できる時間は残りわずかしかない。

「あっ、そうだ。武器と防具を取りに行かなきゃ」

 約束の時間だったことを思い出す。もう仕立ては終わっているはずだ。

「ふむ。では、いったん解散するとするか。出立は明朝だ。魔導士達は本日、ここに泊まるといい。すぐに、使用人に用意させよう」

 国王様の一言で、それぞれが散らばっていく。僕も、工房に足を運ぶため、その場を離れることにした。

 振り向いて、扉の方へと向かおうとしたそのとき、左袖を引っ張られるのを感じた。

「ねぇねぇ」

 ウェアドールだった。上目遣いでこちらを見つめている。

「あたしも、いっしょについていっていい?」

「え……なんで?」

 ついついぶっきらぼうに応答してしまう。

「えっと……なんとなくだけど」

「でも、店にはあのエロ親父がいるぞ?」

「う……でもいく」

 ウェアドールが考えるような仕草をしながら言った。

「まぁ、僕は別に構わないけれど」

 断る理由も別にない。彼女がそうしたいというならば、それを受け入れるまでだ。ただ、今までの彼女とは少し様子が異なるのは少し気にかかった。


 三度、王宮の門をくぐり抜け、城下町へと出る。市場の雑踏は先ほどよりも断然落ち着いていた。完売や店じまいをする店が多くなったからだろう。なんとなく、同人誌即売会の雰囲気を思い出す。

「そういや、さっきはありがとう」

「え、なにが?」

 ウェアドールが少し驚いたように反応する。

「ほら、空気がどんよりしちゃってさ。ウェアドールの言葉がなかったら、ずっと重苦しいままだったよ」

「……ほんとはね、あたしもすごくふあんなの」

 ふと、僕は足を止めた。

 意外だった。まだ一日しか経っていないが、彼女は天真爛漫で、元気が取り柄の人物だと思っていたからだ。でも、それはただ気丈に振る舞っていただけなのかもしれない。彼女の内面を、僕はまだ全然知らない。

「たびもぜんぜんしたことないし。つよいてきとそうぐうして、かてなかったらどうしようとか。いろいろかんがえるとね、あたまのなかがわーってなるの」

「それは、僕も同じだよ」

 彼女の言葉に心から同意する。僕だって、怖い。明日が来ないでほしい。明日、目が覚めたら現代のベッドの上であってほしい。幾度となく思う。でも、これが現実なら認めるしかない。

「僕はね、本来この世界の住人じゃないんだ」

 何を言ってるんだろう、と思った。学校なんかで言ったら、即座に中二病認定されかねない。しかし、本心をさらけ出すウェアドールを見て、どうしても胸の奥にあった思いを話さずにはいられなかった。

「復活の儀式の時に何の因果か、僕がこっちの世界に呼ばれたんだろうけど、元々は日本っていう国の単なる学生だったんだよ」

「日本?」

 ウェアドールはきょとんとしていた。無理もない。別世界から来ましたって誰かが言っていたとして、その人の話を信用しろと言われても難しい。それでも、僕は話を続けた。

「そこはね、島国なんだけど、とにかくいろんな技術が発達してて、すごいんだよ? 例えば夜でも蝋燭無しで部屋の中を明るく照らせるんだ」

 ウェアドールが、途端に興味津々といった顔になった。

「それは、まほうなの?」

「いや、僕達の世界には魔法は存在しないんだ。でも、その代わりに電気の力を使ってるよ」

「でんき?」

「雷のことだよ」

「う……かみなりきらい……」

 ウェアドールが、苦虫をかみつぶしたような顔になる。その反応に、僕は笑った。会話をしていて楽しい気分になったのは久々な気がする。

「でね、日本という国では、言葉に魂が宿るって考え方があるんだ。言霊っていうんだよ?」

「ことだま?」

「そう。いいことを言うといいことが起こって、マイナス思考になると実際に不幸なことが身に降りかかってしまうんだ。だから、僕はこの先つらいことがあっても、いいことを言い続けたいなって思うんだ。不安にも、恐怖にも、打ち勝ってみせる」

 最後は、むしろ自分に言い聞かせるように言葉を発した。きっかけは望まぬ形だったけれど、それでも僕は勇者なんだ。皆の不安や猜疑心を少しでも取り除かなくてはいけない。

「ことだま、かぁ。すてきなことばだね!」

「うん、僕も大好きな言葉だよ」

 再び、歩き出す。工房にたどり着くまで、二人の間には会話はなかった。ウェアドールも無言のまま、僕のすぐ後ろを着いてきた。再び口を開いたのは、工房の扉に手をかけたときだった。

「ごめんね、エルヴィスさま。とつぜん、こんなこといいだして」

「そんなことないよ。僕達、もう仲間だろ? 僕でよければさ、いつでも相談にのるよ」

「ありがと。なんか、すっとらくになったきがするの」

 そう言って、ウェアドールはいつもの無邪気な笑みを浮かべた。


「で、これをこうしてこうするのじゃ」

 武器防具屋の店主から、僕は剣と盾の使い方、および鎧の装備の仕方をレクチャーしてもらった。グラディウスは、基本的には相手を突き刺すための武器らしい。盾で、敵の攻撃を防ぎつつ隙間から武器を突き出して攻撃するのがパターンとなる。

 現代で、剣道やフェンシングをやっていたわけでもないので、こういうことに関しては全くのど素人だ。無論、軽く試してみたところ、なんともおぼつかない動作となってしまった。さんざんダメ出しされたあげく、漸く最低限の動作を覚えることができた。

「まぁ、後は実戦でなんとかするしかあるまい」

 店主が嘆息する。本人の目の前で、ダメだこりゃ、みたいな態度を取られると少しむっとする。実力がないのは確かなんだけれども。

「そういえば、さっき来ていた連れは一緒じゃないのかの?」

「外で待ってます」

「なるほど、それはよかった」

 店主がほっと胸をなで下ろす。彼女の魔法がよっぽど応えたのだろう。これに懲りて、悔い改めてくれればいいのだが。

「それじゃ、いろいろとお世話になりました」

 特にここでやることはもう、ない。ウェアドールも待たせているし、早いところ戻った方がいいだろう。

「ああ、お前さんも道中気をつけてな」

 店主も別れの挨拶を告げる。出口を抜けようとしたとき、店主が言葉を付け足した。

「そういえば、ずっと引っかかっておったんじゃが、二十年くらい前にお前さんにそっくりなのが、この店にやってきた記憶があっての」

 その言葉にぴたりと足を止めた。この老人は、二十年前の勇者エルヴィスを知っている?

「それは……本当ですか?」

 振り返って、店主に尋ねた。

「相当昔のことじゃから、記憶も曖昧じゃがの」

「どんな人だったんですか?」

「やたら、自分のことを勇者勇者と連呼しておったわい。しつこいくらいにな」

 実際、勇者なんだから別に間違ってはいないと思う。個人的には、そういった権力や能力をひけらして周る人をあまり得意としていないので、なんとも微妙な気分ではあったが。

「まぁ、真の勇者であるエルヴィス様とは天と地ほどの差がある奴だったんじゃろうけどな、わっはっは」

 ん? 店主は、その人のことをエルヴィスだと認識していないのだろうか? どうする? 教えてあげた方がいいのだろうか? とは言っても、証拠を持っているわけでもない。自分が名乗り出たところで、信じてもらうだけの材料もない。

 そのとき、出口の方向から一人の少女の声が聞こえたーーウェアドールだ。

「ねぇ、エルヴィスさまー。まだー?」

 絶妙なタイミングでウェアドールはその名を呼んだ。その声を聴いた途端、店主は目を見開いた。

「え? 今、なんと?」

「実は、僕がそのエルヴィスです」

 店主が飛び上がるように驚いた。しばらくの間、こちらを凝視したまま言葉を失う。落ち着きを取り戻すまで、長い時間がかかった。

「……まさか、お前さんがあのエルヴィス様とはな。銅像のイメージとは全く異なるもんだから想像だにできんかった。そもそも、死んだと聞いておったが」

 僕は、事情を店主に話した。それを店主は黙って聞いていた。

「……そうかそうか。国王様の言ってた策というのは、これのことじゃったか」

 話を聞き終わると、店主は独り合点したように頷いた。そして、作業台の引き出しからペンダントを取り出し、僕の手の中に納めた。

「ほれ、お前さんにやろう」

「これ……は?」

「魔法アイテムじゃ。それを身につけた者は、相手の言った言葉が嘘かどうかを感じ取ることができる」

 思わぬ収穫だった。

 相手の嘘を看破できる……それは、旅をする上でこの上ない代物じゃないか。これがあれば、誰が大魔導士なのか、そして誰が裏で糸を引く偽物なのかを知る、かなりの手がかりになるはずだ。

「どれ、試してみるかの。早速、つけてみなされ」

 言われたとおり、僕はペンダントを首に巻く。

「さて、と。他に欲しい物はあるか? 何でもタダでやろう」

「ほんt……うわっ?」

 突如、こめかみに電流が走ったような痛みが走る。しかし、その痛みは一瞬で消えた。後には、痛かったかどうかさえも覚えていないように感じる。

「わかったじゃろう? このアイテムのすごさが」

 これは、凄い。まぁ、心臓にちょっと悪いけれども……それでも、効果は絶大だ。

「ただし、注釈がある。これで発見できる嘘は、話者が意図して嘘をついたときだけじゃ。本人に嘘をついている自覚がなければ、このペンダントは反応せん」

 つまりは、現代でいうところの嘘発見器と同じ原理というわけだ。それでも、あるのとないのとでは大違いだということに変わりはない。

「それでも、きっとお前さんの役に立つことじゃろう」

「ありがとう! 絶対、ギトラを倒してみせるよ!」

「うむ。期待しておるぞ」


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