6日目 音の正体
どーも、作者です。
最近は時間が開いてきているので、小説を頑張って書いています。
短く感じるのはご愛嬌ということで。
では、どうぞ。
※男子、女子の区別は見た目で区別しています。
男子(中身は女子) 女子(中身は男子)という解釈でおねがいします。
「あそこか!」
剣斗は、音がしたほうに向かって走っていた。
「なんか騒ぎでもあったのかよ・・・」
息を切らしながらも音がした教室についた。
そこは1年の教室だった。
「どうかしたのか!?」
剣斗は勢いよくドアを開け、中の様子を確認した。
「んなっ・・・」
剣斗は絶句した。
なぜならば、そこには頭から血を流した2人の女子がいたからだ。
「おまえがやったんだろ!」
「いや、そっちがわるいんだ!」
と2人の女子は言い合っていた。
「子供かよ・・・ってそんな場合じゃないな」
剣斗は一呼吸おいて教室の中に入っていった。
「おい、この状況はどういうことだ?」
剣斗は、被害者でもあり加害者でもあろう2人に聞いてみた。
「こいつがやったんだよ!」
「いいや、おまえだ!俺は悪くねぇ!」
2人はそんな事を言った。
「いや、そうじゃなくて、俺は響いた音の理由を聞きたいんだ。」
そう、話の本論はそこだ。
「・・・」
「・・・」
「・・・?どうした、話せない理由でもあるのか?」
2人は黙ったまま首を縦に振る。
「話せない理由があるのはわかった。」
だが。
「どうしたら2人が頭から血を流すハメになるんだ?」
「・・・」
「それは・・・」
「それは俺が話すよ。」
周りで話を聞く自分の事を見ていた女子が言った。
「じつは・・・」
「ってことがあって・・・」
「おいおい、まじか・・・」
剣斗は口をつぐんだ。
「(先生がいないから良かったものの・・・)」
「まさかガラス割ったなんて言えないよな・・・」
剣斗はため息を付きながら言った。
「ははは・・・」
「いや・・・その」
2人は恥ずかしそうにしていた。
「・・・まぁ、大きな事故じゃなくてよかった。」
剣斗は安堵して、2人の傷を見て、
「悪いが、この2人を保健室まで連れて行ってあげてくれ。」
剣斗は近くにいた保健委員にそう言った。
「先生がいないから、ついでに治療も。」
部屋を出ようとした保健委員と2人にそう付け加えて。
「さて、俺も調査終わったし戻るとするか・・・」
そう剣斗が踵を返してでていこうとした時、
「いやー、まさかあの仲がいい2人がいきなり喧嘩するとは・・・」
「なんの拍子もなくいきなりだったもんねー。」
「まぁ、学校生活続けてたら喧嘩することもあるよねー。」
「喧嘩するほど仲がいいって言うし。」
と、クラスメイトが次々に放っていた言葉を耳にした。
「・・・いきなり?」
剣斗は疑問に思った。
ガラスを割ってしまうほどの喧嘩を突然に?
しかもなんの拍子もなく喧嘩が?
もう少しで死人が出てしまうかもしれなかったのに?
「・・・なんかおかしい」
何かがおかしい。その疑問をすぐには消えることはなかった。
「・・・まぁ、とりあえず体育館に戻るか。」
そして剣斗はクラスを後にして、体育館に向かった。
「へぇ・・・知らないクラスでもまとめてしまうのか・・・」
男はそう言った。
「速水剣斗・・・面白い男だな」
「ねぇねぇ、ところで喧嘩の原因は何だったの?」
保健委員の男子は聞いた。
「それが、わからないんだよ。」
「急に腹が立って、目の前のやつを殴ってやろうと思って・・・」
「・・・ふーん・・・」
保健委員とその2人はそんな会話をしながら保健室に向かっていった。
次回更新は4月5日です。