3日目 そして事は動き出す
はい、散々遅くなりました作者です。
2か月待たせるとかもうやめろよとか言われそうですが、
そんな人たちにはまことに申し訳ないと思っております。
こんな作者の自己満足作品ですが、
お付き合いいただける方はこれからもよろしくお願いします。
では、どうぞ。
「ただいまー」
「おかえり、早かったね。」
と、いつもの掛け合い。
家に帰ってきたが、相変わらずやることは決まっているという悲しい毎日である。
と、常日頃から思っている俺(剣斗)である。
翌日学校に行き、いつもと変わらない生活を送るはずだった。
その日の午後、テスト返しが行われて、クラスが悲鳴と歓喜で埋まった。
もちろん、点が低いメンバーは悲鳴。
点が高いメンバーは歓喜の声を、各々あげていた。
俺はその域に混ざらず、普通の点数を取っているほうだった。
「まぁ、こんなもんじゃね?」と言えるレベルだった。
(前回で言わずもがなと言っていた点数)
5時間目のテスト返し終了後の休み時間のこと。
「テストどうだった?」「どーせお前の事だから結構いい点数なんだろ?」
などと、みんなから聞かれるので適当にあしらっておいた。
そして6時間目のロングホームルーム。
「はーい、じゃあクラスで出す文化祭の出し物決めまーす。」
副担任の平田はいつも通り明るい声で言っていた。
そう、うちの学校は他に類を見ないほどの予定の詰まりようで有名だ。
中間テストだと思ったらその2日後にはもう文化祭。
その一か月後には体育祭と、祭りがてんこ盛りと言えるほどある。
「では、今から書くものの中から選んでください!」
と、平田が言ったその直後、
バリィン!
ガラスが割れた。
いや、割られたというべきか。
そして、それと同時に光の球みたいなものが飛んできた。
それが、一瞬のうちに大きく光り、クラス全体を包んだ。
「うわぁぁぁ!」「うわぁぁぁ!」
「っ・・・く・・・かはっ・・・」
体が重い。なにやら上にのっかっているような感覚だ。
「ちょぃ・・・重いっての!」
と、上に乗っかっているものをどかした。
その上に乗っかっているというのはクラスメートだった。
邪魔だった重しがどいたことで体が軽くなった。
まだ体が痛いが、とりあえず立ってみた。
「ったく・・・ん?」
それはあまりにも不自然と呼ぶべき状態だった。
クラスメート全員が倒れていたのだ。
俺を除き。
「あれ?何があったんだっけ?」
思い出そうとすると、頭がズキリと痛んだ。
「いっつ・・・」
取りあえず状況を把握しようと、クラスメートを起こしてみることにした。
「おい、起きろーい」
「んっ・・・」
おっ、起きたかな?と思った次の途端
「きゃぁぁぁぁぁ!」
悲鳴があがった。
しかも、それは俺に向けてだった。
「はぁ?」
俺は全く状態が理解できなかった。
俺が起こした→起きた→悲鳴
なぜだ?と、頭の中で考えてみたが、何も思い浮かばなかった。
だが、不自然な点が一つあるように感じた。
それは、悲鳴の叫び方。
男のクラスメートのはずなのに、叫び方が女っぽかった。
「いや、俺は何を考えてるんだ、馬鹿なことは考えないほうがいいなこりゃ」
と独り言を言いつつ、さっき悲鳴を上げたクラスメートに近づいてみた。
「おい、大丈夫か?」
だが、
「いやぁぁぁぁ!近寄らないでぇ!」
ますます状況が理解できなくなった。
今、俺の頭の中では?マークがぐるぐるとまわっている。
だが、今の一言で自分の一つの疑問点は解消された。
「喋り方が女っぽい」
これだけは事実だということはわかった。
もちろん、本人はそんな言い方はしないし、縁起でもなさそうなしゃべり方だった。
と、あれこれ考えているとみんな起き上がりはじめていた。
そんな時、後ろから声をかけられた。
「おい、剣斗。どうなっているんだ?」
お、なんだあいつ起きたのか、と思ったが後ろを向こうと思った瞬間、違和感に気が付いた。
声が高い。男のはずなのに。
絶対にありえない、ウソだろと願いつつうしろを向いた。
知らない女子がいた。面識さえないかもしれない。
「・・・・・」
やはり俺の頭の中で?マークがぐるぐるとまわっていた。
え?え?と考えていても信じたく無い現実が襲ってくる。
事実、話しかけられたときは俺の知ってるやつのしゃべり方だった。
だが、姿は、知らない女子だった。(クラスメートではあるが)
「おい、どうした?俺だよ。」
「お前、その声違和感感じないのか?」
「まぁ、違和感は感じるけど耳がおかしくなっただけだろ?」
などと、わけのわからないことを言ってくるので、
友人の机から手鏡を拝借し、そいつに手渡した。
「なっ、なんだこれぇぇぇぇ!」
まぁ、当然と言えば当然の反応だった。
自分の姿が別の人間に変わっているのだから。
「まぁ、そういうことだ。」
「そういうことだじゃすまねぇよ!どうすんだよこれ!」
「知らねぇよ・・・」
「はぁ?!じゃあ一生このままかよ!」
「かもな」
「っざけんなよ・・・」
「自業自得だ。」
「・・・そういや、なんでお前はいつものままなんだ?」
そーだ。それいえば、さっきのやつといい、
こいつといい、変になってるやつがいるのになんで俺だけ変じゃないんだ?
むしろ、俺が異常なのか?
むしろこの状況で異常ではない俺が異常なんであって別にいじょ(ry
うん、落ち着いたほうがよさそうだ。
このまま考え続けると延々と「異常」をテーマとした論理にハマりそうだ。
俺だけ巻き込まれなかった。それでいいじゃないか。
よくないけどな。
「と、とりあえずどうしたらいいと思う?」
「んじゃ、そーだな。ちょっとこいつら起こすの手伝ってくれよ。」
「かまわんけど・・・」
「あ、お前男子に触んなよ」
「なぜだ?」
「んな体の状態で男子に触ったら男子発狂すんだろbk」
「ああ、そーゆーことか・・・」
「じゃあお前女子担当な(ニヤニヤ)」
「ふざけんな!俺が女子苦手なの知ってるだろ!」
「知るか、女子は女子に起こされたほうがいいだろーがっと・・」
「チッ、後で覚えてろよ!」
そんなため口をいいつつ、しっかりとクラスメートの女子を起こしていた。
なんだかんだ言っていい奴ではある。
そんなこんなで、さっきのおびえてた女子?にも手伝ってもらい、
全員を起こした。
しかし、やはりというか、全員に異常が起こっていた。
俺を除く全員が異性と入れ替わっているというのだ。
しかも、1対1で入れ替わるのではなく
ランダムに異性と入れ替わっているようである。
パニックを起こすもの、動こうとしないもの、気絶するやつまでいた。
しかし、やはりなぜ俺だけが異常に巻き込まれていないかは不思議だ。
と、そう思っていた時
「剣斗!」
と、聞き覚えのある声が聞こえた。
振り返ってみるとそこには渡瀬がいた。
「おう、どうした渡瀬?」
「た、大変なんだ!ちょっと俺のクラスに来てくれ!」
「お、おう。」
あまりにも急いでいた声なので、
急いでクラスの外に出ると、そこにはいつもの3人がいた。
「お前らどうした?授業中じゃないのか?」
「それはお前もだろ。って突っ込んでる場合じゃない!」
「クラスが大変なんだよ!」
「お前ら落ち着け。どこら辺が大変なんだ?」
「と、とにかくクラスに!」
少し急ぎ足で廊下を進み、1年3組に着くと、クラスが少し騒がしかった。
「ハァ・・・ハァ・・・ちょっとこれを見てくれ・・・」
岡田がドアを開けるとそこにはパニックになっている1年3組の人がいた。
「・・・?少しパニックになっているだけ・・・じゃ・・・」
そこまで言って気が付いた。このパニックのなり方はうちと少し似ている。
「お前ら・・・まさかクラスのメンバーが入れ替わったとか?」
「そーなんだよ!・・・ってなんで知ってるんだ?!」
「うちとおんなじ状況だよ。」
「お前のクラスも?大変だな。」
「お互い様だよ。」
そんなことをうだうだ言っていてもしょうがないので、とりあえず先生を呼ぶことにした。
先生呼んだら先生がパニックになるんじゃね?という意見も出たが、
最善策は先生を呼ぶことだと思われたので、呼ぶことにした。
ガラッ
「先生!クラスが大変なんで・・・す・・・」
「え・・・あれ?」
「な・・なんで」
「先生がいないん・・・だ?」
そう、俺らの考えは甘かった。
職員室に行けば、先生を呼べば何とかなると思っていた。
だが、それを壊されるような感じがした。
まさか、職員室がもぬけの殻なんて・・・
「どうすりゃ・・・いいんだよ」
「はい、準備は出来ました。今頃生徒はパニックになっているでしょう。」
「そうか、引き続き学校の監視を頼む。」
「了解しました。」
「これは、我らの計画の第一段階に過ぎない。」
「そうですね。」
「我らの計画は完璧だ。抜け穴などない。生徒の支えを壊していき、絶望させる。」
「我らは正義なのだ。」