恋雫石
卑怯じゃないか
水しか持ってはいないのに
あんなに輝くなんて
あたしがどんなになにかを得たとして
それでも輝けないのに
ずるいじゃないか
ただただそこに在るだけで
あの人の心を癒せるなんて
あたしはどんなに支えようとしても
側にすらいられないのに
悔しいじゃないか
それでも広く雄大な海
全てを呑み込むその体
ただ受け入れるのみの
巨大で残酷で卑怯な受容体
あたしの無垢な涙でさえも
あの人の入り交じる不安と共に
流されて
見えなくなる
跡形もなく
それでも暗い海の底
必死に光を探すんだ
海のように輝けなくとも
それでも
必死で光を探すんだ
夏川です!!
読んでくださってありがとうございます
あたし自身
今こんな気持ちなのです