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ヴァミュウ、目覚める

 ああ、気持ち良いですわ……。


 ポルテのブラッシング技術はまさに一流。さきほど竜王に言ったとおり、下僕にしたい腕前ですわね。

 うっとりとしているわたくしを見下ろしながら、なぜかポルテは首を傾げます。


「今日は、なんだかいつもよりも体が熱いみたいだね……」


 力を取り戻しつつあることが影響しているのでしょうか? 自分では気づきませんでしたわ。


「念のために調べてみようかな。ちょっと待っててね……たしか、このあたりに……」


 ポルテはわたくしをほっぽりだして、なにやら物さがしを始めてしまいました。

 まったく、無礼ですわね。

 この戻ってきた力を使って、ちょっと怖い目にあわせてあげましょうか?


「あったあった」


 そんなわたくしの思考を知ってか知らずか、能天気な声をあげるポルテ。

 何やら、小さくて細い棒のようなものを持ってわたくしのもとに戻ってきました。


 さあ、早くブラッシングを再開してくださいまし。

 わたくしは無防備に四肢を弛緩させたまま、ポルテへ体を委ねます。ふふ、ただの人間をここまで信頼するなど初めてのこと。身に余る光栄と思ってくださいな。


 しかし、その手が再びブラシを取ることはなく。


「痛いかもしれないけど、ちょっと我慢してね?」


 ……え?


 ポルテはそう言うと、わたくしを寝かせて押さえつけ、尻尾の根本ねもとを持ち上げました。


 え? え? ちょっと待ってなんだか嫌なよか


 ずぶり。


 んほおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?


 わたくしのお尻に、先ほどの棒がねじこまれています!

 しかもぐいぐいと動かされます! ぐいぐいと!


 らめぇ! そこらめぇ!!


 四天王にあるまじき哀れな声が口から漏れ出てしまいます。

 ですが、泣き叫ぶわたくしの懇願は聞き入れられません。


「もう少しで終わるから、ね?」


 ぞぶり。


 んひいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?


 なんだか敏感なところが激しくぐりぐりされます! ぐりぐりって!!


 いいれふっ!! そこっ! そこ、いいれふっ!!


 わたくしの悲鳴は、いつのまにか嬌声に変わっていました。

 四天王だったころに味わったことのない、激しい衝撃にしばらく身体をもだえさせ。


 気が付いた時には、わたくしのお尻からさきほどの棒が引き抜かれていました。

 その棒をしばらく見ると、ポルテはにっこりと笑顔になります。


「良かった……熱は少し高いけど、異常ってほどじゃないみたいだ……」


 そうつぶやくと、笑顔のまま、わたくしの頭を撫でてくれました。


 ああ……。

 わたくしをあのように辱めておいて、この無邪気な笑顔……。

 なんと恐ろしい方なのでしょうか。

 竜王を前にしていた時にすら一度も感じたことのなかった気持ちが、わたくしの中にこみ上げてまいりました。




 ポルテ……さま……。

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