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断章 1

 年代不詳 場所・時間は伏す


「納得いかない。そういう顔をしているな」


 これに納得しろというのは、少し酷なことではないか。あと、私には顔などというものがないのはあなたが一番知っているだろう。短い付き合いではあるが、隣にはいたのだ。


「それは、どうも。

 短い付き合いの隣人である、私のことを心配してくれているのか。


 君は優しいな」


 そうではないのだ。納得がいかない。

 この結末に納得などできうるはずもない。


 私は、約束したからここまで一緒に来たのだ。

 そう約束したのは、貴方だ。


「そうだな。ずいぶんとひどいことだ。


 だが、私は、この結果に十分に満足している。


 そして、君には、まだわからないと思うが……君との約束を軽んじたことはない。

 ましてや反故にしようとしたことはない。


 君は、それだけのものではあるのだよ。」


 意味が分からない。私に約束したことはただ一つのはずだ。その約束をあなたは反故にしようとしている。あなたの力でならば、このような。


「約束。そう、確かに約束をかわしたな。だが、それは、私と君の約束ではない。

 君と――」



 1940年4月6日 8:00 場所は伏す


 いやな夢を見た。いや、思い出したとでもいうべきか。大きく息を吐き姿見に向かう。

 今の形状を確認……いや、少し待て。なぜこうなっている。

 驚きと困惑が頭をめぐる。だが、それは一息で消える。


 私は、彼との出会いに、一体何を期待しているのだろうか。

 すぐに終わって、帰ってきてお酒を飲んで寝るだけだ。今日は何も起こらないし、今日も何も起きない。

 きっとこんな気分などすぐに沈み込む。

 気にすることはない。

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