表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜空に咲いて雲に散る  作者: ぴー
2/4

進行性骨化性線維異形成症(FOP)

東雲しののめ 如矢かずや

20歳、男子大学生

どこにでも居るような青年

合コンで照美と知り合い付き合い始める

進行性骨化性線維異形成症(FOP)の変異型を発症し余命わずか


南陽なんよう 輝美てるみ

20歳、女子大生

誰にでもフレンドリーな明るいムードメーカー



(M)はモノローグです

テルミ:カズくん…FOPって聞いた事ある?



カズヤ:FOP…?なんだそれ?それが俺の病気か?


テルミ:うん…。進行性 骨化性 線維異形成 症(しんこうせい こつかせい せんいいけいせい しょう)って言うの…


カズヤ:骨化…?異形…?どういうことだ…?


テルミ:一言で言うと筋肉や腱が骨になる病気なんだって


カズヤ:そうなのか…だから起きれないのか。…ってそんな急に骨になるもんなのか?


テルミ:先生の話だとカズくん腰に違和感あっても気にしてなかったんじゃないかって言ってた


カズヤ:まぁ…腰痛なんてしょっちゅうだしな…でもちゃんとした病名も付いてるってことは治療法あるんだろ?


テルミ:…ないの。難病指定されてる病気らしくて…薬で進行を遅らせることは出来るかもしれないけど…治らないの…


カズヤ:そっか…なら仕方ないか…まぁ今の医学じゃ無理でも何年かしたら見付かるかもしれないよな…


テルミ:…それもムリなんだって


カズヤ:え?身体が骨みたいに硬くなって動けないだけだろ?そんな俺が長くないみたいな…


テルミ:カズくんの場合…変異型で…細胞も骨化してるんだって…


カズヤ:細胞…って、そんな細胞が骨になったところで…


カズヤ:(M)自分で口にして初めて気が付いた。細胞が…つまり臓器が骨化すれば…


テルミ:骨になったら動かないんだよ…心臓も止まっちゃうんだよ…


カズヤ:テルミ…。俺はいつまで生きられる?


テルミ:先生は今の進行具合だと…1ヶ月って言ってた…


カズヤ:そうか…分かった…。悪いが少し1人にしてくれないか…


テルミ:分かったよ…じゃあ私、入院の手続きとか進めてくるね


うつむきながら病室を出ていく輝美



カズヤ:何でだよ…ウソだろ…ちょっと腰痛めただけだよな!…こんな事あってたまるかよ!


自分の右ももに拳を打ち付ける如矢。だが肉ではなく骨を叩いたような感覚に戸惑う


カズヤ:…は?何でこんなに硬い…?ふざけるなよ!ちきしょー!


輝美は病室の外で如矢の悲痛な叫びを聞いて涙を流す


テルミ:カズくん…!私だってヤダよ…!カズくんが死ぬなんて考えたくない…!私は…カズくんの前でどんな風にいれば良いの…っ…



時は少し経ち、変わらず如矢は床に伏している


カズヤ:(M)それからはずっと同じ事の繰り返しだった。投薬、検査、問診…。変異型の為か想像以上に進行が早く、3週間足らずで両脚は機能を失い、完全に動かなくなった


カズヤ:(M)そして次第に背中にまで症状が出始め、手すりを掴んでも自分の力だけでは完全に起き上がれなくなってしまった


テルミ:カズくん!お待たせ!ちゃんと薬飲んでるー?


照美は丸いパイプ椅子をベッドの下から引き出して、それに座る


カズヤ:(M)テルミも無理して笑っているのが分かった。目の下にはクマが出ているし、恐らく体重も落ちただろう



テルミ:看護師さんから聞いたよー!カズくんまた薬飲んだフリしたんだってー?ちゃんとお薬飲まないとダメだよー!


カズヤ:仕方ねぇじゃん、あの人飲ませるの下手でさー、喉に詰まって殺されるとこだったし!


テルミ:殺されるって大袈裟だなぁー


カズヤ:(M)正直いっそ殺してくれと何度も思った。数日前まであった下半身の痺れは無くなった。…いや、無くなってしまった。今は何の感覚も無い


テルミ:そういえば、カズくんのご両親に会ったよ!ちゃんと彼女です!って言ったからね!


カズヤ:マジ?ってか、どこで会ったんだよ?


テルミ:病院に決まってるでしょー!色々聞かれたから良い彼氏です!って答えたからね


カズヤ:…ありがと。ウチの親なんか言ってた?


輝美は誇らしげな顔をして


テルミ:これからもお願いします。って泣いてお願いされたよ!あとこんな可愛い子がカズヤの彼女だなんて、ってびっくりしてた!


カズヤ:そうか…


それから2人は他愛のない話をし、あっという間に時間が経ち、アラームが鳴り響く



テルミ:あ…もう時間だね…


カズヤ:だな…ホントに早いな…


テルミ:カズくん…いつもの…


カズヤ:うん


カズヤ:(M)テルミはオレの手を握り、その手を自分の額に当てて身体を小さく震わせる


テルミ:…ありがとう。これで安心出来た


カズヤ:なら良かった。でも俺の手熱いだろ?大丈夫か?


テルミ:生きてるって証だから良いの!それに私冷え性だから丁度いいし!


カズヤ:はいはい


テルミ:じゃあ、また明日来るね!


カズヤ:あぁ!…テルミ、その…月末…


カズヤ:(M)予定空けといてくれ。…言えるはずがなかった。俺がそこまで生きられる保証もない。そんなテルミをいつまでも縛るのは間違っているとも思った


テルミ:ん?カズくん何か言った?


カズヤ:い、いや、何でもない…気を付けて帰ってな


テルミ:ありがとう!またね!


カズヤ:(M)その晩、俺の容態は急変し意識を失ってしまった。もちろん面会など出来るはずもなく無情にも時は流れ8月31日はやって来た


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ