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鬼退治に行こう  作者: 夏目 碧央
8/10

激闘

 番屋の中から二匹の鬼が出て来た。大福を食べていない鬼だろう。外に出て、二匹の鬼が倒れているのを見て、周りを見渡した。その時、俺と生成は走って行き、それぞれの鬼に一撃を食らわせた。

 出て来た鬼は、青鬼と黄鬼だった。俺は黄鬼の頭を木刀で叩いた。黄鬼はよろめいたが、金棒をブンと振ってきた。かわして突きを出す。すると、番屋からもう一匹、赤鬼が出て来た。大福を食わなかった鬼がもう一匹いたのか!

「生成、気を付けろ!もう一匹いるぞ!」

俺は生成に向かってそう言った。俺は、番屋の机や柱、屋根を伝い、足で蹴って高いところまで跳躍した。そして、黄鬼の頭上に木刀を振り下ろした。黄鬼は倒れたが、赤鬼の金棒が降って来た。かわしたつもりだったが、かわし切れず左腕を金棒で叩かれた。金棒には突起がたくさんついていて、その突起で腕を傷つけられ、燃えるような痛みが走った。

「くっそ。」

 生成が青鬼を襲撃しているが、なかなか勝負がつかないようだ。こっちの赤鬼は狂暴で、少しでかい。俺は力を振り絞って、もう一度高く飛んだが、頭への一撃は金棒で阻止されてしまった。金棒を打ってしまったので、木刀を持つ手がしびれた。打つ手がないのか。どうすれば。

「朱李!」

青竹が俺を呼んだ。見ると、金棒を手にした青竹が立っていた。

「青竹!」

「俺は弱いけど、加勢するよ!」

青竹の声は少し震えていた。青竹が金棒を持っていたので、赤鬼は俺ではなく、青竹の方に向き直った。そして、青竹に襲い掛かった。

「とりゃー!」

その瞬間、俺は高く飛び、赤鬼の後ろから頭を木刀で打った。

「うぎゃっ。」

赤鬼が叫んだ。そして、よろめいて片膝を地面についた。

「とりゃあ!」

そこへ、青竹が金棒でもう一発、赤鬼の頭を打ち付けた。赤鬼は後ろへどうっと倒れた。見ると、青鬼も、生成にやられて伸びていた。

「ふー、何とかなったな。」

「よし、進もう!」

俺と生成が言い、千草をおんぶして、走り抜けた。また一つ、関所を越える事が出来た。


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