第一話
「和也、今日も隆太の家に遊びに行く!?」
「涼ちゃんも暇だね(笑)やる事もないし、今から行こうぜ!」
俺は河西和也、18歳、専門学校に通う学生だ。伊東涼と岩崎隆太は高校からの友達だ。
涼ちゃんの仕事は大工だ、今はすげぇ怖い親方の元で修行中だ。
隆太は無職で何もやってないが時々、親父さんの経営してるお好み焼き屋を手伝ってる。
週末はこんな感じで、いつも隆太の家に三人で集まっている。
隆太の家には母親がいない…親父さんと隆太、高校二年生の麻美ちゃんと中学三年生の清美ちゃんの妹二人の四人家族だ。
隆太の親父さんは、豪快で面白いおっちゃんで俺も涼ちゃんも大好きな人だ、親父さんと俺達は友達のような関係だった。この頃になると俺達は毎日のように隆太の家に遊びに来ていたが、俺は麻美ちゃんがちょっと良いなあって想い始めていたから涼ちゃんからの誘いは大歓迎だった(笑)
最近では清美ちゃんやその友達と仲良くなり、週末には一緒にカラオケに行ったりと行動を共にする事が増えて来た。隆太は妹の友達には、そこそこ人気があったが、今では俺が一番人気になった(笑)ただ俺は麻美ちゃんだけを見つめるようになり、恋の始まりを感じていた。
この日も涼ちゃんの車で隆太の家に向かっていた…
「和也…」
「どうした!?」
「俺さあ…麻美ちゃんの事好きになっちゃったよ…」
「涼ちゃん、マジで言ってるの!?」
「マジだよ!和也も応援しろよ(笑)」
「お、おう…解ってるよ…」
最悪だった…涼ちゃんに先に「好きになった」って宣言をされた。
俺の予想を遥かに超える出来事だ、このタイミングでは自分の気持ちを言い出せなかった。考えても見れば俺も涼ちゃんも最近じゃ毎日、隆太の家に遊びに来ている…その二人が同じ人を好きになっても不思議じゃない…