パンツで即死! 勇者は変態!? チートスキルが厄介(やっかい)すぎる? ……母さん、オレは異世界(こっち)で元気にやってるよ (๑>・๑)テヘペロ
諸君! 聞いたことがあるだろう。
チートスキルで異世界無双!
ならば重ねて訊こう、諸君!
その中に【おパンティを被せて即死】させるものはあっただろうか?
私は、、、ない!
なろうで「パンツ 即死」「パンティ 即死」「ショーツ 即死」「ょぅι″ょ 可愛い」くらいは調べたさ!
でもなかったんだ……なかったんだよ……っ!!
だから、もし存在していたら、教えてほしい。
その時は、ぜひにもペロペロさせてもらいに行ってくるっ><
(๑>・๑)テヘペロ
気を取り直して。。。
さあ諸君……物語だ。
気持ちの好い風が草原を撫でつける、爽やかな初夏。
重低音の大太鼓の如き、地響き。
迫る、魔物の大群。
目標、城塞都市。
当然、迎撃に騎士団と冒険者たちが打って出る。
布陣は、先頭が一部の上級冒険者で、中程に騎士団が帯状に陣形を組んでいる。
その後ろで、初~中級冒険者と一部の騎士団が交ざり、救護班として前線を支える寸法だ。
大物殺りと、こぼれ玉拾い。
そういう役割分担だ。
すでに、前線では色とりどりの光が空を、雲を染めている。
「……。」
固く引き結ばれた口端。
強い意志を感じる視線。
明らかな主人公の風格。
物語の主人公、勇者もまた、迫りくる魔物の大群を迎撃すべく防衛隊に加わっていた。
――救護班の一員として。
なぜなら勇者はクズで、ゲスで、ヘタレで、ヒモの気まであって、そして変態だったからだ!
「なぁあんでアンタは前線じゃないのよ! バカぁ!」
「まあまあ、魔女……私の治癒魔法を活かすために、勇者様は涙を飲んで、」
「そんな訳ないでしょ!」
煩かった。
まな板とメロンが煩かった……っ!!
後方が、いかに緊張感の低くなる場所とはいえ、騒いでいたのは勇者のパーティだけだった。
当然、緊張感の欠けた、変な者を見るような視線を投げかけられている。
その視線の大半は、むくつけき男の冒険者のもので、視線の先は、騒がしい二人のおっぱいに集中していた。
仕方ないよね。片方おっきいもん。
その間に挟まった勇者とか、死ねばいいよね。うん。
「そうなのですか? いつも、勇者様のおっしゃるような事が、起こるように思いますので。」
聖王女、ミルフィーナ。治癒魔法の使い手にして、この王国の王女。穏やかで、おっとりした性格だ。
そして、おっぱいがメロンだった。特に努力もしないで羨ましいぞ!
ちなみに勇者のことを盲目的に好きなんだ!
なんて羨ましいな!
こんなメロンを好き放題なんて!
「結果オーライを、予期してたワケないじゃない! っていうか、だったらもっと上手くやれるでしょ? つ・ま・り! 何も考えてないのよ、実際。」
対してまな板、エリザベス。
希代の天才魔女っ娘で、ありとあらゆる魔法を操るツンデレ。一言、口を利けば、だいたい性格は掴めるんじゃないかな。
日課は夜の豊胸体操……がんばれ。
間違って変な趣味に目覚めないようにだけ、注意しておけば、すごく可愛いシチュエーションが待ってるぞ、たぶん!
ちなみに勇者のことは憎からず想ってるんだから、さっさとハーレムを作りましょうね!
「そうでしょうか。。。」
「そうよ。じゃなきゃ、なんでアタシがあんな目に。。。」
「まあまあ二人とも、オレらは救護班だけど、正確には遊撃だから。」
あと、もうひとり隠れ巨乳な女騎士がいるんだけど、説明は不要だよね。
忠義の騎士で、お姉さん属性の頼れる美乳。正直、聖王女とは百合々々しいので、間に挟まった勇者とか死ねばいいと思います。まる。
しかも、やるときはやる運命の勇者に惹かれていく未来しか見えないし。
そう、物語でよく見かける、ありきたりなパーティメンバーだ。
なんで物語の主人公って、こう、メンバー運に恵まれてるのかな。
私が書いてるから、だけどもさ。
「そもそも、オレの能力、対多勢向けじゃないからなあ。」
「――ッ!! アンタが、そんなだから……っ!!」
「我が騎士は、自身の信念に従っただけですから。」
「聖王女。」
「それに、きっと、、、勇者様は、何とかしてくれます、よね?」
「ああ。」
(いやいやこの状態じゃ無理でしょ普通に考えて!)
説明させてほしい。この勇者の、チートスキルについて。
ユニークスキル《衣借りex.》は、スキルに指定された異性の着衣を借りて、敵に被せると即死させられる、強ーいスキル、なんだ。
90%以上は、指定がパンティなことを、除いて。
「ぅぅぅうううううあああああああああ!!!!!!!」
前線での爆発とともに、後方へスッ飛んでくる重装備の騎士。
それを避ける勇者と、魔法で受け止めた魔女っ娘。
「ナイス魔女。」
「――っ!」
チートに頼った勇者には、飛んできた推定100キロオーバーなんて、受け止める筋力は、無い。
……うん、わかる。
なんでそうなったんだ、って話ぢゃない?
それもちゃんと、説明させて?
*** ***
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。」
見事な土下座だった。女神を前に、死に際を振り返られて、いたたまれなくなったのだろう。
この直後変態勇者として、異世界に転生することになる男の、無様な土下座だった。
『ゲヘヘ、可愛いパンツ穿いてもぉーっ!!』
ぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろ。
PCの画面を、本当で舐める人間がいた。
誰が予想できただろうか、この直後、隕石によって命を落とすことになろうと。いや、いまい(反語)。
「ぅわ……。え、私、こんなのを転生させなきゃ、イケナイの……?」
「ごめんなさいごめんなさいごめ、え? イケナイこと、、、??」
「……はぁ。」
女神もウンザリとした顔である。
「あーあーあーもう、こんなのでも、選ばれちゃったんだから、何とかしないといけないのよねぇ。。。」
「……。」
「あ、そだ。君さ、小さな女の子のパンツ、、、可愛いとか、言ってたよね。」
「はい! ょぅι″ょ可愛いです!」
「――うん。まあいいか。可愛いは、正義だよね?」
「当然でございます、はい!」
「じゃあ、それで。」
「え?」
「正義は必ず勝つんだよね。」
「あ、はい。」
「うん。その能力で、いこっか。はい、ごー。」
「え?」
「あと、ついでにヒドい目に遭うと良いよ。」
「え?」
この直後、有無を言わさず転生させられて、なんやかんやあって、防衛戦に戻る。
*** ***
ヒドい目に遭うと良い、という言葉で付いた女神の祝福。
《聖痕》によって、否応なく戦いの中心に立たされるからこそ、王国も勇者が変態だろうとなんだろうと、紐付きにするしかなかった。
戦場のコントロール。それでも、前線は崩れ始めた。
当然、変態勇者の祝福、聖痕の所為である。
なぜ、変態勇者は前線に行かずに済んだのか。
実は、変態勇者が国王に伝えていた聖痕の効果は「否応なく戦いを招く」という程度のものだったからだ。
変態勇者が、クズだったからだ……っ!!
「きゃあああああっ!」
近くに、あられもない恰好をした女兵士が転び出る。
きっとエロスライムのエロ溶解液でも当てられたのだろうね、色々と露出していて危ない危ない。
まだ、ぎりポロリをしていないという程度の恰好だ。
(うへへへへ。)
そう、これを変態勇者は待っていた……っ!!
聖痕の所為で、戦火の絶えない転生人生。すでに、変態勇者の倫理観など崩壊しているのだ!
「――ぐっ!」
「女騎士!?」
「くっ。この程度で……っ!」
お姉さん属性溢れる、生意気おっぱいも後退してきた。
「ひ、姫様。まだ、私は戦えますっ。」
「退きなさい! 『炎よ! 彼のものを滅する炎よ!』」
古い言葉による、魔女っ娘の強力な魔法だった。
轟っと放たれ、燃え盛る火球。それが一時的に、一部の魔物の進行を食い止めた。
しかし、回り道をすればいいだけのこと。
面で攻撃しなければ、魔物の暴走は止められない!
「魔女、感謝します!」
「ここまで来たら、アタシも加勢するしかないじゃない! 勇者! 聖王女はアンタが守りなさい!」
「はいよー。」
言って、魔女っ娘はバカスカと豪快な魔法を放ち、魔物の進行を食い止めにかかる。
その隙間を縫って、女騎士が足の止まった標的の首を刎ねていく。
鮮やかな連携だった。
小火球による波状の牽制と、騎士、兵士、戦士、冒険者たちによる攻勢。
「アハッハハハハッハハハハハハハ!!!! 死になさい! 消えなさい! 跪きなさい!」
しかし、それでも魔物の進行圧が、勝った。
ジリジリと、魔女っ娘も押し返されていく。
「くっ。。。強いじゃない。」
魔女っ娘が作った貴重な時間。それは、城塞都市の門を開け、後退する時間を稼ぐために使われた。
そもそも後方支援が配置されているのは、城塞都市の眼前。つまり、前線が後衛と合流した時点で、防衛作戦は、積極的な攻勢から、籠城による守勢へと移ることになる。
「最悪。」
飛翔することが叶わない、最後の者が都市に入り、城門が閉じられる。
飛んで戻った魔女っ娘は、肩で息をしながら、飛翔する魔物が撃ち落されていく景色を眺めた。
「ようやく、、、オレの力が、役立つ時が来たな。。。」
「そうね。。。嫌なことにね。」
魔女っ娘は、変態勇者の能力が嫌いだった。
いや、普通に考えて「魔物を倒したいから、今穿いてるパンツちょうだい?」とか言われて、渡す人間はいないだろう。聖王女を除いて!
「ぐふふ。」
ついでに変態勇者がゲスなところも大嫌いだった。
(なんで、こんな顔するのよ。戦ってるときは、ちょっと、カッコい、、、くないない! それはない!)
ツンデレだった。
「もう、仕込みは済んでるのだよ、魔女。」
「は?」
「はぁ~いっ♡ 勇者さまぁ♡」
都市を囲む城壁を上る塔に詰めかけたのは、大人のお姉さま方だった!
「よく来たな! じゃあ、頼むぞ!」
「「「はぁ~いっ♡」」」
言うが否や、スカートを軽くたくし上げて、中でモゾモゾと何かをするお姉さま。
「あっ♡」「んん……っ♡」「ゃんっ♡」「へ・ん・た・い♡」「見ちゃ、だーめっ♡」
「えっ!?」
無駄に扇情的な吐息に、魔女っ娘も驚きを隠せない。
しかし、スカートからスルリと抜かれたその手には、紐パンが解かれて収まっていた……っ!!
そう、この変態は、防衛戦の前に娼館へと赴いて紐パンを配っていたのだ!!
脱ぎたてホカホカの紐パン。
鼻の下を伸ばし切って、人肌温度の紐パンを受け取る変態。
「……。」
そして、名残惜しそうにして、壁外に投げた。
ボフンッ!
魔物が一体、消えた。
ボフンッ!
もう一体、消えた。
そう、《衣借りex.》は、スキルに指定された着衣を握ることで、即死効果を付与する能力。
それは、その着衣が、被せられる状態じゃなくなるまで続く。
風に煽られて、ヒラヒラとパンティが舞う限り、即死効果によって魔物は消えていくのだ!
「よし! 次!」
「はぁいっ♡」
ムワっと、生暖かいパンティを受け取って、機械的に壁外に投げ捨てる。
お姉さま方も、新しいパンティを受け取って、またモゾモゾと扇情的な動作で穿いて「おパンティを受け渡す列」に戻っていく。
お金は、国庫から払われることが決まってるからね!
変態も気兼ねなく大盤振る舞いしちゃったし!
「次!」
「はいっ。」
「え!? 聖王女!?」
「はぁいっ。」
脱ぎたてホヤホヤの、高級ランジェリーがあった。レースが可愛らしい、純白のパンティ。
「勇者様……?」
「――はっ。」
(危ない危ない。一瞬ポケットに入れるところだった……っ、いや、、、ダメなのか? くっ。。。)
ポイっ。
それで良いのだ勇者。
いくら変態でも、お前は勇者なのだ。
「くっ。。。」
さて、そうなると、苦虫をかみつぶしたような表情を見せるのは、魔女っ娘だ。
お姉さま方の活躍を目にして、町娘すら、我も我もとパンティを脱ぎ始めたのだった……っ!!
そんな中、自分一人だけ手伝わないというのは、どうだろうね?
魔力を回復させている最中で?
特に何もやることはない。
別に、弓を引けるわけでもなし?
ふーん。。。
じゃあ、脱ごっか♡
「くっ……。」
「でへへへへへぇ。。。」
恥辱に塗れた赤面を、俯くことでしか隠せない魔女っ娘が、住民の命と羞恥心を天秤にかけることなど出来ないと、自らおパンティをモゾモゾと脱いでいる!
その姿に興奮する勇者のだらし無い顔!
涎を垂らして凝視するなんて!
「は、はいっ! これで良いんでしょ!?」
「良き良き。」
ことさら、魔女っ娘のパンティをニギニギと確かめるド変態の姿があった。
そして、それも投げ捨てた。
また数体、魔物が消えた。
「じゃあ、ワタシのおパンティも使ってくれんかのぅ??」
「ん?」
振り返らず受け取った勇者。
「ゲッ!」
振り返った先にいたのは、BBAだった……。
しょぼーん。
「わひゃひゃ! ワタシもまだまだイケるね!」
「イケねーよ!」
やる気半減だが、そこは勇者。
一回握って、そして投げ捨てた。特に遠くに。
だって、ときどき風に流されて、帰ってくることがあるんだもん。
仕方ないよね。
「れ、勇者殿。」
「お、女騎士も手伝ってくれるのか? この後の攻勢まで、休んでてもらって構わなかったのに。」
にぎにぎポイっ。
「そういうわけにも、いかんだろう。姫様まで御身を削っておられるのに、ただ休んでいるだけなど、、、」
「はぁいっ♡ 勇者さま、また今度いらしてね♡」
「さんくー。」
にぎにぎポイっ。
「……いや、その、ただ休んでる、ってのも、重要だろう?」
「実際のところ、先ほどから姫様が治癒魔法を、」
「待て。」
「なんだ?」
「はいっ♡ これ♡」
「さんくー。」
にぎにぎポイっ。
女騎士との会話の途中でも、色気たっぷりなお姉さんがおパンティを渡してくるのは、脱いだおパンティの枚数による歩合制だからなのだ! すごいシステムだね!
おパンティを穿いて脱ぐとお賃金が貰えるなんてね!!
それはともかく。
「聖王女、ちゃんとパンツ穿いていったよな?」
「え!?」
「いや、さっき、ここにきてパンツ貰っ、」
「はあっ!?」
「ぐえっ!? 首絞まっ――ゲホゲホ……い、いや、そんなことはもう、どうでもいい!」
そう、治癒魔法発動中は、何故か、足元から上に向かって風が吹くような効果が入るのだ!
フトモモが眩しい魔法なんだ! ときどきパンティも見える!
つまり、聖王女のスカートの中が、緊急事態だった……っ!!
「ぃやああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
真っ赤な紐パンを掴んで駆けていく女騎士。
こうしてまた、勇者のド変態逸話が増えていくのだった!
戦場で女騎士を辱めたド変態! そのように、国王には伝わるのだろうね。
「あ、ああ……。」
「あらあら、女騎士ちゃんもまだまだウブなのね♡ はいこれ♡」
「ああ、さんきゅ。」
事情を知らないお姉さんが、訳知り顔で頷いていく。
壁外では、魔法使いたちの風によって、無数のおパンティが舞っていて、どこか幻想的な雰囲気を醸していた。
ヒラヒラと、パンティが舞っていた。
カラフルな夢と希望が、踊っていた。
ポップコーンが弾けるような音が、次第に減っていった。
反撃の時は近い。
*** ***
そしてここは魔王城!
この短編は唐突に終わる!
「ふえぇ……?」
すでに勇者が倒すべき魔王は老衰し、孫の幼女が後を継いでいた!
勇者は知らない。
この幼女魔王と、あんなイベントやこんなイベント待っていることを……っ!!
「パンツ、、、穿かなきゃダメ??」
「ダメです!!」
教育役の淫魔は、天を仰いだ。
この幼女、すでにノーパンによる解放感の快感を、甘美な疼きを、知っていた。
(その性癖は、まだ早うございます! 陛下ぁ!!)
~fin~