第3話 ゴブリンは雑魚かった
世間話をしながら馬車を走らせている。世間話をしてる途中。移動開始から約2時間
「ん?あれって!エルフだ!銭子!瀬乃華!少し止めるぞ!」
馬を引っ張り止めるサナ。どうやら男らしい。
「君、大丈夫?」
サナはエルフに呼びかける。
「?サナさん。この子に悪魔払いの聖水を!」
「うん」
サナが預かっていた聖水。いそいでエルフにかける。
「うーん。あ、ありがとうございます。これ、あげますよ」
渡されたのは鉢植えに植えられた草と耳栓。
「これ…はう、マンドラゴラですね」
瀬乃華は言う。
「マンドラゴラは犬が抜けばどうってことない。犬がいればいい」
「塩が取れますし、魔除けに使えますかね。持って行きましょう」
エルフは見えなくなりマンドラゴラを馬車に乗せ再び出発する。
「ここがその場所。ミル峠。魔獣や悪魔が好む場所。私はナイトメアってことで人間を救助するんだが、普通魔獣とかは奥地に潜む、ゴブリンが入り口に住み着いて入れない訳だ」
ゴブリンが住んでいる洞穴の入り口。とても広そうだ。
中は音が響く。奥からゴブリンの声がする。宴をしているのかもしれない。早速声を頼りに進む。マンドラゴラを持って。
「あれ?あ、サナさん!瀬乃華ちゃん!この先きっと倉庫だよ!」
途中の分岐ルート。二手に分かれている。
「さすが銭子」
「銭子ちゃん。気配はない?」
瀬乃華が聞く。銭子の答えはない。
「それじゃ、罠に気をつけて行ってきます!」
瀬乃華は壁を走りながら倉庫に進んでいく。
「瀬乃華もなかなかだ」
見とれるサナ。銭子は瀬乃華がドジらないか聞き耳を立て見ている。
「瀬乃華ちゃんは、お父さんが忍者で、その血が繋がっているんです。ドジることはあまりないですよ」
数秒して瀬乃華は帰ってくる。
「宝がいっぱいありましたよ。後で回収しましょう」
それから無言のまま進む。歩くこと3分。
「ついた!それじゃあ、銭子ちゃん。行くよ!」
二人で飛び込む。まずは瀬乃華が壁を蹴りながらクナイを投げる。銭子がそのクナイに火属性の魔法をかける。当たったゴブリンは即死。そこにボガードが現れる。ボガードを倒せば勝ち、早速的をボガードに変える。
「いくよ!」
銭子は地の魔法でボガードが立っている位置を崩し回避できないようにする。そこに瀬乃華はクナイを連続で5本投げる。うまく刺さり倒れたボガード。他のゴブリンは逃げ出した。
サナが出てくる。
「ありがとな。それじゃ約束通り持ち帰って売ったりしても構わない。まあドラゴンがまだいるけどな」
「ところで、マンドラゴラ、役に立ちませんでしたね」
サナが持っているマンドラゴラ。きっと次に使えるだろう。
「あのドラゴン。私の忍び足でも気がつく程耳が敏感なんだ。急いで抜けばいいだろう」
馬車に向かう途中、宝を貰っていき馬車に乗せる。
「もう遅いし、今日は野宿だ」
瀬乃華と銭子で交代しながら見張りをする。戦闘もあったが瀬乃華と銭子にかかれば簡単であった。