第16話 この世界の終わり
大きな扉。それは禍々しくまさにラスボス感がある。
「大丈夫?」
「うん」と言うと瀬乃華は片方の扉に手をつける。それを見た銭子はもう片方の扉に手をつける。
「せーの」
まるで異世界に入る時みたいだった。銭子の掛け声で扉を開けると。
彼女がいた。峰一舞歌。彼女。
「2人とも、最後よ。この世界は」
こちらに歩み寄ってきている。そして肉が引き裂かれ触手が出てくる。
「…ですよ」
かすかに聞こえた声。
「毎回毎回なにしてんですか!前は永遠だー!今回は私と銭子ちゃんを殺そうってんですか!」
またもや怒る。気力を取り戻した瀬乃華は壁を蹴りクナイを投げていく。さらにマキビシ、手裏剣も投げ、目潰しなどもしている。だが全く効かず、触手を伸ばして瀬乃華に攻撃をしている。その素早さになかなか当たらず、銭子も攻撃を仕掛ける。
「狂気が来る。それまでには決着を…」
「ブツブツ何言ってんですか!さっさとくたばれってんですよ!」
攻撃のスピードが上がっている。銭子もなんとか追いつこうと魔法をクナイにつけている。
「黙りなさい!」
いい加減ムカついたのか、怒鳴る。
触手が瀬乃華に伸びて、壁に激突する。そしてぽっかりと穴ができる。
「えい!」
銭子が火の魔法を舞歌に攻撃する。
「邪魔よ!」
腕を高く上げると火の魔法は消し飛ぶ。舞歌は銭子を睨んでいる。その隙に瀬乃華は音もなしにクナイを投げる。
そのクナイはうまく刺さり初のダメージ。頭に刺さり脳もやったはずだがまだピンピンしている。さすが元邪神。いや、今も邪神と言った方がいいだろう。
「それぐらいで勝ったつもり⁉︎」
片手が触手に変化する。そして3本になりその3本は瀬乃華めがけて伸びていく。瀬乃華は回避する。ポッカリと穴がまた3個。舞歌はため息を吐き触手をしまう。
「うふふ。それじゃあ、締めましょうか。この世界を」
壁、床、家具。何もかもが光る。
「この世界はあなた達のために作ったのよ。彼女達は私のサポート役。まあまあ楽しめたわ。じゃあ、
彼女達の幸せを願って、再び昇天しなさい。住人であり私の操り人形」
光がさらに強くなる。瀬乃華は何かを感じた。その場所にクナイを投げる。しかし、そのクナイは光に消えていき、何かの影が見える。
「人間が知ってもよいのか、なら私はそれに反対しよう」
その声は舞歌でも、瀬乃華でも、銭子でも、ない。聞いたことない声。それをいい終わり数秒すると影は見えなくなりわからず光は収まり入り口があったところに戻っていた。
次回エピローグ!ついにこの小説も完結か。