第11話 神殺し如月魅卯の城
これから神殺しのオリオンを倒しに行く。リコと瀬乃華は張り切っている。モモカと銭子はなるべく体力を減らさないように魔法で移動をする。
「瀬乃華ちゃんああ見えて説教長いし気が強いんですよー。お化けとかは苦手なんですけどね」
銭子とモモカは見ての通り世間話中。瀬乃華とリコは武器の手入れをしている。
「そうなんですね。リコは猪みたいでですねー」
そんな会話が続くと。
「はい、2人とも世間話はおしまい!オリオンとの戦闘に行くよ!」
リコは扉の前で後ろについて来ていた2人に振り返る。瀬乃華は扉を見て気を引き締めている。
「わかりました」
と銭子が言い、銭子とモモカは降りる。2人が降りたのをきっちり確認したリコは、オリオンがいる部屋の扉の取っ手に手を付ける。
勢いよく扉が開き、中が見える。奥にはオリオンが、足を組んで椅子に座っている。
オリオンの外見は、最初に目に入るのはあの、赤ずきんを思わせるような、まさに黒ずきんとでも言っていい頭巾である。ヘルメン的なブラウスにスカートと靴。これがオリオンである。
「こんにちは。そしてようこそ、私の城へ」
ただならなぬ空気が充満している。恐怖、不安、緊張。それらが混ざった空気。その空気はみなの緊張をさらに、じわりじわりと増やしてくる。
「私は…あなたのような人を探していたんです!」
瀬乃華が叫ぶとすぐさま壁を走りクナイを投げていく。よーく見るとネタ帳とペンを持っている。さすがくノ一のいったところ。だがオリオンはレイピアでクナイを弾く。
「ネタにされたら困るのですよ」
すでに2人は本気のようで、瀬乃華がクナイを投げてはオリオンのレイピアに弾かれを繰り返している。
「瀬乃華ちゃん本気だなあ」
そう言った銭子はすぐさま一歩後ずさりして魔法の切り札を地面に叩きつける。銭子は地の魔法で、地震を起こし、床を割る。オリオンはその割れ目に落ちたが、すぐさま這い上がってきて、不意打ちでリコを攻撃する。そんなことさせるか!と言わんばかりにモモカが魔法でオリオンのレイピアを吹き飛ばす。「チャンス!」叫んだ瞬間リコは槍で突撃。みごと的中し背中を思いっきり刺している。やっとオリオンにダメージを入れれた。血をポタポタと流すオリオン。結構痛かったがまだまだ、という様子である。槍を抜いたらすぐさま銭子とモモカが同時に雷をオリオンに当てる。最後に瀬乃華がクナイを投げ、鞭で攻撃をする。一気に攻撃を受けたオリオンは倒れこみ、瞬間的にリコが止めを指す。
「一見落着。さ、モモカ、銭子、オリオン持って」
リコの指示で銭子とモモカはオリオンを担ぐ。ボタボタと血を流しているオリオンを持つと血が移りその血が移りそう。
リコは手鏡を取り出し手鏡にリコは唱える。
「鏡の精霊ラティーナ、私をあなたの元へ導いて」
手鏡が光る。
2人の元に来た。あの鏡尽くしの世界に。
「おかえり」
サフィールは言う。結構引っ張られた跡がある。肩にはもちろんラティーナが座っている。
「おかえり。頑張ってボリューム上げに成功」
やっとこさ聞こえるようになった声。
「おっ魅卯だね。お疲れ、逃げ帰ってきたかと思ったよ」
ドサリとオリオンを落とす。
「それじゃあこいつはこっちの方で引き取るね。これ、報酬だよ」
サフィールが差し出したのは10000Gとこの世界についてのことが書かれた本。ロールが言っていた魔王に関してが多く書かれている。
「それじゃばいばい」
ラティーナが言うとサフィールに手招きされて4人は1つの鏡に入る。
「どうだったか?報酬たくさんだな。2組で、5000Gに山分けしたらどうだ?」
ロールが出迎える。早速の提案に、4人は賛成。
「それじゃこれでお別れ。じゃあね瀬乃華、銭子。また会おう」
リコが言う。2人は続けて依頼に出発するらしく、さっそく5000G取ると馬車をひき出て行ってしまった。
「それじゃ、あの依頼を達成した2人には宴をしてあげなきゃね」
客の人々が声を合わせ、乾杯をしたり、2人を誘ったりする。
別れの悲しみと、依頼達成の喜びが込み上げてくる2人。楽しい一夜を過ごした。
これにてリコ、モモカ、サフィール、ラティーナ、魅卯退場です。