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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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美音

作者: 実茂 譲
掲載日:2026/07/03

 風邪をひいた男は相嶋病院の五階から男が窓を破って、飛び降りたのを見た。

 男は顔から地面にぶつかり、顔の皮は破れなかったが、二倍の大きさに広がった。

 体はダーツみたいにまっすぐ立って、二秒くらい痙攣して、ばかりと仰向けに倒れた。

 そのせいで折れた首の骨が皮膚の下から鋭く盛り上がった。

 風邪を引いた男は警察の事情聴取のあいだに五人の警察官に風邪をうつした。

 やっとのことで受診をすると、男はコロナにかかっていた。


 先月足を折った鳶の男が、松葉杖をつきながら、秘密の喫煙スペースがある五階のベランダへ向かって歩いていると、ある病室から「みんな、バケモノだあ!」と叫ぶ声がして、次にガラスが割れる音がした。そのあと、医者や看護婦たちの「落ちた!」「飛び降りた!」という声がした。


 生まれつき耳のきこえない男が治療の結果、きこえるようになった。

「どうですか、××さん?」と医者がたずねると、男は顔を蒼ざめて、看護婦が「大丈夫ですか、××さん?」とたずねると、ついに男は立ち上がって、「みんな、バケモノだあ!」と叫び、飛ぶように逃げた先には五階のガラス窓があった。


 彼は人間はとても美しい声を使うと想像していたのだろう。

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― 新着の感想 ―
悪かったなバケモノでと言う気持ちが一分入って自嘲、苦笑みたいなクッションですが。ものすごい饒舌な人が、貝が閉じた如くこれだけしか語らない不気味さ(理由はとても怖いものなのだ)とその前の仕込み人(体)っ…
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