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さようならの明日へ conspire  作者: やましたゆずる
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第2章 由紀の決断

大輔が帰った後、白河法律事務所に由紀の旦那の白河繁が帰って来た。「ただいま、帰りました。クライアントとは上手く打ち合わせできました。」繁は由紀の顔を見た。繁は今、クライアントと交通事故の相談を受けていた。保険会社からの依頼であった。無保険の車にぶつけられ怪我をしていた依頼者が保険会社に泣きついての仕事であった。依頼者は無保険車特約に加入していた為あまり大事にはならない事案であった。「あなた、少し、話があるの?ちょっといい?」由紀はお茶を淹れて応接室のソファーに座り対面に繁が座った。「なんだ?相談って?」繁が由紀の目をじっと見つめた。「先程ね。ピアノの先生の円城寺さんが来て、NTTの電話加入権の話を聞きに来たのね。隣のおばあちゃんにどうにかならないかと相談されたらしいの?ほら、あなたも知っていると思うがこの話は弁護士会ではタブーな話じゃない?。私、やってみたいの?闇を暴きたい!弁護士資格停止しても構わない。ブラックリストナンバー1になっても構わないからやらせて!あなたには迷惑かけないから。」由紀は繁の目をじっと見つめた。「勝算はないだろう?やるべきじゃない問題だぞ!由紀。弁護士会にも政府にも楯突いて無事に終わるはずないぞ!でも君が決めたなら仕方ないか?言う事聞かないものなあ?やるだけやってみろ!東大法学部首席の手腕見せてみろ!」繁は由紀の目をじっと見つめてため息を一つついてお茶を一口啜った。「作戦はある!証書が出てるし、契約の時にお金は返さないとうたってない!掛け捨てとも明記してない。だから加入保証料と言っても辞める時返さなきゃいけないお金だといけないと思うのよ。実際に買い取って売っている会社があるからね。売買出来る物なのね。NTTも資産があるのだから返す気になれば返せると思う?使ってない家多いと思うから集団訴訟になれば政府もNTTも動くはず、後、SNSを使おうと思います。円城寺先生にも協力していただいてあの人インフルエンサーだから発信力あるから。何百万人とフォロワーいるし。」由紀は繁の顔を見てニヤリ笑った。「そう簡単にはいかないぞ!俺も手伝える事あれば言ってくれ!デカい仕事になるぞ!ワハハハ!」繁も由紀の目を見て大きな声で笑った。「あなたの協力があれば百人力よ。」由紀は繁の目を見つめた。「あなた、先生にラインするわ。ちょっと待って!」由紀は繁の顔を見た。【先生、今朝の話、依頼受けます。先生にも協力していただきます。】由紀は大輔にラインを送った。すぐに既読になったが返事はなかった。その頃、大輔は家でピアノを弾いていた。もちろん、ショパンのエチュード木枯らしを暗譜で気持ち良く弾いていた。ピアノの音で隣のばあちゃんがインターホンを鳴らした。「先生、隣の吉岡です。なかなか良い曲が聞こえたので来てしまいました。聞かせて下さい。」桜ばあちゃんはインターホン越しにそう言うと門扉を開けて玄関の前で立っていた。大輔が扉を開けて「どうぞ、お上がり下さい。」大輔がばあちゃんの顔を見てニコリ笑ってスリッパを出した。「お邪魔するよ。」ばあちゃんはそう言うとスリッパを履いて上がってピアノルームに入ってグランドピアノの椅子に座った。大輔の家にはグランドピアノが2台あった。「今、弾いていた曲、ショパンのエチュード木枯らしですよね。私の好きな曲です。私、若い頃ピアノ習っていましたのよ。だからショパン、ベートーヴェンは詳しいのよ。家にもピアノあるのよ。弾いてないけど旦那が死んだら弾けなくなっちゃたんだ。旦那がピアノ好きだったから私にあの曲聞かせてくれとよくリクエストくれたのよ。」ばあちゃんは大輔の目を見て優しく微笑んだ。「そうだったのですね?桜ばあちゃんの家からビアノの音聞こえた事ないしね。大輔さん、こちらに来て何年経ちますか?」ばあちゃんは大輔の顔を見た。「5年になります。」大輔はばあちゃんの顔を見た。「5年か。旦那が死んだのは7年前だから7年前までは良く弾いていた。」ばあちゃんは大輔の顔を見て優しく微笑んだ。「先生聞かせて頂戴!木枯らし。」ばあちゃんは大輔の顔を見た。大輔はピアノの前に座って鍵盤に手をかざした。細く長い指が極めて目立った。「まあ。素敵な手だこと。」ばあちゃんは大輔の手を見て言った。演奏が始まった。ばあちゃんは涙を流しながら聞いていた。演奏が終わると拍手を惜しまなかった。「素敵でした。先生。感動しました。ショパンは最高ですね。」ばあちゃんは、大輔の顔を見て笑顔でまくし立てた。「もう一曲サービスします。聞いて下さい。ショパンのエチュード【op25-1】エオリアンハープです。」大輔はばあちゃんの顔を見てニヤリ微笑んだ。演奏が始まるとばあちゃんは新たに涙を流し始めた。演奏が終わると「素晴らしい!先生。最高です。先生は楽譜見ないのですね。暗譜されていらっしゃるのですね。流石!」ばあちゃんは大輔の顔を見て微笑んだ。「うん。もう、何百回と弾いていますから。初見以外は楽譜は見ません。」大輔はばあちゃんの目を見つめた。「また、ピアノやりませんか?教えます。無料で。」大輔はばあちゃんの目を見て微笑んだ。「やって見ようか?先生無料でいいの?」ばあちゃんは大輔の目を見つめた。「いいよ。是非甘えてください。それと電話の件、弁護士が引き受けてくれました。戦ってみるって言ってくれました。ばあちゃんにも協力を求めますがよろしいですか?」大輔はばあちゃんの顔を見るとばあちゃんは笑顔で笑った。

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