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7話 ~事件の後2~

 


 我が妹ルーナを泣かせた大悪党を見事に退治して、ルーナとクラスメイト達がうまく馴染むきっかけを作った立役者である俺は、学校が終わるとすぐに王城から呼び出された。


 めちゃくちゃ叱られた。


 沢山の大人に取り囲まれてめちゃくちゃ叱られた。教師に暴力をふるうなんて退学になって当然で、そうなればルーナは王族としての立場が悪くなる、と責められた。


 あの極悪教師は全身ギプスまみれで、出来の悪いロボットみたいにカチカチの動きしか出来ないらしい。


 いやいやちょっと待ってくれ、俺にだって言い分はある。


 世の中には言葉が通じない出来損ないの人間っていうのが必ずいるもんだ。確かにほんの少しはやり過ぎなのかもしれないと思った。だけど、やり過ぎなくらいの方が同じような悪党をけん制することが出来るはずだ。


 けれど残念ながら俺は喋ることが出来ないので、言葉で伝えることが出来ない。


 だから俺は何も分かっていない可愛いスライムを演じた。


 ルーナが虐められているから助けただけだよ、言葉が分からないから叱っても意味ないよ、という感じを出して目をパチパチしたり上目遣いをしたりしてみた。


 これはもう許すしかないだろう。


 YouTubeだとお留守番をしていた犬が部屋の中を滅茶苦茶にしても反省している顔を見せれば、怒りつつも少し笑いながら許してくれる。


 それなら黄色くて小さくてかわいいスライムなら、犬よりももっとかわいいからもっと許してもらえるだろう、そう思った。


 駄目だった。


 叱られて叱られて叱られまくって、結局解放されたのは2時間後だった。


 ちなみに、ルーナについては無罪放免で放課後はクラスの女子生徒たちと一緒に美味しいお店のパンケーキを食べに行っている。


 俺だけが悪者に………。ちょっと納得できない感じはあるが、それでもルーナが上手くクラスに馴染むことが出来たのは嬉しい。


 俺はルーナの兄だ、妹を笑顔にするためだったらどんなことでもするんだ。


 ちなみに、王室からの圧力もあって退学という最悪の状況は避けられて、学校からの厳重注意だけで済むみたいだ。


 というかこれだけ叱られたのに学校でも叱られないといけないというのも、なんか納得いかない感じがする。もとはと言えばあの極悪教師が………。





最後まで読んでいただきありがとうございました。


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