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64話

 


 マホガニー色のテーブルの上でネズミは語る。


「オイラの特殊魔法は「サクセス」。対象の成長曲線を見ることが出来るんです」


「成長曲線?」


 黄色いスライムが斜め上を見ながら聞く。


「そいつが将来どういった成長をして、どれくらい強くなるのかを見ることが出来るんです」


「それはすごいな」


「人間は同じ人間を売ったり買ったりするんですよね?そういうのにオイラの力を使えば、最強の軍団を作ることができると思いませんか?」


「弱くて安い奴隷を買って鍛えれば、その成長曲線の通りに強くなっていくってことか?」


「そういうことです」


「なるほどな………」


「いい話だと思いませんか?いくらセトの兄貴が強くても一人で出来ることなんかたかが知れています。必要なのは強力な力を持つ沢山の仲間、そうじゃありませんか?」


「えーと、名前何だっけ?」


「マイケルです」


「お前はその力を俺のために使ってくれるのか?」


「契約が成立すればですね」


「お前は何を得る?人間と仲良くしたいとか言っていたから、もしかして無償か?」


「いやいやいや、さすがにそういうわけにはいきませんよ。多少の対価は払ってもらいませんと」


「対価?」


「魂です」


「出たな、悪魔の常套句。それで人生を滅ぼした奴が何人もいるって本には書いてあったな」


 スライムが笑ったあとで一気に醒めた表情になった。


「いやいや、そこまで大げさなもんじゃないですよ………セトの兄貴はいま自分がどれだけの魂力なのか知っていますか?」


「魂力?」


「簡単に言えば魂の強さを数値化したものです」


「初めて聞いた言葉だ」


「兄貴の魂力は53万です」


「多いのか少ないのか分からないな」


「もしも契約が成立したら、セトの兄貴の魂力をオイラに「1」だけ頂きます」


「そんなことが出来るのか?」


「契約さえすれば可能です。そして次の日にもまた「1」頂きます」


「毎日減っていくってことか?」


「そうです。けどその間に奴隷を買って仲間にすれば、減ってしまった分の戦力なんか簡単に補うことが出来るはずです。なにせ普通の人間でも「10」くらいはありますから」


「ふぅん………」


「ただし、ここからが重要です。契約してから5日目からは頂く魂力は「2」になって、10日目からは「4」になる、これがどういうことかわかりますか?」


「5日ごとに倍になっていくってことか?」


「正解です、さすがは兄貴」


「結構複雑だな」


「繰り返しになるがセトの兄貴の魂力は53万だから1や2減っても痛くも痒くもありませんので、変化に気が付くことは無いと思います」


「そうか」


「ただし契約を結ぶには条件があって、一度結んだら最低でも100日間は契約を解除することはできませんがね」


「そうなのか………」


「さすがに1日や2日で契約破棄されたら、こっちには何のうまみも無いですから」


「なるほど」


「逆に言えば、契約を結べばあんたは100日間も俺の魔法を使い放題ってことだ。延長したければすればいいし、もう十分な戦力が揃ったと思ったら契約を解除すればいい。どっちにするのかはセトの兄貴に任せます」


「悪くないような気がするな」


「そうでしょう?このルールはオイラが考えたんですよ」


 ネズミは胸を張る。


「契約は実に簡単です。オイラが用意した魔法契約書に血文字でサインをするだけでいいんです」


「契約する前にその魔法契約書っていうのを見てみたいんだが?」


「見てもいいが分からないと思いますよ。魔法契約書っていうのは悪魔文字で書かないと効果が発生しませんので」


「魔法文字………いまだに人類が解読することの出来ていない悪魔が使う文字のことだ」


「さっきも言いましたけど、この世界を勝ち抜くためには兄貴一人だけが強くても駄目です。強力な力を持った信頼できる大勢の仲間が必要なんですよ。それは兄貴くらい賢ければ分かるでしょ?」


「………それにしてもいい魔法を持ってるな」


「そうでしょう?」


「けど自分の特殊魔法のことをさっき会ったばかりの相手に話して大丈夫なのか?」


「オイラだって誰彼構わず喋ったりしませんよ。セトの兄貴だったら信頼できる、そう思ったから話したんです」


「そうか………それじゃあその信頼のお礼に、俺の魔法を教えてやろうか?」


 スライムが無表情で言った。





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