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36話 ~怪盗ルンバ~

 


「少年怪盗ルンバ」とは児童書に出て来る主人公の事で、特別な力を持った少年が悪党からお金を盗んで、困っている人たちに分け与えるという物語だ。


 ルンバが兵士たちから逃げるときには屋根渡りという得意技を使うのだけど、これは家の屋根をジャンプして次の家の屋根に着地して、またジャンプして、その驚異的なジャンプ力で捕まえようとする兵士たちを置き去りにするのだ。


「見ててよ!ほら!」


 目をキラキラさせながらルーナは跳んだ。


 その先にあるのは民家の屋根。魔力を手に入れたルーナは体に魔力を充填させることによって普通ではありえないくらいのジャンプ力を手に入れている。そうしてその屋根を踏み台にしてまた跳んだ。


「やった!やったよ私ルンバになれたんだ!」


 ルーナはぴょんぴょんと屋根を渡っていき、俺はそれを追いかける。すごいな、やったな、良かったなルーナ。


 俺にとってルーナは可愛い妹だ。今まで辛い思いをしてきたルーナがこんなに嬉しそうなのを見れて俺も嬉しい。


 けれどほんの少しだけ気になることがあるとすれば、普通ではありえないくらいのジャンプ力を生み出すという事は、それだけ踏み込みの力も強いという事であって、何が言いたいかと言えば踏まれる屋根には相当な荷重がかかるという事。


 なので跳ぶたびにズダンッ、ズダンッ、という怪獣の足音くらい大きい足音が屋根を震わせている。


 そうなれば当然、踏まれた家の人がびっくりして外に出てきて何事かと空を見上げたり、ルーナを指さしたりしている。


「たーのしぃー!たーのしぃよー!せとーー!イエィイエィイエィーー!」


 本当なら注意するべきなのかもしれない。もし自分の家が思い切り踏まれて破裂音が鳴っていたら、さすがに腹が立つかもしれない。


 けれど俺はルーナの兄だ。


 妹がこんなに喜んでいるのを止めるなんてことは俺には出来ない。ということで何も言わず俺はルーナの後を追う。


「いままで歩いて時間が掛かってた道も、今日からはあっという間だよー!イエィイエィイエィーー!」


 朝の太陽がルーナを応援するみたいにして力強く光っている。楽しめ、楽しめルーナ、今まで辛かった分を存分に楽しんでいいんだ。


 ズボッ。


 変な音がして、ルーナが消えた。いや、消えたわけじゃない。俺はルーナの背中を追いかけながらしっかりと見ていた。ルーナは屋根の中に沈んでいったんだ。


 どうやらこの屋根は踏み込みに耐えられるほど頑丈では無かったらしい。


「むきゃああ!」


「うわ!」


「屋根から人が!」


「先生!ご飯の上に人が落ちて来ちゃったよー!」


 穴から大騒動が聞こえてくる。まあそうりゃあそうだよな、いきなり屋根を突き破って人が落ちてきたら誰だって驚くだろう。


「ふぇえ………セトぉ………」


 ルーナの情けない声も聞こえてきた。


 前からちょっと気が付いていたけど、ルーナってちょっとトラブルメーカーというか、楽しいことが楽しいままでは終わらないみたいな、不幸体質な気がする………。




最後まで読んでいただきありがとうございました。


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