31話
ルーナがぽかんとした表情で言う。
「すごい………全部なくなっちゃった」
一部のスライムだけが持つ特性を生かして、宝物庫にあるすべての宝物を呑み込んだ。
「すばらしいですな………」
町辻も感心している?ようだ。
もしかしたら体が爆発するんじゃないかと最初は不安だったのだけど、呑み込んでも呑み込んでも体に異変は感じられなくて、結局は全部いけてしまった。
さあこれで全部俺たちのものだ。あとは時間があるときにゆっくりと町辻の魔法でこれらが持つ力を解明していこう。
「了解しました………」
町辻の声は少し震えているように思えて、その表情を覗き込んだ。
「さすがは芦屋家です、さすがは雷鳴さんです………。神から与えられた魔法を使うまでもなくこの成果とは………。我々が仕えるにふさわしい御方であると改めて感じ入りました」
何やら感動しているようだ。いやいや、さっきから言っているがこれはただのスライムの特性なのだから俺が凄いわけじゃない。
「そうですか………。やはり別次元の方というのは違いますな。我々であれば調子に乗って自分の力に酔ってしまうようなことでも、それが当たり前だと思う………器の大きさがまるで違います」
どうやら町辻は俺を相当に過剰評価しているようだ。
「私もすごいと思うよ。だってこんな、あれだけあった宝物が………目の前で見てたのに信じられないもん」
これだけ褒められるとくすぐったい感じはするけど、でもやっぱりうれしい。町辻もルーナも喜んでくれているし。
「それじゃあそろそろここを出ようよ。みんながまだ図書室にいるかもしれないから、実はさっきからずっと気になってるんだよね」
そうだった。色々あって忘れていたけどエイトたちが図書室で本を読んでいるんだった。結構な時間が経ってしまったので、もしかしたらもう帰ってしまったかもしれないけど、どうしたのかは知りたい。
戻ろうか。
「うん!」
ルーナが元気よく返事をした時、足元が揺れた。
「え、なにこれ………?」
揺れはどんどん大きくなっていく。
「わわっ、怖い!」
それはこの世界に来て初めての地震。宝物庫を乗せていた大きな棚が一斉に揺れ始めるくらいの大きな大きな地震だった。
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