28話
王城の宝物庫に静かな緊張が走る。白い風船のような見た目の幽霊、町辻の落ち着いた声が響いた。
「特殊魔法「梟の書」発動」
その途端、白い煙がモワンと立ってそれと同時に、フクロウのぬいぐるみのようなものが現れた。
「え、かわいい………」
黄色いスライムを腕に抱いたルーナが言った。
「この魔法にすると決めた途端に使い方から何から情報が頭になだれ込んできました。知りたい情報があればこいつが教えてくれます」
「この子に名前はあるんですか?」
「無いですね………名前が無いのは不便ですから付けた方が良いでしょうね。何か思いつくものはありますか?」
名前か………、フクロウの別名はラウルフクロウだから………
「ほっほー、はどうですか?」
「いいですね!」
「本当ですか?」
「こいつの名前は今日から「ほっほー」です」
「なんかさっきよりもかわいく見えてきた」
ルーナが近づいて言うと、ほっほーは満更でもないのかビー玉のような黒い目をパチクリさせた。
「ためしに魔法を使ってみてもよろしいですか?」
大丈夫そうか?
「はい。使い方は頭の中に入ってきましたので、これが本当に正しいのか、どれくらいの力を持っているのか試してみたいのです」
町辻の口調がいつもよりも速い気がする。初めての魔法という事で興奮しているのだろうか。
「それではこのカエルの顔のような魔道具に対して使ってみます」
棚に並ぶ中のひとつを指し示した。
「冊子には大きさと重さ以外の項目が「不明」って書いてる」
棚に置かれている冊子をパラパラとめくった後でルーナが言う。
国の宝物なんだからちゃんと調査してくれよと思うが、逆に言えば町辻のおかげで俺たちだけがこの魔道具の能力を知ることが出来るということでもある。
「頼んだぞほっほー」
空中に羊皮紙のようなものが現れ、ほっほーはクチバシで文字を書き始めた。
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