14話
「セトは何の本を読むの?」
友達を自宅に案内することが出来てウキウキのルーナがいつもよりも明るい声で聞いてきた。
そうなんだ、そこが悩んでいる所なんだ。この図書室はよく利用していて魔法に付いてだとかこの世界の歴史についてだとか、あるいは小説だとか色々な本を今まで読んできたけど、今日はどれも気分じゃない。
ヒワさんのお勧めの本でも読んでみようか………。
「え、その本の選びかた良いね。それなら私もその選び方にしてみようかな。真似しても良い?」
もちろん。
「よかった。それじゃあヒワさん、私たちにお勧めの本があればなにか教えてもらっても良い?」
3ミリくらい頷いた後で、ヒワさんはテーブルの下から本を一冊ずつ取り出して二人の前に置いた。
「え!もう本を用意してあったの?」
ルーナと同じく俺も驚いた。てっきり本の場所と名前を教えてくれると思っていたのに。もしかして俺たちが言うことを予想していたのか?
ルーナの前に置かれたのは「後覚醒についての研究」。俺の前には「スライムの進化について」というタイトルの本だった。
「なんかこれすごく古い………」
ルーナが持ちあげた途端に「後覚醒についての研究」からは埃が上がった。
「うわっ」
これは本当言うよりは小冊子という方が近いような気がする。誰か個人が自分で研究したことを纏めた物のように見える。
俺の方の「スライムの進化について」という本はそれに比べればしっかりしたと本だ。少しめくってみると難しそうな内容だがスライムの手書きのイラストが乗っているので、そのお陰で少しは見やすそうだ。
「後覚醒ってなんだろう?」
さっぱりわからない。
「せっかく勧めてくれたんだから少し読んでみようか?」
そうだな。
ひとりだったらなかなか難しそうな本だけど、今日はクラスメイトが3人居るから少しは気持ちが楽だ。
スライムの進化………。
これはまさに俺にとってうってつけの本だ。俺はまだこの世界に来てから一度も進化はしていない。
進化なんて想像もできないことだ。自分が変わってしまうなんて考えると少し怖くもある。
けれどそれを受け入れる時が来たのかもしれない。俺の目的は何だ?それはルーナを守って明るく楽しい生活を送ること。
その為には力が必要だ。王族と言えども将来が明るいとは言えない。むしろ王族であるがゆえに将来は暗いのかもしれない。王になることが出来る王族はたったひとり。王に慣れなかった王族がどんな運命をたどるのかは絶対的な権力を持つ王のさじ加減一つだ。
力を得るためには進化が必要なのかもしれない。
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