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月の宮は空を駆ける  作者: 紗倉透
リーシェリウス帝国編
9/20

ep.9 帝国へ

 エアリオスの北に位置するリーシェリウス帝国。国土はエアリオスの約5倍。隣国ウェスタードの約10倍の広大なる土地を持つ大国。

 ノエルは黒い外套を纏って帝都検問を待っていた。

(都を取り囲むように独自の魔石で作られた巨大な壁。守りが随分と重いな。)

首都に入るために長蛇の列が待っていた。

(郊外は郊外でウェスタードより賑やかで栄えていたし、帝都の中はもっと賑わっているのだろうな。そうでなきゃこんなに人は混み合わないし。)

ノエルは郊外を突っ切って首都へ行ったのだ。

(エアリオスの王都も壁、つくるか。)

数十分後検問の番がまわってきた。

「ノエル・アザリンス、出身は?」

「エアリオス南東部出身です。国王の名により来ました。」

懐から書状を出したノエル。

「神の()()か。」

検問係がボソッと言った。

(聞こえてんぞコラ。)

「陛下にお目通しの連絡をする。暫く別室で待機だ。」

ノエルは別室に通された。


(あの反応だとリーシェリウスは無神論者が多そうだな。恐らく女帝とかいうフォニアは無神論者の可能性が高い。なら何でフラガラッハと旧友なんだ?)

女神に懇願して建国したフラガラッハに対して無神論者の疑いがある女帝フォニア。対極的な2人が友になれるとは考えられないノエルだった。

(僕が神使(エンジェル)と知られたら面倒なりそうだから隠しておこう。)

別室の扉が開かれた。

「失礼いたします。」

群青の目に黒髪の短髪の青年が出てきた。

「我が名はシリウス・ロイド。リーシェリウス帝国の宰司(さいし)を務めています。此度は国交樹立についての話だとか。」

「あれ国交の話までしましたっけ?」

「エアリオスは建国したばかりの新興国。他国に王の命令で出向いたとあれば国交以外の何ものでもありませんよ。」

(こりゃまた腹のウチが分からないヤツだな。)

「只今陛下は公務で城にいません。話は我、いや私が、承りましょう。」

(絶対頭硬いだろこいつ。)

「俄に信じ難いですが貴国の皇帝、フォニア様とうちのフラガラッハが旧友とか聞きましてね。国交樹立の挨拶をしてこいと言われました。つきましてはこちらの資料を。」

懐から一通の書を出した。

「拝見いたしましょう。」

書を開封して中身を読んだシリウス。

「ほうほう。そちらのフラガラッハとやらは随分と戯けたお考えをお持ちのようで。」

「デスヨネー。」

書の中身にはこう記してあった。

・エアリオスが危機に瀕した場合、早急に援軍を寄越す

・両国の間に不可侵条約を結ぶ

・使節団を交える時は費用はリーシェリウス全負担

・災害が起こった際には物的支援を要請する

などなどエアリオスが圧倒的に有利な条件がつらつら並んでいた。

「上から目線、というか我々にメリットがない。これでは無理ですね。」

(分かっていたよ。リーシェリウスはうちとは比べ物にならないくらいの大国。いくら新興国だからと言って他国に不利な条件を押し付けるのは良くない。)

「一応同じ大陸の国ですし、この先何が起きるか分からない。軽く陛下にはお伝えしておきましょう。ただ、貴方もご存知かもしれませんが、フォニア陛下は無神論者。貴方方とは馬が合わない可能性があります。そこらへんはご容赦くださいね。」

「お気遣い感謝します。シリウス殿。」

「城下町を案内させましょう。エラン、入ってきてください。」

別室の扉が開き1人の長身の女性が入ってきた。

(柴染の肌に、毛先が常盤色の銀髪ショートカット。葡萄の色を基調としたシンプルなデザインな軍服?がよく似合っているな。)

「初めまして。私の名はエランドール・トワイライト名前が長いのでエランで結構です。」

(魔力量は僕の十分の一にも満たないが、それは僕が規格外なだけ。一般人にしては魔力量は多い方だ。腰にさしているのは恐らく細剣(レイピア)長剣(ロングソード)の二本構え。どちらとも柄頭に紅石(ガーネットストーン)をはめ込んであるから高価だろうな。)

「ノエル様。陛下のご公務が終わるまで町を歩きましょう。」

「よ、よろしくお願いします。」

(細身でクールな顔立ちだから少し怖く感じてしまうね。これ。)

エランとノエルは別室を出て町に向かった。シリウスはソファーに座って考え込んでいた。

(ノエル殿、あのエランが自分から略称で呼ぶのを許したのが私か陛下のみだから相当の実力者だろう。神仏の(たぐい)は信じない。だが言葉通り神がかった人なのだろうな。国交の話が通らなくても、ノエル殿はうちに来てくれないだろうか。)

城下町

「ここは商店街。あらゆる物品はここで揃います。」

夏の暑い気候に適した半袖の綿服、遠くまで見える天眼鏡(ヘブングラス)。単にファッションの指輪などなどジャンルを問わず様々なものがあった。

「活気ある商店街ですね。服飾類だけでなく、魔法具などの武器類、日用品。ここだけで全て揃うだなんて、」

「エラン大将軍!」

「だ、大将軍!?」

商店街の中の1人がエランに声をかけた。

「本日は何の御用で?あ、耳飾りですか?」

ノエルはエランを見上げた。顔色ひとつ変えない。

「本日は隣国エアリオスから来たノエル殿を町案内している。買い物はまた今度。」

「はい。ではまた今度。」

中に戻っていった。

「だ、大将軍って?」

「細かいことは喫茶店で話しましょう。」

エランが近くの喫茶店にノエルを案内した。


リーシェリウス帝国

・現実主義者が多い

・神はおらず皇帝が全てであるという考えが基本

・国内の主要産業は魔導製造・情報産業であり、魔導器具のシェアは大陸一である

・エアリオスの北に位置し、海に面しているため漁業も盛んである

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