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新たなアクション映画

 帰る途中、前に鴉画叉(あがさ)さんに連れられて行ったDVDショップに行く。


 行く理由はただ一つ、新しい映画を見るためだ。


 そしてこのお店、なんとDVDの貸し借りも出来るそうだ。


 ありがてぇ……ありがてぇよぉ……。


 買う時と借りる時の値段って結構違うからね。


 マジでこのDVD屋さん凄いなぁ。


「あれ?」

「ん?」


 話しかけられたので声の主の方を向く。


「岩井じゃん」

「鴉画叉さん……」


 鴉画叉さんが来てるとは。


「お前ここに来たって事は……映画借りに来たな?」

「はははー、分かっちゃいました?」

「当たり前だろ、ここに来る理由はそれ以外()ぇだろ」


 よ、良し、意外と話せてるな。


「んで、お前は何借りに来たん?」

「えーと、この間買ったアクション映画が面白かったので、他のアクション映画も見てみようかなと」

「んじゃーこれとかは?」


 鴉画叉さんから一つのDVDケースが渡される。


「これ結構評価高いし、前回のやつと同じ感じのやつだからすんなり見れると思うよ」

「えっ、あ、ありがとうございます」

「ん、じゃあ私もなんか借りて帰るわ、じゃね」


 鴉画叉さんはそのまま別の種類のDVDがある場所に行ってしまった。


 ……普通に面白そう。


 帰ったら早速見てみるか。


 借りる手続きをして家に持って帰る。


 見るのが楽しみだ。


 少し小走りで家に帰った。









「ただいまぁー」

「お帰りなさい! お兄ちゃん!」


 愛花はそのままキッチンに戻る。


 さてと、んじゃあ俺もさっさと着替えて映画でも見ますか。


 パパッと着替えてリビングに行く。


「あれ? お兄ちゃんDVD買ったんですか?」

「いや、これは借りた」

「え!? お兄ちゃんにそういうのを借りれる友達なんていたんですか!?」

「いや普通にレンタルショップ」

「……なぁーんだ、驚かさないで下さいよ〜お兄ちゃーん」

「おい待てそれ遠回しにボッチって言――」

「あっ、料理しないと」


 逃げられたがまあいい。


 DVDプレーヤーに入れて再生ボタンを押す。


 そして制作会社なんかが出て始まった。


『パキュンパキュン!』


 おっ、初っ端から銃声が。


『はぁ、はぁ、はぁ』


 おぉ! あれが主人公か!? 結構イケメン!


 そのまま見入ること数十分。


「お兄ちゃーん、ご飯できましたよー」

「おっ、ありがとー」


 ソファから普通の椅子に座り変えて運ばれてきた食事を見る。


「……良かった……」

「? 何がです?」

「カレーじゃない……」


 愛花の作ったカレーは馬鹿みたいに美味いが、ずっとそれなのは流石に飽きてきていた。


 良かった……マジで良かった……。


 今日の晩御飯は普通に鶏肉だ。


「「いただきまーす」」


 フォークで切って……


「ハグッ」


 食べる。


 う…………美味い!!


 食感が、食感が良すぎる!


 弾力があるのに何故か食べやすく、味付けもしつこくなくてスルッと飲み込める。


 ……愛花、俺には勿体無い妹ってこの事なんだな……。


 バクバクと食べおかわりもする。


「お兄ちゃんそんな急いで食べるとお腹壊しちゃいますよ〜?」

「美味いのが悪い」

「褒めても鶏肉と白米しか出ません!」

「結構出るじゃねぇか!」


 そんな感じの会話をしつつ食事を終える。


「んじゃ、俺は映画の続きでも見るよ」


 そう言いながら食器をキッチンに片づける。


「あっ、あの!」

「ん?」

「私も一緒に見ちゃダメですか?」


 愛花は上目遣いでそう言ってきた。


「勿論良いぞ」


 それをやられたら断れる訳もなく。


 ソファーに俺と愛花が座る。


 再生ボタンを押して最初まで巻き戻してもう一度再生ボタンを押す。


『パキュンパキュン!』


 チラッと愛花を見るともうのめり込んでいた。


 早いな! のめり込む速度早いな!


 そう思ったがすぐに画面の方に向き直して、一緒に鑑賞した。









 うわっ! 凄い! 一体どうやったらあんな動き出来るんでしょう!?


 スタントマンさんって本当に凄いんですねぇ〜……。


 あっ! また凄い動きを! 


 ……こういうジャンルの映画ハマっちゃうかもです。


「お、お兄ちゃん」

「ん? どした?」

「こういう系の映画って何系なんですか?」

「アクション系ってやつだ」

「ありがとうございます!」


 アクション系ってやつなんですか。


 確かになんかアクション! って感じです!


 ……ま、まあカッコいい系って事ですよね! うん!


 そのまま見入ってしまう。


 銃弾を華麗に避け、たまに凄い攻撃なんかをしたりする。


 あれが空手や柔道ってやつなんでしょうか!?


 凄いカッコいい!


 ……え!? 銃弾をのけ()って回避してる!?


 あんな動き出来るもんなんですか!?


 凄いとしか言いようがないです!


 ……なんか映画を見てから凄いとしか言ってない気が……。


 いや、映画は楽しんだ者勝ちですからね!


 凄いとしか言ってなくても大丈夫です!


 ……多分。


 そう思いつつ最後までお兄ちゃんの隣で見た。









 エンドロールが流れる。


 いやぁー面白かった。


 途中マ◯リックス回避が出てきた時はビックリしたけどマジでストーリーとアクションが良かったな。


「愛花、どうだった?」

「……」

「愛花ぁー?」

「今度から……」

「ん?」

「今度からアクション系を見る時は私にも見せて下さい!」

「分かった」


 愛花……すっかりアクション映画にハマっちゃって……。


 今度鴉画叉さんに面白いアクション映画教えてもらおうかなー。


 そう思いながら自室に戻ってベットに横たわる。


 そしてその時ちょうどスマホから


『ピロン♪』


 と通知音が鳴る。


「花園:一件のメッセージ』


 花園さんからだった。


「スゥー、ハァー」


 深呼吸をして内容を見る。


『今日も会話して良いですか?』


 それにこう返す。


『良いですよ』


 もう少し何か書いた方が良いのかもしれないが、陰キャの俺には分からない。


 俺が送ったメッセージに既読がついて、スマホが『ム゛ー』と震える。


 応答ボタンを押す。


『あ、もしもし?』

「も、もしもし」

『今日の避難訓練凄い大変だったね』

「そうですねー、やっぱ移動するのは大変ですね」


 避難訓練の話ならなんとか出来そうだな。


「あ、そういえば避難訓練の景品として何貰えたんですか?」


 実はこれ結構気になってた。


『えっとねー、色々あって選べる感じだったんだけど、私はシャー芯にしたわ』

「シャ、シャー芯!?」

『他にも消しゴムとかいう感じの文房具とかがあったんだけど、私ちょうど無くなりかけてたからこれかなって』

「へぇー、景品ってそんな感じだったんですか」


 文房具とかを配る……さすが私立だ。


 その後は、グラウンドに行くまでとかを話した。


 しゃがみ歩きをして向かっていたと言うと笑われた。


 あの移動方法正しくないのか?(正しいです)


 エキスパート君……エキスパートじゃなかった……。


 そんなこんなで一時間ほど話し合う。


『やっぱ岩井君と話してると楽しい!』

「!?」


 一瞬ドキッとした。


 そりゃあいきなり話してると楽しいと言われたらこうなってしまうだろう。


「ぼ、僕も花園さんと話してると楽しいですよ!」

『!?』


 そう言うと今度は花園さんが驚いたような声を少しだけ出す。


 ……なんかやっちったのか?


 ここでお返し的な感じで言っちゃダメだったか?


『きょ、今日は話してくれてありがとう! じゃ、また明日!』


 花園さんが早口でそう言って電話が切れる。


 ……花園さん……明日土曜なんでお休みですよ……。


 するとまた『ピロン♪』と通知が来た。


『早是:一件のメッセージ』


 今度は早是から来たあぁぁぁぁ!


「スゥー、ハァー」


 また深呼吸をしてから内容を見る。


『明日どっか遊びに行かね?』


 …………………………………………え?

『面白い!』


『気に入った!』


『続きが読みたい!』


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 ブックマーク等もして頂けると本当に嬉しいです!


 作者の励みになりますので、何卒よろしくお願いします!!

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