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超緊張する連絡

「ただいまぁー」

「おかえりなさいお兄ちゃん」


 愛花はそう言ったあとすぐにキッチンに戻った。


 多分晩御飯を作っていくれているんだろうな。


 自室に行って着替えを……普段はするのだが、まずはスマホを取り出して連絡先のところを見る。


 今まで『母』や『愛花』などしかなかった友達のところに『花園』というのがあった。


 ……夢じゃ……ねぇーんだな。


『花園』というところを見て布団の上でゴロゴロする。


 いやぁー……【探知】先輩本当にありがとうございます!


 学園のマドンナと連絡先交換……しちったなぁー……。


「やっほぉーい!」

「お兄ちゃんどうしましたか!?」


 愛花が凄い勢いで扉を開ける。


「ん? あぁ何でもない」

「よ、良かったです……お兄ちゃんになんかあったら大変ですから心配しました……」


 愛花ぁ……やっぱりお前いい奴だなぁ……。


「じゃあ私は料理に戻りますね」

「ありがとー」


 さて……と……


 試しに連絡を…………いやいや待て待て。


 こっちからやったらなんか嫌な風に思わられないか?


 あっちが連絡するのを待った方が良いのか?


 どーすりゃあ良いんだぁー!


 こういう時は【探知】が使えないんだよなぁー。


 選択肢的なやつだからね。


 すると『ピロン♪』と通知音が鳴る。


 スマホを見てみると『花園』の横に『一件のメッセージ』という文字が……


 うわぁぁぁ!! 来たあぁぁぁ!!


 急いでそのメッセの内容を見る。


『こんばんは、試しに送ってみましたが、大丈夫ですか?』


 どっ、どう答えれば良いんだ!?


 たっ、【探知】パイセン!


 すぐに発動したが……


『現在は使用できません』


 ……は!?


 使用できないっておま、マジかよ!?


 き、既読はもう付いちゃったからこのままだと既読スルーって事になっちまう!


 絶対になんか言わないといけないのに……。


 …………よし、こう書こう。


 考えを出来るだけ早くまとめ、それを書いて送る。


 その内容は……


『大丈夫です、ちゃんと届いています。連絡先を交換して下さりありがとうございました』


 ……いやこれだけ!? と思うかもだけど陰キャにしては頑張った方じゃない!?


 皆考えてごらんよ!


 学園のマドンナとどうしたら良いか分からないだろ!?


 つまりそういう事!


 またスマホから『ピロン♪』と鳴る。


『届いていて良かったです! 今、お電話よろしいでしょうか?』


 ほあぁぁぁぁぁぁぁ!!!(精神崩壊)


 お・で・ん・わ!?


 ちょ、【探知】さん! 今こそ出番ですよ!


『現在は使用できません』


 くそ!


『現在は使用できません』

『現在は使用できません』

『現在は使用できません』


 あぁー!! ガチめにダメなやつだぁー!


『大丈夫です』


 と送る。


 大丈夫じゃねぇぇぇー!


 心臓バックバクだわ!


 スマホが『ム゛ー』と震える。


 電話が……かかって来た。


「も、もしもし」

『あっ、もしもし。岩井君……ですか?』

「そ、そうです、岩井君です」

『良かったー、誰かに電話をかけるのなんて初めてだから少し緊張しちゃったー』


 なんか……少しラフな感じの喋り方になってるな。


 学校とかではもっとこう……少しお嬢様的な感じだったけど。


「はははっ、僕も凄い緊張しちゃってました」

『もしかして岩井君も初めて?』

「そうなんですよ、家族以外と電話した事が……」

『そうだったんだー、私あると思っちゃってた』


 こんな俺にそんな人がいると?


 花園さん……どこまで優しいんだ……。


 まずい、俺も楽園(エデン)に連れて行かれそうだ……。


『取り敢えずね、そのぉー…………』

「どうしました?」

『そのぉー……これからもたまにこうやって通話しない?』


 グッハ!


 花園さんが少ひ照れているのが電話越しでも伝わる。


 ごめん、ふつーに可愛いわ。


 それに……これからもたまに電話だと!?


 学校の男子達が知ったら……ヤバイ、最悪の未来しか想像できん。


『い、岩井くーん?』

「あぁえと! もちろん! 大丈夫です!」

『よかった、ありがと。私はもう寝るとするわね』

「分かりました、おやすみなさい」

『はぁーい、おやすみなさーい』


 そして電話から『ツー、ツー』と通話が切れた音がする。


 な、何とか終わったー。


 いやまあ嫌だった訳じゃないけどね?


 むしろ最高だったけどね?


 やっぱ緊張しまくるわ。


 通話時間を見てみると『1:32』となっていた。


 ……1分32秒間話せたのか……。


 俺ふつーに凄くね?


 もうこれ誇りまくれるよね?


「お兄ちゃん、晩御飯できましたよ!」


 リビングからそう声が聞こえた。


「分かったー、すぐ行くー」


 また今度話せたら話そう。


 そう思って晩御飯を食べにリビングへ向かった。








 電話を切ってベットに寝転ぶ。


「なんとか話せたぁー」


 電話していいか? なんて質問しちゃったけどあれで良いのかな?


 普通はもっとさりげなく言うものなのかもしれない。


「うぅー分かんないよぉー」


 枕に顔をうずくめて足をバタバタさせる。


 人気者ではある私だけど、こういうのに関しては非常に(うと)い。


 何せ私に言いよってくる人達は大抵私の顔や体目当てだから連絡先を教えるなんてことはしない。


 まあ彼は違うと思ったから教えたけどね。


 教えて良かった〜。


 男子と話した事なんて今まで殆どなかったから今度少し勉強しておこう。


「舞ー、ご飯できたわよー」

「すぐ行くー」


 さて、と。


 岩井君と話せたし、またお話しする約束も取り付けられた……


 ……もしかして私結構大胆な事やっちゃった?


 普通次の約束なんてするのかな!?


 あぁー今になって恥ずかしくなってきた……。


 スマホの友達のところにある『岩井』というのを見てまた恥ずかしくなる。


 うぅ……まあ、次が確実にあるっていうのは良いわね、楽しみ!


「舞ー、早くしないとご飯冷めちゃうわよー」

「ごめーん、今行くー」


 なんかご飯も美味しく感じそう。


 そう思いながら階段を降りた。








「ほーら沢山食べてくださいよぉ〜」


 そう言って愛花がテーブルに置いたのはステーキだった。


「おっ、今日はカレーじゃないんだな!」

「……カレーが良いんですか?」

「いや、当分はいい、マジで」


 そう言いながらステーキを切って食べる。


「美っっっっま!」

「良かったですぅ〜」


 塩胡椒(しおこしょう)がほどよいにも程がある!


 素材の旨みもしっかり出てるのやばすぎるだろ!


「愛花」

「はい?」

「もうお前店作れって……」

「やだもぅ〜お兄ちゃんったら、褒めてもステーキくらいしか出ませんよー?」


 出るんかい。


 取り敢えず一切れをあっという間に食べ終わり、自室に戻った。


「花園……さん……」


【探知】さん(いわ)く花園さんは運命の人だ。


 その嬉しさを噛みしめまくりながらなんとか寝た。


『面白い!』


『気に入った!』


『続きが読みたい!』


 と思って頂けたら是非、下にある☆☆☆☆☆から作者への応援をお願いいたします!


 ブックマーク等もして頂けると本当に嬉しいです!


 作者の励みになりますので、何卒よろしくお願いします!!

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