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勘違い死神の地獄放浪記  作者: むらた。
1/1

第1話

初めましてむらた。です!

「え?!クビですか?!」


上司からそう突然打ち明けられたあの日から、1週間が経った。大学を中退してからは親に家を追い出され、やっと掴んだ仕事も1年も続かなかった。9人の兄弟は皆夢や才能がある中、俺だけは何の取り柄もなく生まれてきてしまった。俺は長男としてあいつらにしてやれた事があっただろうか。そう考えながら夜道を歩いていると、突然両方向からクラクションの音がした。その音に目が覚めて辺りを見渡すと、俺は交差点のど真ん中に居た。これはまずい。そう思う暇も無く、俺は迫り来るクルマに突き飛ばされた。周りの悲鳴や俺を轢いた車の運転手の声を聞きながら、俺はゆっくりと目を閉じた。


ーーー目が覚めると、そこは病院の見知らぬ天井...ではなく、澄み切った青空が広がっていた。起き上がって見ると、そこはとても綺麗な、石畳の公園のようだった。空を見ると、太陽が2つある。どうやらここは現実の世界とはかけ離れた場所のようだ。俺が周りを見渡しながらおどおどしていると、「やっと目が覚めた?」と、後ろから女の人の声がした。後ろを振り返ると、そこには銀髪の綺麗な女性が。


「...あなたは誰ですか?」


そう恐る恐る聞くと、その人は

 

「初めまして。私はアリス・レミィよ。ここでは“大天使”と呼ばれているわ。」


「はぁ...」


なんとなく説明を受けたが、あまり状況がつかめない。俺は何をしていたっけ?確か車に...


「ここがどこだかまだあまり分かってないようね。ここは死後の世界。あなたは今しがた車に轢かれてここにやってきたのよ。」


そうだった。俺は交差点のど真ん中で轢かれてしまったんだ。


「じゃあ、私も忙しいからさっさと振り分けるから。」



「振り分け?番号でも貰えるんですか?」

 

と聞くとアリスは


「昔はそうしてたんだけどねー、今は面倒臭いから直接振り分けてるの」


と、どこからか白い紙を取り出しながら答えた。


「えっとー、今からあなたを天国か地獄のどちらかに振り分けるんだけど...」



「あなたは車に轢かれて死んでしまったようね。しかも交差点のど真ん中で。」


アリスはニヤニヤしながら言った。どうやらさっきの白い紙は俺の生前の事が書いてあるようだ。


「あなたの人生は天国で報われるくらい不幸だけどーーー」


「だけど?」


「自殺してるから地獄ね!」


「え?!自殺してないですよ!」


あまりに突然に言われたのでびっくりした。



「いや、交差点のど真ん中に自分から飛び出してるのよ?」


「いや、だからそれはーーー」


説明しようとすると、


「はい、ストーップ」アリスに口を塞がれた。


「もう面倒臭いからさっさと地獄に送るわね」


と、アリスに口を塞がれたまま地獄について説明をされた。どうやら俺が今から行く地獄はまだ全容が分かりきっていないらしく、同じように地獄に落とされた人が探検していく、という仕組みになっているそうだ。その瞬間、俺は天国に行くのを諦め、地獄での冒険者生活を思い描いた。こう言うのを1度やってみたかったのだ。


「んじゃ、次はあなたの役職を決めていくわ。」


「役職?」


役職とはなんだろう。地獄にもサラリーマンがいるのか?そう思っていたが、探検における役職と言ったら、剣士とか、魔法使いとか、そう言う物だろう。それしかない。


「あなたの役職は...」


思わず固唾を飲む。ここでの結果次第でこれからの地獄ライフの難易度が一気に上下する。願わくば魔法使いとか、攻撃力の高そうな役職が欲しい。


「あなたの役職は死神ね。」


「死神?!」


良い役職が引けた。詳細は良く分からないが、何となく強そうな感じだ。


「あら、あなたやけに嬉しそうね?」


アリスが不思議そうにこちらを見つめて言う。そりゃあ、死神なんて強そうな役職を貰えたら嬉しいに決まっているではないか。そういったことを伝えると、


「確かに、強そうではあるわね、、、まぁ、詳細は向こうについたら自ずと分かってくると思うわ。」


と、なぜか神妙な面持ちで言われた。


「じゃ、最後にあなたの武器を渡すから。ちょっと待ってて。」


アリスはそう言って異次元に入っていった。ワープホールからガシャーン!!とえげつない音を立てしばらくすると、ほこりまみれのアリスが古ぼけた鎌と一緒に出てきた。


「はい、コレ。」


そう言って手渡されたのは、金属製の.....苔が生えた...汚い鎌だった。


「え?コレ?」


「、、、なによ、死神なんて全く出なかったんだから武器が昔のしかなかったのよ!、、、しかも取りづらいところに!」


最初から強い武器が手に入るとは思っていなかったが、さすがにこれは酷いのではないか。そんな目で彼女を見つめ続けるが、彼女は気にすることなく、変な呪文を唱え始めた。


「今からあなたを無間地獄・第1層のインフィニティ・ガーデンに送り込むわ。」


「え、なんでそんな怖そうな所n...」


「だって....自殺したでしょ?笑」


どうやらアリスはまだ俺の言うことを信じていないようだ。


「ま、名前通り相当ヤバい場所だから。せいぜい死なないように頑張りなさいよ。」


そんなことをしていると、段々視界がぼやけ、うっすらと地獄の風景が浮かんできた。俺はこれからここで冒険者ライフを送るのか。そう思いながら鎌を見ると、


「そうだな」


と鎌が喋りかけてきた。柄の模様が俺を見てニヤついているように見える。


「ん?大天使さん、この鎌何か喋って....」


そう言いかけた途端、あの世の幻想的な風景は消し飛び、目の前が真っ白になった。


ーーー目が覚めると、そこには俺の知る地獄はなかった。まず目の前に広がったのは大きな城。石造りでとても大きいことくらいにしか分からない。その眼下に並んでいるのが今俺が立っているこの街。近くにある看板を見るに、ここはどうやらアリスの言っていたインフィニティ・ガーデンではなく理院街というらしい。それにしてもこの並ぶ家やそびえ立つ城には感激した。俺の前に転生してきた人達が作り上げたのだろうか。このまま理院街を散策するのも良いかと思ったが、

どうやら日が暮れそうだ。


「地獄に太陽があるなんてな、、、」


なんてをことを呟きながら泊まるホテルを探していると、突然俺の後ろに何かがぶつかった。


「あ、すいませ、、、、」


と言いながら後ろを向くと、そこには死んだような顔をして、スーツを着た男がもたれかかっていた。


「サラリーマンって地獄にも居たのか、、、」


 この人の死因は多分過労だろうな、そうも思っているとスーツの男がいきなり


「いきなりですまん、ちょっとそこの宿まで運んでくれるか?」


と、目の前の宿を指差し言った。丁度いい、俺もその宿に泊まることにしよう。と、スーツの男を宿まで運んだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Name...神代 秀也

level...1

job...死神

weapon...�����鎌

skill...???

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のんびり書いていきます

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