中学2年
2年の秋・新人戦──
先輩たちももういない。
実玖たちの代の始まり。
「プレイボール!」
審判の声とともに
試合が開始された。
ドキドキだった。
実玖はレフトを守る。
カキーーーンとバットにボールがあたる
金属の音が鳴り響く。
実玖のところにとれるかとれないか
瀬戸際のボールがとんでくる。
実玖は全力で走り、ボールにくらいつく。
ファインプレーをみせた。
おぉーー!!!っと実玖のまわりが湧き上がる。
「実玖ナイスファイト」
部長が大きな声でショートからいってくれた。
それにつられて
みんながいってくれた。
少し前までは
こんなボールとってもみんながいってくれるわけじゃなかった。
言ってくれるのはいつも部長だけだった。
実玖はそれがすごく嬉しかった。
その試合は勝ち。
それからドンドン勝ち進み
優勝決定戦で敗北。
初の自分たちだけの試合は
準優勝におわった。
だけど
なんとなくみんなと仲良くなれた
そんな気がした。
ただその中でも副部長の子は
実玖をあまりよく思ってなかった。
部活の中で実玖にいじめをする中心人物が
副部長だったからだ。
クラスでも副部長とは一緒だった。
相変わらず
いじめはクラスの中でもあったけど
友達も少し増えて
一緒にいてくれる子もいた。
だから
少しずつだけど
早退することもなく
学校へいけるようになった。
そして
部活も土日の練習も休むことも
早退することもあまりなくいくようになった。




