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中学2年 心の変化

2年にあがってから

半年ほど経ったある日──


学校を休んでしまい、

お家で猫とゴロゴロしながら

外を眺め、ボーッとしていた。


実玖は

(いじめのこと話してみようかなぁ)


そう思った。

なぜ急にそんなことを思ったのかは

わからない。


今日の朝も起きてから

実玖パパとお散歩に出かけ

何気ない話をたくさんする。

帰ってきてからラジオ体操をして

朝ごはんを食べる。

いつもと何も変わらない。

特別なにかをしたわけでもなかった。



実玖の心の変化だった。



それから

実玖ママを呼び

学校と部活のこと

全てではないが

いじめられていることを話した。


「実玖、話してくれてありがとう」


それから実玖ママは言葉を続けて

実玖ママもいじめられていたことがあると

話してくれた。

だから、実玖の気持ちもわかると言ってくれた。


実玖は泣いた。

大粒の涙をこぼしながら、

今までいじめられても泣かなかった分

ためていたものがすべて涙として

流れ出ているかのようだった。


それから

実玖ママは

パパに話していいか

先生にも話していいか聞いてくれた。


実玖は黙って頷いた。


話を聞いた実玖パパは

仕事を切り上げて

実玖ママを連れて学校へと向かった。

実玖のパパは短気。

それに加えて強面で見る人によっては

極道の人かと思われるくらいだった。


実玖からみれば、一般家庭よりは

厳しかったし怒られるときは

半端なかったりとあったが、

そっち系の人ってことはなく、

優しいパパだった。


そんな実玖パパとママは

学校で校長・担任・学年主任・顧問、

4人の先生と話をしたらしい。

どんな話をしたかは

実玖は知らなかった。


ただひとつだけ

1年のときのソフト部・野球部の顧問

他の先生方

全員とは言わないが、

椅子に偉そうに座っているだけで、

挨拶もろくにしない。

本当に偉そうにしていて腹が立ったそうだ。


実玖パパは怒鳴りはしなかった。

校長室に入ると


「校長室に入るなんて久しぶりだな。前と変わらないねぇ。」

「なにかしてらしたんですか?」


「んー。ちょっと学校で役員をねぇ」

「そうだったんですか。」


「実玖の上に兄姉がいるから、そっちで会長しててね。よく校長室にきてたんでねぇ」


実玖パパが実玖の兄や姉のときに

PTAの会長をやっていたことがわかった途端

校長も先生方、全員が

手のひらを返したかのような

対応になったという。


そんな話を聞き

次の日学校へいって

担任の先生と話をしたりした。

先生に話したからと言って

いじめがなくなるわけではなかったし

それ以上悪くなるということもなかった。


部活では

新人戦も始まる頃ということもあり、

2年の実玖たちが主でやらなければならない。


いじめがあると話してから最初の土曜日に

顧問の先生に実玖がひとりで呼ばれた。


みんなが練習をしている中、

ひとりで呼ばれ

先生とふたりで座ってじっくり

いじめのことで話をした。


「実玖は部活をどうしたい?」

「やめたくありません」


その言葉を聞いた顧問は

その後、いじめていた子たち

ひとりひとりに話をしてくれたようだった。

その後

全員呼び出され話をした。

いまではどんな話をしたかは

覚えてないが、

そこからなにか変わった気がした。

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