ポイントを貪る者、ポイントに死す。
皆様今晩は!シサマという者です。
私がこの「小説家になろう」サイトにやって来て早3ヶ月近くが経過し、投稿、評価等のシステムにもすっかり馴染みました。
私自身は作家主体の活動を行っていますが、SNSの類いを全くやらない為に作品の宣伝活動は極めて限定的で、新連載を始める時だけ活動報告に書いたり、感想交流で気の合った作者様の作品を読みに行って感想やポイントを残しつつ、何となく自分の作品を読んで欲しそうに消えて行ったりしています(笑)。
さて、そんな私は今回、「小説家になろう」サイトのシステムの中で作者様から最も渇望され、かつ最も罪深い存在でもある「文章・ストーリー評価ポイント」について語りたいと思います。
皆様はポイントの活用について、どう考えていますか?
私自身は作者でも読者でもあるので、読者専門の立場の方よりは感想やポイントを積極的に活用していると思います。
例えば一般的なポイント活用の例として、まずは注目したい連載や読み返したくなる完結作品、或いは資料としての活用や教訓的に意識しておきたいエッセイ等にブクマをして、2ポイントを入れますよね。
そしてその後に文章・ストーリー評価ポイントを入れて、最後に感想まで書くかどうかを決断されると思います。
文章・ストーリー評価ポイントの活用法で一番シンプルなものは、良かった作品に5:5、悪くはないけれど好みの展開を見せてくれるか様子見したい時に3:3、全く良いと思わずイラッと来たけれど、無視するのは癪で何らかの意思表示をしたい時、或いは評価する程でもないけれど作品に手間がかかっている事は理解して、「読ませてくれてありがとよ」の意味を持つ1:1みたいな活用法ではないでしょうか?
このポイントシステムだと、「2」や「4」という数字はポジティブな意味ではなく、高い期待値に届かなかった「惜しい」、「残念」というネガティブな意味を持ってしまうと思うんですよね。
しかし、私の場合は「1」から「5」をフル活用します。
まず「2」や「4」の使い方ですが、文章とストーリーのバランスが悪い場合に使わせていただきます。
この場合、評価が高い方を「良い点」として感想に記した後、評価が低い方を「気になる点」として感想に記します。
尚、基本的には文章とストーリー評価の合計が「6」以上に達する様にしています。
期待していない作品を、敢えてけなす様な使い方はしません。
3:3の評価は、先述の期待値込みの様子見以外に、
「個人的には楽しませていただきましたが、安易な酒場話的な部分や、好感度は高いもののありふれた内容のものであったりしますので、ストイックにオリジナリティを磨く作者様を差し置いたノリで、この作品を日間ランキングの上位に押し上げてはいけないと思うんです」
……という意思を表明したい場合に使わせていただいた事があります。
そして、私は1:1や2:2という、合計しても平均以下の印象を与えてしまう評価を付けたくなる様な作品には、基本的にポイントは入れない様にしています。
さて、ここからが本題ですね。
5:5は絶賛、或いは自分の好みにドストライクという意味の使い方だけではなく、作者様が自らの低評価に納得しない余りにシステムや人気作品の内容への不満を挙げている場合における、「高評価で人目に晒される覚悟があるかどうか」を試す時にも使わせていただいた事もあります。
私個人としては、自分の作品を盗作されたとか、同ポイントで20作品が並んでいるのに、一日中日間ランキングの下位に固定された……等という様な場合を除けば、システムや人気作品の内容への不満を挙げるべきではないと思っています。
自分の作品が評価されないと嘆く権利は誰にでもありますが、自分はもっと高評価されるべきだと主張する権利は、お金や人の生活が左右される事態を除けば、その人の心の中にしかないと思うからです。
もっとも、数ポイントの獲得でも日間ランキングに載る可能性が高いエッセイの様なジャンルとは違い、ファンタジーや恋愛等、ブクマと文章・ストーリー評価ポイント合計で12ポイントを貰えないと競争の舞台にすら上がれないジャンルとでは、作者様のポイントへの考え方が変わってしまう可能性がある事を否定は出来ませんけどね。
そんな中私は、冷静に批判する所と、その作者様のポイントやブクマの数が十分な評価に値する事を賞賛した上で、その作者様が納得してくれない事を確認した後、彼の主張が似た境遇の作者様から支持されるのか、私の考えは優等生過ぎるつまらない考えなのかを確かめる為に、高ポイントを投入してその作品を日間ランキングに上げる事にしました。
作者にとって一番恐ろしい読者とは、理不尽な誹謗・中傷を繰り返す人間よりも、こういう考えを冷静に実行出来る人間なのだと思います。
結果として、その作品にはかなり感情的な批判も含めて炎上状態になり、残念ながらその作者様の神経を逆撫でする様な低ポイントも大量投入された為、長く日間ランキングに留まってしまいました。
撃たれる覚悟がある者だけに撃つ権利があるという事なんですよね。
仮に私が高ポイントを投入していなくても、あの作品は物議を醸したとは思います。
とは言え、その作家様以上の底辺作家である私としては、どうしても反対の意思を表明したかったですし、その結果炎上の一部を担ってしまった事も事実です。
最後に、1:5や5:1の様な極端な評価についてです。
結論から言えば、私は文章5:1ストーリーという評価ポイントを入れた事があります。
これは文字通り、文章は素晴らしいにも関わらずストーリー……というか作者様の思想や価値観に疑問を感じたからです。
これは単純に、ネトウヨとパヨクが互いを許せないという様な感覚ではなく、作者様が全く無意識に病気と人格の問題を関連させる様な、差別意識と取られかねない表現があった為で、しかもその作品は最初から感想欄を閉鎖していました。
ブクマやポイント評価は受け付けていたので、思想や価値観が合う読者様と共有したいメッセージがあったのでしょう。
しかしながら、その文体は意図的な悪意には見えず、こちらから疑問点を発信すれば何かに気付いてくれるのでは?と考え、何の意味も成さないかも知れませんが、文章は最高評価にしながら、ストーリーを最低評価にさせていただいたのです。
私が入れたポイントは最初のポイントだったので、作者様は大きくバラついたポイントを見ながら、この人、何か気に入らない表現があったのかな?と作品を見返してくれたらな、と思います。
長々とお話をさせていただきましたが、ポイントは「小説家になろう」ユーザー全てに匿名で与えられた権利です。
しかし、匿名であるが故に、善意で入れたポイントが思わぬ悪意に変換されてしまう可能性もあります。
作品のクオリティを上げる為の努力や、信頼出来る仲間や読者様からのポイントを自らのバロメーターとして得る道を、踏み外す事の無い自覚が必要になるでしょうね。