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叫騒の歌  作者: 実嵐
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表裏一体

若槻は警視庁では有能な部下が動いているのに安心しきっていた。若槻は警視庁を出る前にある人物に電話をしていた。待ち合わせはこじんまりとした純喫茶ではなく、チェーン店だった。忙しいこともあってかセルフサービスの聞くところを探したのではないのだろうか。若槻は2人の席が空いていたため、そこに座った。先に来ているためにアイスコーヒーを飲み干した。苦味や甘味を感じるようなところだ。せわしなく席の入れ替わりが激しい。ゆったりと座っている人もいればテイクアウトをしてさっさと動いているようだ。決まりきったスーツにきれいに整えられた靴が光っていた。

「悪いな。待たせたな。」

「お前だって忙しいだろう。榎並渉の件が終わりかけているのか?」

「まだだよ。マスコミの的になっていて広報がてんやわんやしてしまってね。今じゃネットで下手なことかけないからな。コンプライアンスだのなんだのあるんだよ。」

カフェオレを頼んでいるのか茶色に染まっていた。桜銀行の再起をかけることも含めて考えているのだろうが、広報の対応によっては内定者が離れていくのは目に見えているので焦っているのだ。その処理も安易にできなくなっているのだ。

「難儀なことだよ。まぁ、お前だけじゃないか。」

「そうだよ。お前だって忙しいんだろ。リーチとかいうサイトがまさか暴力団や詐欺師に利用されていたとはな。温床だなんていうんだもんな。」

リーチのことを週刊誌に書かせたのだ。運営会社の責任問題に発展してしまっているのだ。ハローバルはセキュリティはキチンとしているなどの的外れの答えばかり繰り返していることもあって、今や桜銀行の問題よりはるかに上回っているのだという。運営会社としての在り方について今一度考えるべきなどつぶやかれている。

「以前の対応の悪さといい、よくなかったから余計にダメになったんじゃないのか。リーチとしての管理人が亡くなっても放っておいたと言ったんだもんな。」

「更新されるのはもっぱらあれだよ。軟弱とは言わないけど近いものになっていたと利用者が言ったんだから勝てないよ。」

武田は笑った。榎並を売ってでも会社を守ろうとしたのだ。それでも徹底して事実を言って戦ったのだ。包み隠さなかったのが功を奏したということだ。逆にハローバルは今の立場に対して必死になって嘘を言ったりとしていた。それをマスコミが揚げ足取りを行ったので大ごとになったのだ。幹部は一応に辞めろと言われている始末だ。

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