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叫騒の歌  作者: 実嵐
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天使と悪魔

翌日にはあわただしく進んでいるのが見えた。鑑識はもっぱら資料の提供の用意をしている。データを扱っている部署はあいている人員を探しては防犯カメラの解析を頼んだ。もちろん、鵜坂は喜んでしてくれている。間瀬が頼みに行ったら笑顔を見せた。

「捜査一課の連中なら俺は断っているがな。お前や若槻さん、益子の頼みは聞くぞ。」

「そうか。有難う。」

不器用な顔をしていて言ったが鵜坂は何もなかったようにしている。いくらデータを扱っていた部署にいたとしても今は離れているのだと思うことが多かった。それでも変わりなく対応してくれる鵜坂には感謝しかなかった。感謝を言ったら居心地が悪くなったのか握っていた缶コーヒーを飲み干していた。

「俺、仕事が残っているから。」

そう言い残していなくなった。時間にはリミットがついているのがわかっている。間瀬は部屋へと戻った。捜査一課の人達はもっぱら捜査会議を行っているらしく、これといった情報がないと嘆いていた。生稲は席にいて居心地の悪さがあった。刑事部長とやりあったことも知られているので裏で陰口をたたく奴も多いのだ。それ言える立場じゃないこともわかっていない。自分の立場を考えたときにいずれその見返りがかえって来るのだと。若槻が生稲に声をかけていた。

「どうだ、昨日刑事部長にいうだけ言ってみた結果は?」

「心の中にふさがっていたつっかえみたいなのはなくなりました。・・・けど・・・。」

「けど、なんだ?」

「言い過ぎたのかもしれないと思いました。」

生稲は昨日、資料を届ける次いでに刑事部長に気持ちを言ったのだ。生稲は自分の立場はわかっているといった上で告げた。貴方は若槻さんという以前の相棒を売ったのだと。それを悪びれずにのうのうと座っているのが間違っている。それに貴方は榎並邦彦とつながっていた。リーチの事件を未解決にしたのは自分の立場をよくするためだけであって被害者のことなどみじんも含まれていない。貴方はもう警察だと名乗る資格も1ミリも残っていない。生稲の言葉に怒った刑事部長はののしった。感情のままだったので、自分の行いに棚に上げたものだった。その時に監察官が来たので黙りこくってしまった。監察官に言われたのだ。いえる立場なのかと。

「監察官のタイミングが良かったな。懲戒処分は間違いなしってとこかな。」

「よかったんですか?」

「いいんだよ。悪事には天罰がつきものだ。それもわかっていないんだから。」

若槻は資料を眺めていた。資料に載っているのもまた悪魔のような人物だから。

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