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叫騒の歌  作者: 実嵐
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昔話ともいえるが・・・

準備が分かりやすいうちに進んでいる。捜査一課の連中もいるが、若槻に勝てる人がいないのでただ来ないだけなのだ。無駄足を踏んでいることを自覚していながらただロボットのように動いているのだ。試験を受けて受かった時にでも偉そうにするつもりなのかわからないが、心の中で地団駄を踏んだところで何も変わらないのは益子は知っている。所轄にいたときに相棒だった人がベテラン刑事にののしられていたのを見たことがあった。それでも何も言わずに黙っているだけがまるで筋と思っているのが何処かで情けなくなった。高校に対して電話をかけ終わったために廊下から出ようとしたときに声をかけられた。

「佐伯。」

「どうだ?終盤戦か?」

「そうだよ。辱めるために高校の文化祭を利用するんだよ。じゃないと落ちないって若槻さんが言っていたから。」

佐伯は勉強で忙しいはずなのに何処かのうのうとしているように見える。佐伯は片桐から法医学を学んでいるのだ。若槻の元で学びたいと志願したら許可を得たらしい。

「榎並邦彦が怪しいってずっと遠藤さんが言っていたんだよね。防犯カメラにも映っている姿とか見ていてね。義理の息子の事件の時だって悲しんでいる様子じゃなかったんだよ。おじけづいたような怯えたような感じだったんだ。・・・俺、霊安室で捜査一課の人と交じって待っていたからわかるんだよね。」

佐伯によると榎並邦彦のところにアリバイを聞きに行ったときに秘書が慌てた様子でセリフを言うかのように言っていたのだ。調べてみると一切防犯カメラに写っていなかったのだ。アリバイに言ったのは郊外のビジネスホテルだった。ホテルの中はいつも人が足りずで手薄になっているときが多いのを知っていたのではといった。

「郊外のビジネスホテルを一時使っていた時があったっていうことだよな。今じゃあありえないことだけど・・・。」

「それがありえたのは昔話にさかのぼるってわけだ。」

「若槻さん。」

気になって来たというよりかは廊下を歩いていただけなのだろう。ポケットに手を突っ込んでいる。

「榎並邦彦の経歴を見ただろ。」

「はい、榎並物流を倒産に追い込んだとか書かれていました。倒産に追い込んだ後に外部の取締役を読んだとかありました。」

「外部の取締役を呼ぶのに有名ホテルでもよかったんだが、経営がうまくいきだした直後に周りの人間が辞めだした。その時に部屋を借りるにしても無難な郊外のビジネスホテルを選んだ。公にできない話をするためにその時に探索したんじゃないのか。」

外部の取締役からただでは受け取れない情報で立ち直ったのかもしれない。

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