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叫騒の歌  作者: 実嵐
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シーソー

「此処、数日は何もないですね。選挙があるわけではないですから。大きなホールを貸し切るとしたら演説くらいでしかないですし。」

「まぁ、時間をかけてもやってくる手口は同じだ。だから、撃退するタイミングは今しかないわけだ。」

間瀬は榎並邦彦で検索をかけたのだろう。もっぱら出てくるのは謳い文句や大人げない言い訳を連ねたものだった。予定を乗っけているのに使われてたりするのをわかっている。生稲は手を握ったり開いたりを繰り返していた。

「ありましたよ。若槻さん。」

「榎並が叱咤激励をしに高校を訪れるとあります。ステージに立つとも書かれています。それも文化祭ですから、いい場ですよ。」

「益子、高校に連絡を取れ。使用許可を取って準備をしたいと。・・・嫌がったら事件を解決するための場だと押せばいい。手荒にしないと落ちない相手だといっておけ。」

「はい。」

益子は部屋を出て廊下へといった。生稲だけは何処か取り残された感じがあった。捜査一課の時とは違う取り残された感じだったのだ。事件にかかわっているので情報共有と思ったが自動的に行われていた。生稲は黙ってコーヒーをすすった。

「生稲には仕事があるんだよ。」

若槻が子供の時に見せるようないたずらをしたかのような笑みを見せていた。間瀬に頼み、資料をもらった。

「これを刑事部長に渡してこい。何を言われても無視をしておけばいい。・・・あと、自分の気持ちをはっきり言い切ってこい。じゃあないとこの事件は吹っ切った気持ちでやれない。刑事部長という権力にも期限が切れそうなんだよ。」

生稲の背中をポンとたたいた。気合を入れるために行っているもので痛みを感じることはない。生稲の眼の色が変わったのを見て若槻はうなずいていた。彼の堂々とした足取りを眺めていた。

「生稲も変わりましたね。」

「そりゃ捜査一課にいても仕事もろくになかったんだ。痛いくらいに感じているだろうな。まぁ、刑事部長を一括するくらいの心意気がなきゃ何もできないよ。・・・昨日の遠藤さんので食らっているんだろうし。」

悪名を好む政治家がいても会社の中だったら嫌がるのが筋だ。それもあまりわかっていないのだろうからと。刑事部長という権限をもっていたくて頑張っていたのだろう。それも壊れているのを知っているのか。ドアとドアを阻まれているが、何を言っているかわからないが、大声が響いていた。正当化をしているのか生稲をののしっているのかのどちらだろうか。

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