表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
叫騒の歌  作者: 実嵐
87/122

保身と保険

「あれかな。若槻に陶酔しきっている輩っていうのは脅す手口まで知っているのか。恐ろしいな。」

「刑事部長、脅しではありませんよ。」

ドアの後ろにしたのは遠藤だった。鑑識も忙しいために休日でも来ているのだ。遠藤は若槻が来ていないことを知って絡んでくるのを予測していたために来たのだろう。遠藤の立ち姿には何処か神々しさを感じた。

「脅しではないのだとするとなんだというのだ。遠藤君。」

「データを扱っている部署からの情報ですが、書き換えられた形跡が見受けられた書類を頼んだのは誰かと検事に聞いたところ、貴方だと聞いたので警察庁が動いているようですよ。部屋の片づけくらいやったらどうです?リーチの事件も貴方が大きくしたのも同然ですからね。・・・一つ付け加えておく必要がありますね。貴方にとって陶酔しているのは自分であってそれしかないんですから。」

検察もデータの改ざんを認めたのだ。そのことによって真実を書き換えてもいいからといってきた刑事がいたと聞いたので監視官が聴取をしたところで名が挙がったのだ。抗えない真実であるのはデータからも残っていた。

「貴方は複数の事件にかかわっている。それも政治家とグルになってね。・・・榎並邦彦ってよく会っているんでしょ。昔の恩義だとか言って高級料亭での接待の上にわいろだなんて恥かかせな。」

彼は次々と玉を打っているようだった。早い玉から変化球のようなものまで多彩に持ち合わせているのを知らなかったのか、刑事部長は少し真顔になったりどう言い返そうか考えている様子にも見えた。

「そんな・・・こと・・・知らない・・・。」

「データありますから言い逃れできませんよ。」

間瀬はパソコンでカチカチと打つと音声が流れた。鑑識とデータを扱っている部署も監修になっているのでパソコン上に名前や言っていることの文章化もしてくれるお手軽品なのだが、それは逆に関係ない人からしてみれば困りもののようなものだ。音声から聞こえるのは何年前の事件を未解決にしてくれてよかったとかいくら払ったらもし新たに起きた事件をチャラにしてくれるかの交渉をしていた。

「これは今、榎並邦彦を張っている刑事がいましてね。その刑事がとったものです。やめさせたがった奴ですよ。皮肉ですね。」

「警察庁も知っている話の上に警視庁の保身にも関わることですから、早く辞めたらどうです?」

刑事部長は言い返せなくなってずかずかと出て行った。あれだけ食らっても態度は変わらないのだと思った。遠藤もほっとしたのか笑顔を見せていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ