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叫騒の歌  作者: 実嵐
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昔話と真相

榎並物流が倒産して喜んだのは邦彦だけだった。周りの奴は引いているようにも思えた。目的が理解した瞬間に冷めてしまったのだろうか続々とやめてしまった。社長が次々と変わっているのを不審がって社員もやめていくのは事態として収拾つかなくなってしまうのを恐れて外部の取締役に頭を下げて回った。小さな企業が中堅の企業を倒産に追い込んだことは知られていたので、自分の会社が標的にされたのではないかと恐れられていた。なかなかうまいこと行かなくなってしまったが、空気を換えるようなことを言われて事業をまっさらという位に変えてしまった。それで立ち直ることができた。

 一方、榎並物流のほうは何故倒産という事態に陥ったのかを探っていた。近所の人からの話によると邦彦が時々だが、かえってきているようであったと。眺めるのは榎並物流のほうばかりだった。近所の人が大学を出た後に何をしていたのかと聞いたら会社を起業したといっていた。自分が取締役としての知識もあるつもりだとも言っていた。仲間を集めて作ったんだと。なんの会社と聞いたが、一向に応えてくれなかった。それを不思議がっていたと聞いた。母親は昔の怨念だろうと思った。邦彦は大学に行ってから連絡を絶つようにもなっていたのだ。もともと根本にあるとしたらそうだと言い出した。

「邦彦が榎並物流をつぶすつもりでやったのだとしたら作戦負けだ。でもな、家族としてやり直す機会が会ってもいいんじゃないか。」

父親は少しだけ誇りを捨てるような言い方をした。子供につぶされたことにとやかく言うより助言をもらって立て直す方法を考えるほうがいいと思っていたのだ。長男は先手を打たれたのは継ぐとかいう話が大きく漏れていたからではないかと思うと小さな声で言った。近所では有名なくらいだった。その情報網なら簡単に突破されてしまうのではないか。

「親父、やっぱりあいつに帰ってきてもらうなんて虫が良すぎるよ。あいつには痛い目に遭うことが必要だよ。」

「そうね。お父さん。別の会社を作って今の借金を返しましょう。社員の方で善意で残っていただける方にお願いしてね。」

長男の提案によって物流を扱うものよりきっと時代が回ってくるのを待ったほうがいいとパソコン販売の会社から始めることにした。それが何処かで反撃として生きればと思ったのだ。借金は少しずつではあるが返済できるようになっている。大企業といわれるまでの会社になったのだ。

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