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叫騒の歌  作者: 実嵐
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要注意

応接室はがら空きの状態だったらしく少し広めの場所を選んでいた。武田はあっけらかんとした態度をしているので間違えてしまうほどだ。コーヒーも自分で注いでいた。益子に気遣ってプラスチックの入れ物に入れていた。

「すいません。」

「何も遠慮することはないんですよ。まぁ、来たということは榎並関連でしょうね。榎並を受け入れたことが失敗だったと人事は嘆いているところですよ。」

「それほどだったんですか?」

「えぇ、外回りの営業すらろくにできない癖に詐欺師からクレジットの契約を取っていたんですから驚きです。」

榎並渉はどうやって此処まで来たのかを疑いたくなった。クレジットの契約数が達していたとしても疑っていたので上げなかったのかもしれない。昇格の対象になりえなかったのかもしれない。それでも奮起するような態度も起こさなかったためにクビを切ったのを知っているのだろうか。

「クビになって改心したとか聞いたことありませんか?」

「あります。同期が辞めてからすぐにあったみたいです。たまたまで何故そうなったか納得しているといっていて榎並じゃなくて旧姓に戻りたいとも言っていたみたいです。離婚してやり直すつもりだったのに、その後に殺されてしまうなんて・・・。」

旧姓を名乗りたいといっていたのは離婚をしてやり直すだけじゃなかっただろう。そういえば、夫婦仲は冷め切っていているのに奥さんがやたら高級品を買うので金がなかったとも聞いた。やめさせられたことでいいきっかけになったと思ったのかもしれない。離婚することでやり直すことができると。

「結婚当初から異様な空気を漂わせていたんで覚えています。何処でどうであったら政治家の家族と出会うんだって会社中の話題でしたよ。それも相手はぬくぬくと育ったお嬢様。大学であったとかじゃないとわからないと思ったんですけど、大学じゃないと断言してました。」

榎並の結婚がまず謎なのかもしれない。榎並の実の父親に聞いても勝手に決めたことだからと答えなかったのだ。独断で決まったので祝うこともなかった。結婚式の日時も勝手に決められていたうえに聞いたのは直前だったこともあっていけなかったのだという。豪華すぎる結婚式であったとのちに行った人に聞くことができたと父親は言っていた。

「不釣り合いな結婚だと思いましたよ。それから仕事をしっかりするのかと思えば以前より悪化しているようで本社からもどうなのかと聞かないといけない対象でしたからね。」


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