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叫騒の歌  作者: 実嵐
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画に書いたものとは・・・

武田は榎並の死によって襲い掛かってくるものをわかっているため、少なからずうっ憤を晴らしているようにも見えた。週刊誌は必ず榎並のことを聞きつけてくるものなのだ。

「なぁ、お前の力で口をふさいでくれないか?」

「俺はそれは主義じゃない。事実を言ってそれを会社の力でやりくりしないと何が起こっても何か頼みになってしまうからな。」

「そうか。やっぱりいうと思ったよ。明らかに週刊誌と関係があってもな、会社の全てを明かしていたりがあったからな。・・・でも頑張るしかないよな。桜銀行の危機となっているわけだし、頭取も困るだろうから。」

武田は週刊誌の記事の変化を知っていたのだ。特徴を知っている数少ない連中からの問い合わせは受けたと聞いたこともあったが、社会派の記者が寄って来たこともあって質も上がっているのだ。何処かで描いているようなのだ。

「まぁ、お前のことだから考えてやるよ。少しの手だけは貸すからさ。いいだろう。いい週刊誌を知っている。榎並を売ることになるが、構わないな。」

「いいよ。死人に口なしというように言い訳の筋なんて通り来ないから。」

榎並の家族はかばうのだろうか。武田は近々榎並渉の葬式に出ることになっているので、そこでの情報との引き換えという形になった。若槻にとっては好かない取引となった。若槻にとっては友人は大切だが、それ以上に真実を持ち合わせている刑事が顔を突き合わせていることもあるからだろう。若槻には嘘をついてまで守られた部下の存在があったから此処までいるわけではない。むしろ、嘘をつかずに真実を言って降格処分を受けたのだ。若槻にとってはその光景が忘れられなかった。特段、その時には班や課をもっていたわけでもない。相棒として組んでいた奴に隠れてやっていた。真実から逃げることもなく、1人で責任を負う覚悟でやっていた。それを遠巻きに巻き込んだのが間瀬だった。間瀬も真実から逃げたくないといって手伝ってくれた。これ以上誰かに痛手を合わせたくない。

「じゃあ榎並を売る。それでどうにか守れ。・・・けどな、ある程度は反感を食らうぞ。それくらいの覚悟があってこそだ。まぁ、早いうちに手を打つから。」

武田にいうだけ言って割り勘をして帰った。外は薄暗さを保っていた。若槻は携帯を持った。それは約束だからだ。携帯の電話帳を見ると決まった場所に集めていた。以前使ったシーズンは使えない。シーズンが欲しがるようなネタじゃないからだ。weekdayのところを見た。此処だと。

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