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叫騒の歌  作者: 実嵐
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有名故の結末

「夫婦ともどもっていうのが疑わしい話だな。」

「だから、榎並邦彦が絡んでいるって言われたら疑うこともないだろう。詐欺師とかと関係があったはずだろうからな。」

のんきな顔をしてコーヒーをすすった。上原信夫が桜銀行にかかわったのは頭取とも関係があるのだろうかと思ってしまう。

「お前、榎並邦彦の通帳のコピーとしていないのか。ざっくりで構わない。それでもわかるものもあるから。」

「そういうと思ってしてあるぜ。一応はうちの取引相手だけどな。榎並の死ってのはあっけなかったと思っている。クビになったことが抵抗できてくともだ、奥さんが入ってこなかったからな。榎並渉の家の近所の人が言うには離婚調停に入っていたとかいっていてお得意先を怒らせたことがすでに耳に入っていて別れろっていっていたらしい。勝手だよな。」

それに従った娘は旦那が死んでもさほど悲しんでいなかったという。まるで素人の下手な演技を全員で眺めているみたいであった。武田はそれを見て金じゃないと思ったらしい。金が目がくらんだというよりか形ばかりの結婚をして祝福をしてもらって邦彦の地元でのことが良くなればいいとしたのではないかと。

「武田、榎並になる前の通帳ってないのか。出所が分かればあの結婚も全て読み取れる。」

「全くお前は機械かよ。読み取るなんて言葉使ったところで更新しているからな。桜銀行にあった気がしたんだよな。・・・まぁ、探してみてやるよ。」

「なんだか偉そうだな。専務が。」

「お前に言われると嫌味に聞こえないんだよな。」

武田は大学の時に受けた仕打ちを返しているような感じだ。けれど、若槻から受けた仕打ちではないのだ。全くもって理不尽なものなのだ。若槻は通帳のコピーを眺めていた。

「あったぞ。榎並渉の旧姓が分かった。やっぱり脅されていたんだな。ちまちまだけどあるわ。」

「そうかよ。これで桜銀行に泥がついたな。銀行の行員が詐欺師と取引があった上に国会議員がらみなんて庶民は怒りしかないぜ。銀行自体が大きくなかったとしてもだ。」

銀行というのは行く末を簡単に決められないと思った。他人の金が預けられているのだ。それを勝手に横領することは何処でも許されるのだが、多いのだ。武田は次いでのように言っていた。

「それと榎並はたどればだけどな、まぁいいところの坊ちゃんだったみたいだ。酒に酔った時に自慢していたといっていた。それも見下した態度をとっていたらしい。」

榎並渉はもともと商売をしていたのか。いいところの坊ちゃんだったということは有名であったに違いない。

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