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叫騒の歌  作者: 実嵐
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冷え切った温度

若槻と益子は警視庁へと戻った。警視庁という建物は薄明かりが安っぽく照らされていた。そこは間瀬が疲れたのか椅子にもたれかかるようにしていた。捜査一課のほうを見れば生稲が資料をじっくりと見ている。捜査一課で同じなのだが、週刊誌のこともあってか腕が認められてもろくに表に出られないのらしい。鑑識は前の生稲と変わったこともあって以前より情報を与えるようになった。鑑識は生稲しか知らない情報があるのに一向に聞かない姿には霹靂している。

「間瀬、上原についてはどうだった?」

「警部までいった人ですね。腕もよかったみたいです。現場が好きだったこともあってか昇格試験の勉強は何時していたのかとつぶやく部下もいたそうですね。」

確信が持てた事件は必ず自分の手で令状をもって来たという。口も利くような人だったので部下からの信頼も厚かったのだ。

「上原という人は夫婦そろって捜索願いを出されてますね。かなり前からです。子供が出したのか同僚が出したのかといったところでしょうけど。」

「まぁ、今日やれるのは此処までだな。明日に引き継ぎだ。休めよ。」

そういうと若槻はそそくさと出て行った。きっと鑑識へと行くのだろう。榎並渉の事件の詳細を聞いていないからだ。すぐに父親の幸則にあったりしたこともある。益子は椅子に座った。間瀬は背伸びをした。

「上原信夫っていう人はかなりのやりてだったみたいだ。表彰もされているから自分の権威を傷をつけるような愚かな人じゃなかったと思うぞ。事件に巻き込まれた感じだな。」

「今日さ、高木幸喜の父親に会ったんですよ。上原さんのこともあって、事件は解決したいがかかわらないでほしいって言われたけど、若槻さんはそんなことをいっても俺はやるっていってましたよ。背中が恰好よかったです。」

間瀬は少し笑顔と真顔を繰り返していた。若槻の決意というのは並大抵のものじゃないのを知っているからだ。パソコンの電源を入れた。間瀬のパソコンにはたくさんの資料が入っていた。

「この事件は背後に国会議員が入っていると聞いたら納得するだろう。」

「そうですね。納得しかしないです。榎並渉自身がもともと脅していた相手だとしたら自分のテリトリーに入れておいて管理するつもりだったが反撃されそうになって殺したとしたらどうです?」

「あってるかもな。捜査会議で上がっていたのは榎並渉夫妻の仲の悪さだったんだ。隣人に聞いても同じ答えで金遣いの荒さもあって何時も喧嘩しかなかったんだって。」

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