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叫騒の歌  作者: 実嵐
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チラシの意味

益子が車を動かすときに霊園の名前を告げた。驚いたが、高木幸喜の墓に行くという話になっていたのを重し出した。そこの霊園は最近では永代供養をしてくれるといわれていてかなり増えているのだ。

「そんないいところに墓を建てたんですか?」

「まぁ、大きな場所じゃなかったらしいが、最近じゃ息子もいないからって永代供養にするとか話が上がっているとまで言われている。」

「詳しいですね。誰から聞いたんですか?」

そっけない態度を見せるように窓を見つめている。彼は信号で止まった時につぶやいた。

「管理会社だよ。警察手帳を見せて高木のことを聞いたら言ったんだ。墓じまいをしてしまったほうがいいってね。今じゃあ墓は邪邪魔者だって管理会社がいっていた。むしろ、嘆いていたよ。」

益子が榎並渉について聞きに行っているときに榎並邦彦のことを探りながら関係するかもしれないと伏線を張っていたのかもしれないと思った。若槻は言うだけ言うと眠ってしまった。遠藤の話では佐伯はまだ腕が達していないと片桐に叱られたときにふらっと顔を出してきた若槻に励まされたという。人を見ていないようで見ているのがこの人の特徴なのだ。寝心地がいいのかすやすやと寝ている。運転の疲れをとるためにコンビニへと寄って缶に入ったエナジードリンクを買った。それだけでなく、若槻が起きたときのためにペットボトルに入ったカフェラテを買った。近くのホルダーに差し込んだ。そのあと、数分走らせていると起きた。

「おぉ、気が利くな。」

「もうすぐですよ。かなり町から離れましたね。」

「高木幸喜は自然が好きだったらしい。生き物にも食いついていた。」

「それならなんで自然とかかわらない仕事に就いたんでしょう。沢山あったでしょうに。」

益子がつぶやくと少し悩ましい顔になった。生き物に限ってもたくさんあるだろうが、自然に限ってもたくさんあるように思ってしまう。

「それは親に聞かないとわからないな。管理会社の人が知っているのはそこまでだよ。父親は墓に来る度に詫びるんだと。命日と盆と・・・。まぁよく来るらしくて気にしているといっていたな。母親は命日には来ない。」

「ビラを配っているからですかね。いっていたんですよ。桜銀行の近くの喫茶店のマスターが駅前で配っているのを毎回見ているからって。」

ビラかと若槻はつぶやいた。未解決事件を解決したとされてしまっている以上マスコミは取り上げないとも思わなかった。だから、週刊誌の記者を思い浮かべたのだろうか。

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