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叫騒の歌  作者: 実嵐
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間瀬は暇そうにパソコンをいじっているが、たぶん榎並に関してだろうと思った。榎並についてはいい話は一切上がってこないのもいかほどかと思ってしまうほどだ。

「尾崎が殺された件とかかわっているんでしょうか?点と点のようにしか見えないんですけど。」

「まぁ、点に見えていることはいいことだよ。それがどのように線になるかなんてわからないんだからな。」

若槻は自分の席で資料を眺めている。チラリと見えたのは榎並邦彦と榎並渉であった。あくまでも義理の家族であるが、あまりにもと思ってしまうことがある。そんなことも感じても無意味なのかもしれない。窓を眺めてみても雲に隠れてしまっているのではないのか。空がにじみだす輝きというのはいったいなんだろうか。太陽だなんてわかり切ったことじゃなくて、感じ方なのかもしれないと思った。

「榎並のことも二課が受け持ちたいと持ち寄って来たからな。まぁ、合同かもな。金も絡んでいるから。単純そうで単純じゃないのさ。」

「事件ってそういうものですよね。人知れずにやっているふりをしている人間もいるんですから。防犯カメラにすら映っていないふりをしてしまうのは愚かですから。」

コーヒーを継ぎながら言った。高木幸喜の父親は一度会っているから会うのもいいかもしれないと思った。高木にとって会社は息子を守ってくれなかった会社でしかない。利益を望む形になってしまったのだろうから。今の捜査一課は忙しそうに慌てている姿がある。生稲が急いでこちらに来た。

「知ってますか?殺人事件が起きたんですよ。それも尾崎峰雄と同じ殺したらしくて・・・。」

尾崎と同じ殺し方というのは撲殺ということだ。それもハンマーであったがそこまで一致するかはいってみないとわからないのだ。鑑識も向かっているらしく、重なった事件によってあわただしいことになっている。

「どうしますか?若槻さん。」

「こうなったら行くか?尾崎とかかわりのある人間がしたことかもしれない。」

明星というホストクラブであるがオーナーは捕まっている。そこに近しい人間も二課によって捕まったというのだ。金石が全てを認めたことが分かって包み隠さなかったのかもしれない。新たな事件と未解決事件がつながっているとしたら警察が失態を隠すだろうか。なんてことを益子は思ってしまった。身内の失態を隠すことが正しいとは思わないのである。認めていないのだ。認めることにしているがすぐにやめさせて天下り先へとするのが全てじゃない。

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