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叫騒の歌  作者: 実嵐
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事件の始まり

若槻は警視庁に戻るなり自分の席へといった。間瀬からの連絡待ちの状態なのだ。間瀬はデータを扱っていたこともあって情報に対する関心も大きい。若槻は人の適正を見るのがうまいこともあるのだろう。間瀬の席は空席だ。空っぽのような気がしてしまう。それも捜査一課としてれっきとした人間なのにさげすんでみられるのは承知の上なのだ。それもこの風景にマッチしていると思うのは可笑しいことなのか。捜査会議だといって皆が情報を共有するのはわかるが、全員が同じ考えでなければいけないというのはいったいどういうことなのか。それはよさなのか。傲慢なのかと。間瀬が小走りでやって来た。

「すいません。鑑識の片桐と一緒に司法解剖にも立ち会っていたものですから。遅くなったんです。捜査会議の情報は鑑識からくれるということで。」

「それで該者の名前は?」

「尾崎峰雄です。会社員だったみたいですけど・・・。会社の中でも評判が悪くて。最近辞めて無職でした。」

「フリーターでもないわけね。」

今の時代、ネットがあればいいと思っているのだ。開発する力があったのだろうか。営業とかだったのではないのだろうかと思ってしまうのだ。

「会社になじめずやめても会社に勤めていないのは周りの環境もあったのかなって思うわけだね。」

「それで該者の致命傷は片桐の見立て通りでした。あいつ、腕上げてますよ。」

「そりゃそうだろう。俺によく見られたいんだから。間違ったことを言った奴は毎回変わるのは知ってるだろうからよ。」

鑑識にもあらゆる知識を持たせているのだろう。撲殺だ。ハンマーの形状だと。ハンマーをあらさがしをしたとしても普通に大量生産されたものを使うだろう。

「それでパソコンはどうなっているんですか?間瀬さん。」

「それについては鑑識だけはダメだからってデータを扱っている奴に託すからって。捜査一課に連携して伝えることなしとは言ってあります。」

そのことを言えるのはこのちっぽけな部署であるから。ちっぽけなものほど力をもっているのだ。皮肉めいたことを言うよりも先にやるべきことがあるのだ。資料を眺めている。何も成し遂げることができなかったのだろう。尾崎という人間の社会性は会社でわかることだと高をくくっている。刑事部長が観察しに来た。

「どうだね。進んでいるかい?」

「全く情報がありません。あの時間帯に不審な人物を見なかったとしか言わないので・・・。」

捜査一課の動きを確認することにした。刑事部長に何を言われても若槻は素知らぬふりをする。それも徹底してだ。

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