あがき
「お前のほうでさ、クレジットカードの契約者とか探れないのか?」
「わかった。やってみる。殺人事件が起こっているんだもんな。それも過去の合わせたら3人目だよ。俺も事情を知っているからできるだけやってみる。わかったら連絡する。けど、今日は此処までにして久しぶりに飲みに行かないか?」
「いいぞ。何時もの居酒屋な。あそこなら融通も利くからな。」
武田はまだ仕事があるといって玄関まで見送ってくれた。若槻は考え込んでいるようでもあったのだ。クレジットカードが見つからなかったのだ。被害者の家で起きているので、隅から隅まで見ているだろう。捜査一課の人達も見ているはずだ。難渋にも確認をしていたにも関わらず、桜銀行のクレジットカードだけは挙がって来なかった。見落とすはずがない。犯人が奪っていっとしか考えられない。だが、生活からは漂っていなかったのをどうやって見つけたのか。そしてカードだけを得たとしてもしょうがないので脅したのだろうか。益子も思うところがあった。
「尾崎はかなり用心深かったんじゃないんですか?」
「そうだろうな。かなりの額をため込んだ口座をもっているうえに、盗まれてばれるのも恐れてたのだからな。それでも人はぼろを出すものだ。暗証番号は一番知っているのは銀行だよ。そんなことを考えていたくらいだ。」
益子に対して若槻はくらいなどといって濁しているが、明らかににらんでいる人間がいるようでもあったのだ。警視庁へと戻った。捜査一課の人を見た。動いているが、止まっているようだった。生稲は少しすっきりした顔をしていた。益子を見るなりすぐにこちらに来た。
「益子、俺はいらぬ疑いかけられていたのがなくなったんだよ。今日の週刊誌に載っていて。」
生稲がもっていた週刊誌の大きな見出しには警察の冤罪だとしていっているようであったのだ。生稲に週刊誌の記者を叱った人間ではなく、別の人間だと題材的に顔が載っていたので、上もあきらめたようであった。向かいでは若槻と刑事部長の戦いというよりかどちらが勝つかが分かっている試合を起こしていた。
「お前、なんであいつじゃなくて、この載っている子を売ったんだ。生稲のほうが使えないと聞くのに・・・。」
「お前は見ているところが違うんだよ。腕は明らかに生稲のほうが上だ。扱いを考え直したら立派な刑事になる。それをしていない組織の責任だよ。こいつは腕はろくでないのに偉そうにしているから罰を与えただけだ。まぁ、どうあがいても無理だよな。」
若槻が不敵な笑みを含めていた。




