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叫騒の歌  作者: 実嵐
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2枚の違い

会議室へと導かれていった。受付の女性は上司の言葉におののいた感じでもあった。

「俺が用事があったようだけど、どうやらお前もあるみたいだな。あの口ぶりだと。」

「やっぱり、若は理解が速くて助かるよ。そうなんだ。・・・先にお前の要件を終わらせたい。何をすればいい?」

「尾崎峰雄について調べてほしいんだよ。あるところを調べていたら火があったみたいでな。煙がすごいんだ。」

武田はすぐに会議室に出ると、部下に頼んだのかすぐさま戻って来た。きっと2人には離れきれないものがあるのだろう。お茶をすする音だけがこだまするようだ。部下がすぐに出てくるものからもって来たのだ。

「尾崎は2枚のクレジットカードをもっているようだ。上限金額が違いすぎる。明らかだ。」

「それは誰から作ったんだ?」

「榎並渉だ。榎並の義理の父親は国会議員の榎並邦彦だ。」

榎並について気になっていたのだと武田は言った。周りの人間が不振がっているのが聞こえているので探偵にでも雇ってやってもらおうかと悩んでいたのだといった。だけど、知り合いの探偵事務所など知らないし、義理であるといっても国会議員を敵に回すのは気が引けるのが現実だ。そしてたまたま、若槻が来たのでやっとたまっていたものを吐き出せたのだ。

「榎並渉は営業なんだけど、お得意先にも行っていないと聞いたことがあって不思議だったんだ。その割にはノルマを毎回達成するのは新規を開拓なんて楽じゃないからな。それを知っているのに明らかに可笑しいと疑いをかけたままだったんだ。警察がいれば言い逃れはしづらいかなってな。」

「警察もそう簡単には動かないぜ。しかも、国会議員なら。・・・でも、間瀬を使えば何とかなるものよ。」

「若槻さん、何とかなるっていったいどう言うことですか?」

「政治資金に探りをかけりゃ、ぼろが出るんだよ。政治家ってのは金がないとやっていけない。明細書ですら書き換えることもする輩なんだからな。鑑識の技術では、たぶんダメだろうから科捜研くらいに頼むかな。」

尾崎は2枚のクレジットカードがあり、上限が最低のものと数百万のものとかなりの差であった。まるで狙われるのを知っているようだ。つながっている口座は同じであったのだ。資料を2枚並べてみた。榎並の行動を張ってみるのも面白いと思った。

「榎並は此処じゃないのか?」

「此処じゃないんだよ。まぁ、近いところにいるよ。榎並を相手にするのは嫌になるよ。甘やかされているからな。」



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